Qt GUI 開発者必見! OpenGL オブジェクトのデバッグと識別を支援する glObjectPtrLabel()


QOpenGLExtraFunctions::glObjectPtrLabel() 関数は、OpenGL オブジェクトにラベルを割り当てるために使用されます。ラベルは、デバッグや識別目的で使用できる文字列です。この関数は、OpenGL ES 3.1 以降のバージョンでのみ使用できます。

構文

void glObjectPtrLabel(GLenum labelType, GLuint object, GLsizei length, const GLchar *label);

引数

  • label: ラベルの文字列。
  • length: ラベルの長さ (ヌル文字を含む)。
  • object: ラベルを割り当てる OpenGL オブジェクト。有効なオブジェクトタイプは次のとおりです。
    • バッファオブジェクト
    • フレームバッファオブジェクト
    • プログラムオブジェクト
    • レンダーバッファオブジェクト
    • シェーダーオブジェクト
    • テクスチャオブジェクト
    • トランスフォームフィードバックオブジェクト
    • ヴァーテックスアレイオブジェクト
  • labelType: ラベルのタイプ。有効な値は次のとおりです。
    • GL_OBJECT_LABEL_KHR: デフォルトのラベルタイプです。
    • GL_DEBUG_OBJECT_LABEL_KHR: デバッグ目的のラベルです。

戻り値

なし。

QOpenGLExtraFunctions *functions = QOpenGLContext::currentContext()->extraFunctions();

// バッファオブジェクトにラベルを割り当てる
GLuint buffer;
glGenBuffers(1, &buffer);
functions->glObjectPtrLabel(GL_OBJECT_LABEL_KHR, buffer, 15, "My Buffer Object");

// シェーダーオブジェクトにラベルを割り当てる
GLuint shader;
glCreateShader(GL_VERTEX_SHADER);
functions->glObjectPtrLabel(GL_OBJECT_LABEL_KHR, shader, 14, "My Vertex Shader");

注意事項

  • ラベルは、OpenGL オブジェクトが存在する限り保持されます。オブジェクトが削除されると、ラベルも削除されます。
  • ラベルの長さは、実装によって制限される場合があります。制限を超えた長さのラベルを指定すると、エラーが発生する可能性があります。

関連関数

  • glGetObjectLabelKHR(): OpenGL オブジェクトのラベルを取得します (非推奨)。
  • glObjectLabelKHR(): OpenGL オブジェクトにラベルを割り当てます (非推奨)。
  • glGetObjectPtrLabelKHR(): OpenGL オブジェクトのラベルを取得します。

OpenGL ES 3.1 の glObjectPtrLabel() 関数に関する詳細については、以下のリソースを参照してください。

Qt GUI アプリケーションで QOpenGLExtraFunctions::glObjectPtrLabel() 関数を使用するには、まず QOpenGLContext オブジェクトを取得する必要があります。次に、QOpenGLContext::extraFunctions() メソッドを使用して QOpenGLExtraFunctions オブジェクトを取得します。最後に、QOpenGLExtraFunctions オブジェクトの glObjectPtrLabel() メソッドを使用して、OpenGL オブジェクトにラベルを割り当てます。

以下の例は、Qt GUI アプリケーションでバッファオブジェクトにラベルを割り当てる方法を示しています。

void MyWidget::initializeGL()
{
    // ...

    QOpenGLExtraFunctions *functions = QOpenGLContext::currentContext()->extraFunctions();

    // バッファオブジェクトにラベルを割り当てる
    GLuint buffer;
    glGenBuffers(1, &buffer);
    functions->glObjectPtrLabel(GL_OBJECT_LABEL_KHR, buffer, 15, "My Buffer Object");

    // ...
}

この例では、initializeGL() メソッド内で glGenBuffers() 関数を使用してバッファオブジェクトを作成します。次に、QOpenGLExtraFunctions::glObjectPtrLabel() 関数を使用して、バッファオブジェクトに "My Buffer Object" というラベルを割り当てます。



#include <QOpenGLWidget>
#include <QOpenGLFunctions>

class MyWidget : public QOpenGLWidget
{
public:
    MyWidget(QWidget *parent = 0);

protected:
    void initializeGL();
    void paintGL();

private:
    GLuint buffer;
    GLuint vertexShader;
};

MyWidget::MyWidget(QWidget *parent) : QOpenGLWidget(parent)
{
}

void MyWidget::initializeGL()
{
    makeCurrent();

    QOpenGLFunctions *functions = QOpenGLContext::currentContext()->extraFunctions();

    // バッファオブジェクトにラベルを割り当てる
    glGenBuffers(1, &buffer);
    functions->glObjectPtrLabel(GL_OBJECT_LABEL_KHR, buffer, 15, "My Buffer Object");

