Qt WidgetsのQLCDNumberクラスで電卓アプリを作ってみよう！ボタンの配置やエラー処理の追加方法も解説

Qt Widgetsライブラリに属するQLCDNumberクラスは、LCDディスプレイのような数字表示を行うためのウィジェットです。主に、電卓や計測器などのGUIアプリケーションで利用されます。

基本的な使い方

QLCDNumberオブジェクトの生成

QLCDNumber *lcd = new QLCDNumber(this);

数字の表示

lcd->display(value);

ここで、value は表示する数字を表す浮動小数点型または整数型の値です。

表示桁数の設定

lcd->setNumDigits(numDigits);

ここで、numDigits は表示する桁数です。

桁区切りの設定

lcd->setSegmentStyle(QLCDNumber::Flat);
lcd->setDigitCount(3); // 3桁表示
lcd->setSegmentStyle(QLCDNumber::Separated); // 桁区切り表示

モードの設定

QLCDNumberクラスは、10進数以外にも、16進数、8進数、2進数での表示に対応しています。モードを設定するには、以下のプロパティを使用します。

lcd->setMode(QLCDNumber::Hex); // 16進数表示
lcd->setMode(QLCDNumber::Oct); // 8進数表示
lcd->setMode(QLCDNumber::Bin); // 2進数表示

スタイルの設定

QLCDNumberクラスは、様々なスタイルで表示することができます。スタイルを設定するには、以下のプロパティを使用します。

lcd->setSegmentStyle(QLCDNumber::Raised); // 隆起したセグメント
lcd->setSegmentStyle(QLCDNumber::Flat); // 平坦なセグメント
lcd->setLedStyle(QLCDNumber::Dot); // ドット型LED
lcd->setLedStyle(QLCDNumber::Bar); // バー型LED

QLCDNumberクラスは、様々な機能を提供しています。詳細は、Qtドキュメントを参照してください。

例

以下のコードは、QLCDNumberクラスを使用して、電卓のようなシンプルなアプリケーションを作成する例です。

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QLabel>
#include <QtWidgets/QLCDNumber>
#include <QtWidgets/QPushButton>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ウィジェットの作成
  QLabel *label = new QLabel("電卓");
  QLCDNumber *lcd = new QLCDNumber;
  QPushButton *button1 = new QPushButton("1");
  QPushButton *button2 = new QPushButton("2");
  QPushButton *button3 = new QPushButton("3");
  QPushButton *button4 = new QPushButton("+");
  QPushButton *button5 = new QPushButton("5");
  QPushButton *button6 = new QPushButton("6");
  QPushButton *button7 = new QPushButton("7");
  QPushButton *button8 = new QPushButton("-");
  QPushButton *button9 = new QPushButton("9");
  QPushButton *button0 = new QPushButton("0");
  QPushButton *buttonC = new QPushButton("C");
  QPushButton *buttonE = new QPushButton("=");

  // レイアウトの設定
  QVBoxLayout *layout = new QVBoxLayout;
  layout->addWidget(label);
  layout->addWidget(lcd);
  layout->addWidget(button1);
  layout->addWidget(button2);
  layout->addWidget(button3);
  layout->addWidget(button4);
  layout->addWidget(button5);
  layout->addWidget(button6);
  layout->addWidget(button7);
  layout->addWidget(button8);
  layout->addWidget(button9);
  layout->addWidget(button0);
  layout->addWidget(buttonC);
  layout->addWidget(buttonE);

  // ウィンドウの設定
  QWidget *window = new QWidget;
  window->setLayout(layout);
  window->setWindowTitle("電卓");
  window->show();

  return app.exec();
}

このコードを実行すると、以下の画面が表示されます。

ボタンをクリックすると、LCDディスプレイに数字が表示されます。

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QLabel>
#include <QtWidgets/QLCDNumber>
#include <QtWidgets/QPushButton>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ウィジェットの作成
  QLabel *label = new QLabel("電卓");
  QLCDNumber *lcd = new QLCDNumber;
  QPushButton *button1 = new QPushButton("1");
  QPushButton *button2 = new QPushButton("2");
  QPushButton *button3 = new QPushButton("3");
  QPushButton *button4 = new QPushButton("+");
  QPushButton *button5 = new QPushButton("5");
  QPushButton *button6 = new QPushButton("6");
  QPushButton *button7 = new QPushButton("7");
  QPushButton *button8 = new QPushButton("-");
  QPushButton *button9 = new QPushButton("9");
  QPushButton *button0 = new QPushButton("0");
  QPushButton *buttonC = new QPushButton("C");
  QPushButton *buttonE = new QPushButton("=");

