【初心者向け】Qt GUIでキーイベントを処理する：QKeyEvent::count()の使い方を徹底解説

QKeyEvent::count()は、Qt GUIにおけるキーボードイベントオブジェクトQKeyEventにおいて、イベントに関連するキーの数を取得するためのメソッドです。これは、キーの同時押しやキーリピートなどの状況を判断するために役立ちます。

戻り値

QKeyEvent::count()は、イベントに関連するキーの数を整数で返します。テキスト入力イベントの場合、これは単にtext()メソッドで取得できる文字列の長さに相当します。

詳細

QKeyEvent::count()は、以下の状況に応じて異なる値を返します。

• 複数キー同時押しイベント
  実際に押されているキーの数を返します。
• キーリピートイベント
  autoRepeat()メソッドがtrueの場合、2を返します。
• テキスト入力イベント
  text()メソッドで取得できる文字列の長さを返します。
• 単一キーイベント
  1を返します。

例

以下のコードは、QKeyEvent::count()を使用して、キーイベントの種類とキー数を判断する例です。

void myWidget::keyPressEvent(QKeyEvent *event) {
  int count = event->count();

  if (count == 1) {
    // 単一キーイベント
    int key = event->key();
    switch (key) {
      case Qt::Key_A:
        // 'A'キーが押された
        break;
      case Qt::Key_B:
        // 'B'キーが押された
        break;
      default:
        // その他のキーが押された
        break;
    }
  } else if (count > 1) {
    // 複数キー同時押しイベント
    // 押されたキーを処理する
  } else {
    // テキスト入力イベント
    QString text = event->text();
    // 入力されたテキストを処理する
  }
}

• QKeyEvent::count()は、イベントが処理されるまでのみ有効です。イベントが処理された後、count()メソッドを呼び出すと、常に1が返されます。
• QKeyEvent::count()は、イベントの送信元ウィジェットに関連するキーボードレイアウトに基づいてキー数を算出します。異なるレイアウトでは、同じキーイベントでも異なるキー数が返される場合があります。

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import sys
from PyQt5.QtWidgets import QApplication, QWidget, QLabel

class MyWidget(QWidget):

    def __init__(self):
        super().__init__()

        self.label = QLabel("キー押されていません", self)
        self.label.setAlignment(Qt.AlignCenter)

        self.show()

    def keyPressEvent(self, event):
        key_count = event->count()
        key_text = event->text()

        if key_count == 1:
            key_name = event->key()
            key_text = f"キー: {key_name}"
        elif key_count > 1:
            key_text = "複数キー同時押し"
        else:
            pass

        self.label.setText(key_text)

if __name__ == "__main__":
    app = QApplication(sys.argv)
    widget = MyWidget()
    sys.exit(app.exec())

説明

1. MyWidgetクラスを定義します。このクラスは、QWidgetを継承し、ラベルとkeyPressEvent()メソッドを持ちます。
2. __init__()メソッドは、ラベルを作成し、ウィジェットを表示します。
3. keyPressEvent()メソッドは、キーイベントが発生したときに呼び出されます。
4. keyPressEvent()メソッドでは、QKeyEvent::count()を使用してキーの数を取得します。
5. キーの数に応じて、key_text変数にキーの種類またはキーの名前を設定します。
6. label.setText()を使用して、ラベルにkey_textを設定します。
7. __main__ブロックは、QApplicationを作成し、MyWidgetインスタンスを作成して表示し、アプリケーションを実行します。

このコードを実行すると、ウィンドウが表示され、"キー押されていません"と表示されます。キーを押すと、ラベルにキーの種類またはキーの名前が表示されます。

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代替方法

以下に、QKeyEvent::count()の代替方法をいくつか紹介します。

QKeyEvent::modifiers()を使用する

QKeyEvent::modifiers()は、イベントに関連する修飾キーの状態を取得するためのメソッドです。このメソッドを使用して、Ctrlキー、Shiftキー、Altキーなどの状態を確認することで、キーの数を推測することができます。

void myWidget::keyPressEvent(QKeyEvent *event) {
  int keyCount = 0;

  if (event->modifiers() & Qt::ControlModifier) {
    keyCount++;
  }

  if (event->modifiers() & Qt::ShiftModifier) {
    keyCount++;
  }

  if (event->modifiers() & Qt::AltModifier) {
    keyCount++;
  }

  if (event->key() != Qt::Key_Unknown) {
    keyCount++;
  }

  // 処理...
}

QKeyEvent::text()を使用する

QKeyEvent::text()は、イベントに関連するテキストを取得するためのメソッドです。このメソッドを使用して、入力された文字列の長さを取得することで、キーの数を推測することができます。

void myWidget::keyPressEvent(QKeyEvent *event) {
  int keyCount = event->text().length();

  // 処理...
}

キーボードレイアウト情報を取得する

キーボードレイアウト情報を使用して、イベントに関連するキーの数を推測することができます。これは、QInputContextクラスを使用して行うことができます。

void myWidget::keyPressEvent(QKeyEvent *event) {
  QInputContext *ic = event->inputContext();
  if (ic) {
    QTextLayout layout(ic);
    layout.process(event);
    int keyCount = layout.positions().size();

    // 処理...
  }
}