Qt GUIでフレームバッファオブジェクトにテクスチャをアタッチ: QOpenGLExtraFunctions::glFramebufferTexture()徹底解説
QOpenGLExtraFunctions::glFramebufferTexture()
関数は、OpenGLフレームバッファオブジェクトにテクスチャオブジェクトをアタッチするために使用されます。これは、フレームバッファのカラーアタッチメントまたは深度アタッチメントとしてテクスチャを指定するために使用されます。
構文
void glFramebufferTexture(GLenum target, GLenum attachment, GLenum texture, GLint level = 0);
引数
level
: テクスチャオブジェクトのミップマップレベルを指定します。デフォルト値は0です。texture
: アタッチするテクスチャオブジェクトを指定します。attachment
: フレームバッファにアタッチするアタッチメントの種類を指定します。有効な値は、GL_COLOR_ATTACHMENT0
、GL_COLOR_ATTACHMENT1
、...、GL_COLOR_ATTACHMENTn
、GL_DEPTH_ATTACHMENT
、GL_STENCIL_ATTACHMENT
です。target
: フレームバッファオブジェクトの種類を指定します。有効な値は、GL_FRAMEBUFFER
、GL_READ_FRAMEBUFFER
、GL_DRAW_FRAMEBUFFER
です。
戻り値
この関数は戻り値を持ちません。
詳細
glFramebufferTexture()
関数は、フレームバッファオブジェクトのレンダリング結果をテクスチャオブジェクトに格納するために使用されます。これは、後処理やテクスチャマッピングなどの他のグラフィック操作に使用されるテクスチャを生成するために役立ちます。
この関数は、OpenGL 3.0以降で使用できます。古いバージョンのOpenGLを使用している場合は、glBindFramebuffer()
、glFramebufferRenderbuffer()
、glFramebufferTexImage()
などの他の関数を使用する必要があります。
例
// フレームバッファオブジェクトを作成します。
GLuint framebuffer;
glGenFramebuffers(1, &framebuffer);
// テクスチャオブジェクトを作成します。
GLuint texture;
glGenTextures(1, &texture);
// テクスチャをバインドします。
glBindTexture(GL_TEXTURE_2D, texture);
// テクスチャのストレージを割り当てます。
glTexImage2D(GL_TEXTURE_2D, 0, GL_RGBA, width, height, 0, GL_RGBA, GL_UNSIGNED_BYTE, nullptr);
// フレームバッファにテクスチャをアタッチします。
glBindFramebuffer(GL_FRAMEBUFFER, framebuffer);
glFramebufferTexture(GL_FRAMEBUFFER, GL_COLOR_ATTACHMENT0, texture, 0);
// フレームバッファをデフォルトにリセットします。
glBindFramebuffer(GL_FRAMEBUFFER, 0);
この例では、フレームバッファオブジェクトとテクスチャオブジェクトが作成され、テクスチャがフレームバッファのカラーアタッチメント0としてアタッチされます。これにより、フレームバッファのレンダリング結果がテクスチャに格納されます。
- この関数は、フレームバッファオブジェクトの状態を変更する前に、
glBindFramebuffer()
関数を使用してフレームバッファをバインドする必要があります。 - この関数は、フレームバッファオブジェクトのマルチサンプルステータスを変更しません。
glFramebufferTexture()
関数は、マルチサンプルテクスチャとレンダダーバッファオブジェクトにも使用できます。
#include <QApplication>
#include <QGLWidget>
class MyGLWidget : public QGLWidget
{
protected:
void initializeGL() override
{
// フレームバッファオブジェクトを作成します。
GLuint framebuffer;
glGenFramebuffers(1, &framebuffer);
// テクスチャオブジェクトを作成します。
GLuint texture;
glGenTextures(1, &texture);
// テクスチャをバインドします。
glBindTexture(GL_TEXTURE_2D, texture);
// テクスチャのストレージを割り当てます。
glTexImage2D(GL_TEXTURE_2D, 0, GL_RGBA, width, height, 0, GL_RGBA, GL_UNSIGNED_BYTE, nullptr);
// フレームバッファにテクスチャをアタッチします。
glBindFramebuffer(GL_FRAMEBUFFER, framebuffer);
glFramebufferTexture(GL_FRAMEBUFFER, GL_COLOR_ATTACHMENT0, texture, 0);
// フレームバッファをデフォルトにリセットします。
glBindFramebuffer(GL_FRAMEBUFFER, 0);
}
void paintGL() override
{
// フレームバッファをバインドします。