    // シェーダーオブジェクトにラベルを割り当てる
    vertexShader = glCreateShader(GL_VERTEX_SHADER);
    const char *vertexShaderSource =
        "attribute vec3 position;                                             "
        "void main() {                                                    "
        "    gl_Position = vec4(position, 1.0);                           "
        "}                                                                ";
    glShaderSource(vertexShader, 1, &vertexShaderSource, NULL);
    glCompileShader(vertexShader);

    functions->glObjectPtrLabel(GL_OBJECT_LABEL_KHR, vertexShader, 14, "My Vertex Shader");
}

void MyWidget::paintGL()
{
    // ...
}

この例では、initializeGL() メソッド内で以下の処理を実行します。

  1. glGenBuffers() 関数を使用してバッファオブジェクトを作成します。
  2. QOpenGLExtraFunctions::glObjectPtrLabel() 関数を使用して、バッファオブジェクトに "My Buffer Object" というラベルを割り当てます。
  3. glCreateShader() 関数を使用して頂点シェーダーオブジェクトを作成します。
  4. 頂点シェーダーソースコードを vertexShaderSource 変数に格納します。
  5. glShaderSource() 関数を使用して、頂点シェーダーソースコードを頂点シェーダーオブジェクトに設定します。
  6. glCompileShader() 関数を使用して、頂点シェーダーオブジェクトをコンパイルします。
  7. QOpenGLExtraFunctions::glObjectPtrLabel() 関数を使用して、頂点シェーダーオブジェクトに "My Vertex Shader" というラベルを割り当てます。

上記の例は、QOpenGLExtraFunctions::glObjectPtrLabel() 関数を使用する基本的な方法を示しています。この関数は、フレームバッファオブジェクト、プログラムオブジェクト、レンダーバッファオブジェクト、テクスチャオブジェクト、トランスフォームフィードバックオブジェクト、およびヴァーテックスアレイオブジェクトなどの他の OpenGL オブジェクトにも使用できます。

また、この関数は、デバッグや識別以外にもさまざまな目的に使用できます。たとえば、パフォーマンスを向上させるために、頻繁に使用するオブジェクトにラベルを割り当てて、すばやくアクセスできるようにすることができます。

QOpenGLExtraFunctions::glObjectPtrLabel() 関数は、OpenGL オブジェクトにラベルを割り当てるための強力なツールです。この関数は、デバッグ、識別、パフォーマンスの向上など、さまざまな目的に使用できます。



代替方法

QOpenGLExtraFunctions::glObjectPtrLabel() 関数の代替方法はいくつかあります。

OpenGL 拡張機能を使用する

OpenGL には、glGetObjectLabelEXT()glObjectLabelEXT() という 2 つの拡張機能が用意されています。これらの拡張機能を使用して、古いバージョンの OpenGL でオブジェクトにラベルを割り当てることができます。

#ifdef GL_EXT_EXTENDED_OBJECT_LABELING

// バッファオブジェクトにラベルを割り当てる
GLuint buffer;
glGenBuffers(1, &buffer);
glObjectLabelEXT(GL_BUFFER_OBJECT_EXT, buffer, 15, "My Buffer Object");

// シェーダーオブジェクトにラベルを割り当てる
GLuint shader;
glCreateShader(GL_VERTEX_SHADER);
const char *vertexShaderSource =
    "attribute vec3 position;                                             "
    "void main() {                                                    "
    "    gl_Position = vec4(position, 1.0);                           "
    "}                                                                ";
glShaderSource(shader, 1, &vertexShaderSource, NULL);
glCompileShader(shader);

glObjectLabelEXT(GL_SHADER_OBJECT_EXT, shader, 14, "My Vertex Shader");

#endif

ユーザー定義のラベル管理システムを使用する

独自のラベル管理システムを作成することもできます。このシステムは、ハッシュテーブルやマップなどのデータ構造を使用して、オブジェクトとラベルの対応関係を管理することができます。

std::map<GLuint, std::string> labelMap;

// バッファオブジェクトにラベルを割り当てる
GLuint buffer;
glGenBuffers(1, &buffer);
labelMap[buffer] = "My Buffer Object";

// シェーダーオブジェクトにラベルを割り当てる
GLuint shader;
glCreateShader(GL_VERTEX_SHADER);
const char *vertexShaderSource =
    "attribute vec3 position;                                             "
    "void main() {                                                    "
    "    gl_Position = vec4(position, 1.0);                           "
    "}                                                                ";
glShaderSource(shader, 1, &vertexShaderSource, NULL);
glCompileShader(shader);

labelMap[shader] = "My Vertex Shader";

オブジェクトの名前を使用する

OpenGL オブジェクトには、glGetObjectName() 関数を使用して取得できる名前が割り当てられています。この名前を使用して、オブジェクトを識別することもできます。

// バッファオブジェクトの名前を取得
GLuint buffer;
glGenBuffers(1, &buffer);
GLchar name[1024];
GLsizei length;
glGetObjectName(buffer, sizeof(name), &length, name);

// シェーダーオブジェクトの名前を取得
GLuint shader;
glCreateShader(GL_VERTEX_SHADER);
const char *vertexShaderSource =
    "attribute vec3 position;                                             "
    "void main() {                                                    "
    "    gl_Position = vec4(position, 1.0);                           "
    "}                                                                ";
glShaderSource(shader, 1, &vertexShaderSource, NULL);
glCompileShader(shader);

glGetObjectName(shader, sizeof(name), &length, name);
  • オブジェクトの名前を使用する場合は、名前が衝突しないように注意する必要があります。
  • ユーザー定義のラベル管理システムを使用する場合は、システムが効率的でメモリ効率が良いことを確認する必要があります。
  • 上記の代替方法は、すべて OpenGL ES 3.1 以前のバージョンの OpenGL でのみ使用できます。

QOpenGLExtraFunctions::glObjectPtrLabel() 関数は、OpenGL オブジェクトにラベルを割り当てるための便利なツールです。しかし、古いバージョンの OpenGL または OpenGL ES を使用している場合は、この関数の代替方法が必要になります。