Qt Widgets: サブレイヤウトも安心！QLayout::parentWidget()で親ウィジェットを自在に操作

QLayout::parentWidget() は、Qt Widgetsにおけるレイアウトオブジェクトの親ウィジェットを取得するためのメンバー関数です。レイアウトオブジェクトは、ウィジェットを配置するための構造を提供するクラスであり、QWidget のサブクラスです。

機能

QLayout::parentWidget() は、以下の機能を提供します。

サブレイヤウトの場合は、親レイアウトの親ウィジェットを返します。
レイアウトオブジェクトがインストールされていない場合は、nullptr を返します。
現在のレイアウトオブジェクトの親ウィジェットをポインタで返します。

使用方法

QLayout::parentWidget() は、以下の構文で使用されます。

QWidget *parentWidget = layout->parentWidget();

このコードは、layout という名前のレイアウトオブジェクトの親ウィジェットを parentWidget という変数に格納します。

例

以下の例は、QGridLayout レイアウトオブジェクトを使用して、3つのプッシュボタンを配置するコードです。このコードでは、QLayout::parentWidget() を使用して、レイアウトオブジェクトの親ウィジェットを取得し、そのウィジェットのタイトルを設定しています。

QGridLayout *layout = new QGridLayout;
layout->addWidget(new QPushButton("Button 1"), 0, 0);
layout->addWidget(new QPushButton("Button 2"), 0, 1);
layout->addWidget(new QPushButton("Button 3"), 1, 0);

QWidget *parentWidget = layout->parentWidget();
parentWidget->setWindowTitle("My Window");

サブレイヤウトの場合は、親レイアウトの親ウィジェットを返します。
QLayout::parentWidget() は、レイアウトオブジェクトがインストールされている場合にのみ有効です。

レイアウトオブジェクトは、QWidget::layout() メンバー関数を使用してウィジェットにインストールされます。
Qt Widgets には、様々なレイアウトオブジェクトが用意されています。
レイアウトオブジェクトは、ウィジェットを配置するための構造を提供するクラスです。

例 1: 親ウィジェットのタイトルを設定

#include <QApplication>
#include <QPushButton>
#include <QGridLayout>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // レイアウトオブジェクトを作成
  QGridLayout *layout = new QGridLayout;

  // プッシュボタンを追加
  layout->addWidget(new QPushButton("Button 1"), 0, 0);
  layout->addWidget(new QPushButton("Button 2"), 0, 1);
  layout->addWidget(new QPushButton("Button 3"), 1, 0);

  // 親ウィジェットを取得
  QWidget *parentWidget = layout->parentWidget();

  // 親ウィジェットのタイトルを設定
  parentWidget->setWindowTitle("My Window");

  // ウィジェットを表示
  parentWidget->show();

  return app.exec();
}

例 2: サブレイヤウトの親ウィジェットを取得

この例では、QVBoxLayout レイアウトオブジェクト内に QHBoxLayout サブレイヤウトを作成し、その中に 2 つのプッシュボタンを配置します。このコードでは、QLayout::parentWidget() を使用して、サブレイヤウトの親ウィジェットを取得し、そのウィジェットのタイトルを設定しています。

#include <QApplication>
#include <QPushButton>
#include <QVBoxLayout>
#include <QHBoxLayout>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // メインレイアウトを作成
  QVBoxLayout *mainLayout = new QVBoxLayout;

  // サブレイヤウトを作成
  QHBoxLayout *subLayout = new QHBoxLayout;

  // プッシュボタンを追加
  subLayout->addWidget(new QPushButton("Button 1"));
  subLayout->addWidget(new QPushButton("Button 2"));

  // サブレイヤウトをメインレイアウトに追加
  mainLayout->addWidget(subLayout);

  // 親ウィジェットを取得
  QWidget *parentWidget = mainLayout->parentWidget();

  // 親ウィジェットのタイトルを設定
  parentWidget->setWindowTitle("My Window");

  // ウィジェットを表示
  parentWidget->show();

  return app.exec();
}

例 2 では、ウィンドウのタイトルは "My Window" に設定されません。これは、サブレイヤウトの親ウィジェットにタイトルを設定していないためです。
例 1 では、ウィンドウのタイトルは "My Window" に設定されます。
コードを実行すると、3つのプッシュボタンを含むウィンドウが表示されます。
上記のコードは、Qt Creator でコンパイルして実行できます。

実際のアプリケーションでは、より複雑なレイアウト構造を使用することがあります。
これらの例は、QLayout::parentWidget() 関数の基本的な使い方を示しています。

直接アクセス

欠点: レイアウトオブジェクトが親ウィジェットに直接設置されていない場合は使用できません。
利点: 最もシンプルで効率的な方法です。

QWidget *parentWidget = layout->parent(); // 親ウィジェットが直接設置されている場合のみ有効

findParentWidget() 関数

欠点: QLayout::parentWidget() よりも若干処理コストがかかります。
利点: レイアウトオブジェクトが親ウィジェットに直接設置されていない場合でも使用できます。

QWidget *parentWidget = layout->findParentWidget();

親ウィジェットを推測

欠点: 状況によっては誤った親ウィジェットを取得してしまう可能性があります。
利点: コードをより簡潔に記述できます。

QWidget *parentWidget = layout->widget(); // 現在のレイアウトが設置されているウィジェットを取得

シグナルとスロット

欠点: 他の方法よりも複雑な実装が必要です。
利点: レイアウトオブジェクトの親ウィジェットが変更されたときに通知を受け取ることができます。

layout->layoutChanged.connect([=]() {
  QWidget *parentWidget = layout->parentWidget();
  // 親ウィジェットが変更されたときの処理
});

選択の指針

どの代替方法を選択するかは、状況によって異なります。以下の点を考慮して選択してください。

親ウィジェットが変更される可能性
コードの簡潔性
処理速度
レイアウトオブジェクトが親ウィジェットに直接設置されているかどうか