glBindFramebuffer(GL_FRAMEBUFFER, framebuffer);
// クリアカラーを設定します。
glClearColor(0.0f, 0.0f, 0.0f, 1.0f);
// クリアします。
glClear(GL_COLOR_BUFFER_BIT);
// 三角形を描画します。
glBegin(GL_TRIANGLES);
glVertex3f(-0.5f, -0.5f, 0.0f);
glVertex3f( 0.5f, -0.5f, 0.0f);
glVertex3f( 0.0f, 0.5f, 0.0f);
glEnd();
// フレームバッファをデフォルトにリセットします。
glBindFramebuffer(GL_FRAMEBUFFER, 0);
// テクスチャを描画します。
glBindTexture(GL_TEXTURE_2D, texture);
// テクスチャを描画します。
glBegin(GL_QUADS);
glTexCoord2f(0.0f, 0.0f); glVertex2f(-1.0f, -1.0f);
glTexCoord2f(1.0f, 0.0f); glVertex2f( 1.0f, -1.0f);
glTexCoord2f(1.0f, 1.0f); glVertex2f( 1.0f, 1.0f);
glTexCoord2f(0.0f, 1.0f); glVertex2f(-1.0f, 1.0f);
glEnd();
}
};
int main(int argc, char *argv[])
{
QApplication app(argc, argv);
MyGLWidget widget;
widget.resize(500, 500);
widget.show();
return app.exec();
}
説明
このコードは、以下のことを行います。
initializeGL()
関数で、フレームバッファオブジェクトとテクスチャオブジェクトを作成します。- テクスチャをフレームバッファのカラーアタッチメント0としてアタッチします。
paintGL()
関数で、三角形をフレームバッファに描画します。- テクスチャを描画します。
このコードを実行すると、青い三角形がウィンドウに表示されます。三角形はフレームバッファに描画され、テクスチャに格納されます。その後、テクスチャはウィンドウに描画されます。
代替方法
以下の代替方法を使用できます。
QOpenGLShaderProgram::bindTextureUnitToUniform()
関数
この関数は、シェーダープログラムのユニフォーム変数にテクスチャユニットをバインドするために使用されます。その後、シェーダープログラムを使用して、テクスチャをフレームバッファにレンダリングできます。
// テクスチャユニットをユニフォーム変数にバインドします。
program->bindTextureUnitToUniform("texture", 0);
// フレームバッファにレンダリングします。
program->use();
glDrawArrays(GL_TRIANGLES, 0, 3);
QOpenGLFramebufferObject::addTextureAttachment()
関数
この関数は、フレームバッファオブジェクトにテクスチャアタッチメントを追加するために使用されます。その後、glDrawBuffers()
関数を使用して、フレームバッファのレンダリング結果をテクスチャに格納できます。
// テクスチャアタッチメントを追加します。
framebuffer->addTextureAttachment(texture);
// フレームバッファをバインドします。
glBindFramebuffer(GL_FRAMEBUFFER, framebuffer->handle());
// レンダリング結果をテクスチャに格納します。
glDrawBuffers(1, &textureId);
// フレームバッファをデフォルトにリセットします。
glBindFramebuffer(GL_FRAMEBUFFER, 0);
QOpenGLFramebufferObject::blitFramebuffer()
関数
この関数は、フレームバッファオブジェクトの内容を別のフレームバッファオブジェクトにコピーするために使用されます。その後、コピーされたフレームバッファオブジェクトのテクスチャアタッチメントにアクセスできます。
// フレームバッファオブジェクトの内容をコピーします。
framebuffer->blitFramebuffer(0, 0, width, height, 0, 0, width, height, GL_COLOR_BUFFER_BIT, GL_NEAREST);
// コピーされたフレームバッファオブジェクトのテクスチャアタッチメントにアクセスします。
GLuint textureId = framebuffer->textureAttachmentObject(GL_COLOR_ATTACHMENT0);
QOpenGLFramebufferObject::blitFramebuffer()
- 長所
コードがシンプルです。 - 短所
フレームバッファオブジェクトの内容をコピーする必要があるため、パフォーマンスが低下する可能性があります。
- 長所
QOpenGLFramebufferObject::addTextureAttachment()
- 長所
フレームバッファオブジェクトの設定が簡単です。 - 短所
テクスチャアタッチメントごとにレンダリングバッファが必要となります。
- 長所
QOpenGLShaderProgram::bindTextureUnitToUniform()
- 長所
シェーダープログラムを使用して、テクスチャを柔軟に処理できます。 - 短所
シェーダープログラムの知識が必要となります。
- 長所