Qt GUIプログラミング：QOpenGLContextGroup::shares()関数でOpenGLコンテキストグループ間の共有状況を徹底解説

QOpenGLContextGroup::shares() は、Qt GUIにおけるOpenGLコンテキストグループ内のOpenGLリソース共有状況を確認する関数です。OpenGLコンテキストグループは、複数のOpenGLコンテキスト間でOpenGLリソースを共有するために使用されます。shares()関数は、指定されたOpenGLコンテキストグループに属するすべてのOpenGLコンテキストオブジェクトのリストを返します。

詳細

QOpenGLContextGroup::shares()関数は、以下のプロトタイプを持ちます。

QList<QOpenGLContext *> shares() const;

この関数は、const修飾子付きであり、オブジェクトの状態を変更しません。また、QList<QOpenGLContext *> 型の値を返します。このリストには、指定されたOpenGLコンテキストグループに属するすべてのOpenGLコンテキストオブジェクトが含まれます。

例

以下のコードは、QOpenGLContextGroup::shares()関数を使用して、現在のOpenGLコンテキストグループに属するすべてのOpenGLコンテキストオブジェクトを列挙する例です。

QOpenGLContextGroup *group = QOpenGLContext::currentContext()->shareGroup();
QList<QOpenGLContext *> contexts = group->shares();

for (QOpenGLContext *context : contexts) {
    // 各OpenGLコンテキストオブジェクトを処理する
}

QOpenGLContextGroup::shares()関数は、OpenGLコンテキストが実際に共有されているかどうかを保証しません。共有されるかどうかは、プラットフォームとOpenGL実装によって異なります。
OpenGLコンテキストグループは、OpenGLコンテキストの共有だけでなく、OpenGLレンダリングコンテキストの共有にも使用できます。

#include <QOpenGLContext>
#include <QOpenGLContextGroup>

int main() {
    // OpenGLコンテキストグループを取得
    QOpenGLContextGroup *group = QOpenGLContext::currentContext()->shareGroup();

    // 共有されているすべてのOpenGLコンテキストオブジェクトを列挙
    QList<QOpenGLContext *> contexts = group->shares();
    for (QOpenGLContext *context : contexts) {
        // 各OpenGLコンテキストオブジェクトについて処理を行う
        qDebug() << "OpenGLコンテキストオブジェクト: " << context;
    }

    return 0;
}

例2: 特定のOpenGLコンテキストが別のOpenGLコンテキストグループと共有されているかどうかを確認する

#include <QOpenGLContext>
#include <QOpenGLContextGroup>

int main() {
    // 共有を確認したいOpenGLコンテキストを取得
    QOpenGLContext *context = ...;

    // 共有先となるOpenGLコンテキストグループを取得
    QOpenGLContextGroup *group = ...;

    // 共有されているかどうかを確認
    bool shared = group->shares(context);
    if (shared) {
        qDebug() << "OpenGLコンテキスト " << context << " はグループ " << group << " と共有されています";
    } else {
        qDebug() << "OpenGLコンテキスト " << context << " はグループ " << group << " と共有されていません";
    }

    return 0;
}

例3: 新しいOpenGLコンテキストグループを作成し、複数のOpenGLコンテキストを共有する

#include <QOpenGLContext>
#include <QOpenGLContextGroup>

int main() {
    // 新しいOpenGLコンテキストグループを作成
    QOpenGLContextGroup *group = new QOpenGLContextGroup();

    // 複数のOpenGLコンテキストを作成し、グループに共有
    QOpenGLContext *context1 = new QOpenGLContext(group);
    QOpenGLContext *context2 = new QOpenGLContext(group);

    // 共有されていることを確認
    qDebug() << "OpenGLコンテキスト " << context1 << " はグループ " << group << " と共有されています";
    qDebug() << "OpenGLコンテキスト " << context2 << " はグループ " << group << " と共有されています";

    // OpenGLコンテキストとグループを解放
    delete context1;
    delete context2;
    delete group;

    return 0;
}

OpenGLコンテキストグループとOpenGLコンテキストの管理に関する詳細は、Qtドキュメントを参照してください。
上記のコードはあくまで例であり、実際のアプリケーションでは状況に合わせて修正する必要があります。

代替方法の例

QOpenGLContext::shareContext() 関数を使用する
この関数は、指定された OpenGL コンテキストと共有される OpenGL コンテキストオブジェクトを返します。QOpenGLContextGroup::shares() 関数よりもシンプルですが、共有されるコンテキストオブジェクトは 1 つのみです。

QOpenGLContext *sharedContext = context->shareContext();
if (sharedContext) {
    // 共有されるOpenGLコンテキストオブジェクトを処理
}

QOpenGLContext::extraData() 関数を使用する
この関数は、OpenGL コンテキストオブジェクトに関連付けられた任意のデータを格納および取得するために使用できます。共有情報などを格納するために使用できますが、QOpenGLContextGroup::shares() 関数よりも柔軟性に欠けます。

QVariant data = context->extraData("sharedGroup");
if (data.canConvert<QOpenGLContextGroup *>()) {
    QOpenGLContextGroup *group = data.value<QOpenGLContextGroup *>();
    // 共有グループを処理
}

独自の共有メカニズムを実装する
より複雑な共有要件の場合は、独自の共有メカニズムを実装する必要があります。これには、OpenGL コンテキストオブジェクト間で共有するリソースを手動で管理することが含まれます。

代替方法の選択

上記の代替方法のいずれを使用するかは、状況によって異なります。

柔軟性と制御が必要な場合は、独自の共有メカニズムを実装する必要があります。
共有情報が複雑な場合は、QOpenGLContext::extraData() 関数を使用する方が適切な場合があります。
共有されるコンテキストオブジェクトが 1 つのみの場合は、QOpenGLContext::shareContext() 関数が最もシンプルです。

OpenGL コンテキストグループと OpenGL コンテキストの管理に関する詳細は、Qt ドキュメントを参照してください。
上記の代替方法は、QOpenGLContextGroup::shares() 関数のすべての機能を再現するわけではない場合があります。