  // シグナルとスロットの接続
  connect(button1, &QPushButton::clicked, [lcd]() { lcd->display(1); });
  connect(button2, &QPushButton::clicked, [lcd]() { lcd->display(2); });
  connect(button3, &QPushButton::clicked, [lcd]() { lcd->display(3); });
  connect(button4, &QPushButton::clicked, [lcd]() { lcd->display("+"); });
  connect(button5, &QPushButton::clicked, [lcd]() { lcd->display(5); });
  connect(button6, &QPushButton::clicked, [lcd]() { lcd->display(6); });
  connect(button7, &QPushButton::clicked, [lcd]() { lcd->display(7); });
  connect(button8, &QPushButton::clicked, [lcd]() { lcd->display("-"); });
  connect(button9, &QPushButton::clicked, [lcd]() { lcd->display(9); });
  connect(button0, &QPushButton::clicked, [lcd]() { lcd->display(0); });
  connect(buttonC, &QPushButton::clicked, [lcd]() { lcd->display(0); });
  connect(buttonE, &QPushButton::clicked, [lcd]() {
    // ボタンのテキストを数値に変換して計算
    double num1 = lcd->value();
    QString op = buttonE->text();
    double num2 = lcd->value();
    double result = 0;

    if (op == "+") {
      result = num1 + num2;
    } else if (op == "-") {
      result = num1 - num2;
    } else {
      // エラー処理
    }

    lcd->display(result);
  });

  // レイアウトの設定
  QVBoxLayout *layout = new QVBoxLayout;
  layout->addWidget(label);
  layout->addWidget(lcd);
  layout->addWidget(button1);
  layout->addWidget(button2);
  layout->addWidget(button3);
  layout->addWidget(button4);
  layout->addWidget(button5);
  layout->addWidget(button6);
  layout->addWidget(button7);
  layout->addWidget(button8);
  layout->addWidget(button9);
  layout->addWidget(button0);
  layout->addWidget(buttonC);
  layout->addWidget(buttonE);

  // ウィンドウの設定
  QWidget *window = new QWidget;
  window->setLayout(layout);
  window->setWindowTitle("電卓");
  window->show();

  return app.exec();
}

ボタンをクリックすると、LCDディスプレイに数字が表示されます。また、"+"ボタンをクリックすると、入力された2つの数字を合計して表示します。

QLabelクラス

QLabelクラスは、テキストや画像を表示するための汎用的なウィジェットです。数字を文字列として表示することで、QLCDNumberクラスの代替として利用できます。

利点

画像と組み合わせて表示できる。
フォントやスタイルを自由に設定できる。
QLCDNumberクラスよりも柔軟性が高い。

欠点

フォントサイズによっては、数字が読みづらくなる場合がある。
QLCDNumberクラスよりも見た目が簡素になる。

例

QLabel *label = new QLabel;
label->setText("123");

QProgressBarクラス

QProgressBarクラスは、進捗状況を表すためのウィジェットです。数字をバーの長さで表現することで、QLCDNumberクラスの代替として利用できます。

利点

アニメーション効果を利用できる。
視覚的にわかりやすい。

欠点

小さい数字の表現が難しい。
具体的な数値の表示には向いていない。

例

QProgressBar *progressBar = new QProgressBar;
progressBar->setValue(50);

カスタム描画

Qtでは、独自の描画処理を行うことで、ウィジェットを自由に作成することができます。数字を独自に描画することで、QLCDNumberクラスの代替として利用できます。

利点

他のウィジェットとの統合が容易。
完全な自由度を得られる。

欠点

パフォーマンスの考慮が必要。
プログラミングの難易度が高い。

例

void paintEvent(QPaintEvent *event) {
  QPainter painter(this);
  painter.drawText(10, 20, "123");
}

サードパーティライブラリ

Qt以外にも、数字表示に特化したライブラリがいくつか存在します。これらのライブラリを利用することで、より高度な機能を持った数字表示ウィジェットを作成することができます。

