Qt GUIでオブジェクトをラベル付け:QOpenGLExtraFunctions::glObjectLabel()を徹底解説


QOpenGLExtraFunctions::glObjectLabel()関数は、OpenGLオブジェクトにラベルを割り当てるために使用されます。これは、デバッグやパフォーマンス分析を容易にするために役立ちます。この関数は、OpenGL ES 3.x、OpenGL 3.x、またはOpenGL 4.xコンテキストでのみ使用できます。

関数詳細

void QOpenGLExtraFunctions::glObjectLabel(GLenum identifier, GLuint name, GLsizei length, const GLchar *label);
  • label: ラベル文字列を指定します。
  • length: ラベルの長さを文字数で指定します。
  • name: ラベルを割り当てるオブジェクトのIDを指定します。
  • identifier: ラベルを割り当てたいオブジェクトの種類を指定します。有効な値は次のとおりです。
    • GL_BUFFER
    • GL_SHADER
    • GL_PROGRAM
    • GL_TEXTURE
    • GL_RENDERBUFFER
    • GL_FRAMEBUFFER
    • GL_VERTEX_ARRAY_OBJECT

次のコードは、シェーダーオブジェクトにラベルを割り当てます。

QOpenGLExtraFunctions *functions = QOpenGLContext::currentContext()->functions();
functions->glObjectLabel(GL_SHADER, shaderID, 14, "MyShader");

注意事項

  • ラベルは、OpenGLオブジェクトが削除されるまで保持されます。
  • ラベル文字列は、NULL文字で終端される必要があります。
  • ラベルの長さは、実装によって制限される場合があります。
  • エラー処理: エラーが発生したときに、ラベルを使用して問題のあるオブジェクトを特定できます。
  • パフォーマンス分析: オブジェクトのパフォーマンスを分析するために、ラベルを使用してオブジェクトをグループ化できます。
  • デバッグ: シェーダーやプログラムの名前をラベルすることで、デバッガで簡単に識別できます。


例 1: シェーダーオブジェクトにラベルを割り当てる

#include <QOpenGLContext>
#include <QOpenGLExtraFunctions>

void assignShaderLabel(GLuint shaderID, const QString &label)
{
    QOpenGLContext *context = QOpenGLContext::currentContext();
    if (!context) {
        return;
    }

    QOpenGLExtraFunctions *functions = context->functions();
    functions->glObjectLabel(GL_SHADER, shaderID, label.size(), label.toUtf8().constData());
}

このコードは、assignShaderLabel()という関数を定義します。この関数は、シェーダーオブジェクトにラベルを割り当てます。

例 2: プログラムオブジェクトにラベルを割り当てる

void assignProgramLabel(GLuint programID, const QString &label)
{
    QOpenGLContext *context = QOpenGLContext::currentContext();
    if (!context) {
        return;
    }

    QOpenGLExtraFunctions *functions = context->functions();
    functions->glObjectLabel(GL_PROGRAM, programID, label.size(), label.toUtf8().constData());
}

このコードは、assignProgramLabel()という関数を定義します。この関数は、プログラムオブジェクトにラベルを割り当てます。

例 3: テクスチャオブジェクトにラベルを割り当てる

void assignTextureLabel(GLuint textureID, const QString &label)
{
    QOpenGLContext *context = QOpenGLContext::currentContext();
    if (!context) {
        return;
    }

    QOpenGLExtraFunctions *functions = context->functions();
    functions->glObjectLabel(GL_TEXTURE, textureID, label.size(), label.toUtf8().constData());
}

このコードは、assignTextureLabel()という関数を定義します。この関数は、テクスチャオブジェクトにラベルを割り当てます。

これらの例は、QOpenGLExtraFunctions::glObjectLabel()関数の使用方法を示すほんの一例です。この関数は、さまざまな種類のオブジェクトにラベルを割り当てるために使用できます。

  • ラベルは、OpenGLオブジェクトが削除されるまで保持されます。オブジェクトを削除する前にラベルを削除する必要はありませんが、削除することをお勧めします。
  • ラベル文字列は、NULL文字で終端される必要があります。NULL文字で終端されていないラベル文字列を使用すると、予期しない動作が発生する可能性があります。
  • ラベルの長さは、実装によって制限される場合があります。ラベルの長さが制限を超えている場合は、エラーが発生する可能性があります。
  • コードを使用する前に、QOpenGLContextが現在有効であることを確認してください。
  • 上記のコードは、Qt GUI 6.7.1でコンパイルおよびテストされています。


QOpenGLShaderProgram::setLabel()関数

QOpenGLShaderProgramクラスには、setLabel()というメンバ関数が用意されています。この関数は、シェーダープログラムオブジェクトにラベルを割り当てるために使用できます。

QOpenGLShaderProgram *program = new QOpenGLShaderProgram;
...
program->setLabel("MyShaderProgram");

QOpenGLTexture::setLabel()関数

QOpenGLTextureクラスには、setLabel()というメンバ関数が用意されています。この関数は、テクスチャオブジェクトにラベルを割り当てるために使用できます。

QOpenGLTexture *texture = new QOpenGLTexture;
...
texture->setLabel("MyTexture");

カスタムラベルクラス

OpenGLオブジェクトにラベルを付けるためのカスタムラベルクラスを作成することもできます。このクラスには、ラベル文字列を格納するためのメンバー変数と、ラベルを設定および取得するためのメソッドが含まれている必要があります。

class MyObjectLabel {
public:
    MyObjectLabel(GLuint objectID, const QString &label);

    void setLabel(const QString &label);
    const QString &label() const;

private:
    GLuint objectID;
    QString label;
};

これらの代替方法は、QOpenGLExtraFunctions::glObjectLabel()関数よりも簡潔で使いやすい場合があります。

  • OpenGLデバッガを使用する: OpenGLデバッガは、OpenGLオブジェクトにラベルを割り当てたり、ラベルを使用してオブジェクトを識別したりするために使用できます。
  • OpenGL拡張機能を使用する: OpenGL 4.5以降では、glGetObjectLabel()glObjectLabelKHR()という拡張機能が導入されています。これらの拡張機能は、QOpenGLExtraFunctions::glObjectLabel()関数よりも汎用性が高く、さまざまな種類のオブジェクトにラベルを付けることができます。