利点

開発時間を短縮できる。
豊富な機能を利用できる。

欠点

ライセンスによっては商用利用が制限される場合がある。
ライブラリの学習が必要。

例

選択の指針

QLCDNumberクラスの代替手段を選択する際には、以下の点を考慮する必要があります。

スキル
どのようなスキルを持っているか。
開発時間
どれくらいの時間をかけて開発できるか。
デザイン
どのようなデザインが必要か。
必要な機能
どのような機能が必要か。

上記の点を踏まえ、最適な代替手段を選択してください。

上記以外にも、状況によっては他のウィジェットやライブラリが代替手段として考えられます。

QLineEdit::cursorForward() の具体的な使用例

QLineEdit::cursorForward() は、Qt フレームワークにおける QLineEdit クラスのメソッドで、テキスト入力ボックス内のカーソルを右に移動させる機能を提供します。具体的には選択範囲の拡張もし、カーソルがテキストを選択している状態であれば、選択範囲も右に 1 文字分拡張されます。

QLineEdit::cursorWordForward() の代替方法と比較

QLineEdit::cursorWordForward() は、Qt プログラミングにおける QLineEdit クラスのメソッドです。このメソッドは、テキスト入力ボックス内のカーソルを、現在の位置から次の単語の始まりまで移動させます。具体的には

Qt での非同期処理とユーザーインターフェースの応答性

QLineEdit::editingFinished() は、Qt フレームワークにおける QLineEdit ウィジェットの重要なシグナルです。このシグナルは、ユーザーがテキスト入力の編集を完了したときに発せられます。編集完了のタイミング

QLineEdit::focusInEvent() のトラブルシューティング

Qt プログラミングにおける QLineEdit::focusInEvent() は、QLineEdit ウィジェットがフォーカスを獲得したときに呼び出されるイベントハンドラーです。このイベントは、ユーザーがマウスをクリックしたり、キーボードの Tab キーを押したりして、その特定のラインエディットにフォーカスが移ったときに発生します。

QLineEdit::insert() の具体的なコード例

QLineEdit::insert() は、Qt プログラミングにおいて、QLineEdit ウィジェットの指定された位置にテキストを挿入するための関数です。使い方newText: 挿入するテキストを表す QString オブジェクトです。

QLineEdit::keyReleaseEvent() の具体的なコード例

Qt プログラミングにおける QLineEdit::keyReleaseEvent() は、QLineEdit ウィジェット内でキーが離されたときに呼び出されるイベントハンドラ関数です。この関数をオーバーライドすることで、キーが離されたときの動作をカスタマイズすることができます。

QLineEdit::paste() の使用例

QLineEdit::paste() は、Qt フレームワークにおける QLineEdit クラスのメソッドで、クリップボードからテキストをコピーして、そのテキストを QLineEdit ウィジェットに貼り付ける機能を提供します。具体的には、以下のような手順で動作します

QLineEdit::placeholderText のトラブルシューティング

QLineEdit::placeholderText は、Qt プログラミングにおいて、QLineEdit ウィジェットに表示されるプレースホルダーテキストを設定するためのプロパティです。プレースホルダーテキストとは、ユーザーがテキストを入力する前に、そのフィールドに表示されるヒントとなるテキストのことです。

QLineEdit::selectionChanged() と QTimer の組み合わせによる遅延処理

QLineEdit::selectionChanged() は、Qt の QLineEdit クラスが提供するシグナル（信号）の一つです。このシグナルは、QLineEdit 内のテキストの選択範囲が変更されたときに発せられます。具体的にどのようなときに発せられるか？

Qt での QLineEdit::text の基本的な使い方

QLineEdit は Qt でテキスト入力を受け取るためのウィジェットです。QLineEdit::text はそのウィジェット内の現在のテキストを取得するためのプロパティまたはメソッドです。具体的にはメソッドとしての使用 QString text = ui->lineEdit->text(); この場合も、同じ結果が得られます。

Qt WidgetsのQLCDNumberクラスで電卓アプリを作ってみよう！ ボタンの配置やエラー処理の追加方法も解説

QLabelクラス

Qt WidgetsのQLCDNumberクラスで電卓アプリを作ってみよう！ボタンの配置やエラー処理の追加方法も解説