Qt GUIでQUndoStack::redoTextを使いこなす!やり直し操作の説明テキストを分かりやすく生成する方法


QUndoStackは、Qt GUIにおける元に戻す/やり直しの機能を提供するクラスです。QUndoStack::redoText()関数は、やり直し操作で実行されるコマンドの説明テキストを取得するために使用されます。この関数は、ユーザーインターフェースの更新やデバッグ情報提供などに役立ちます。

QUndoStack::redoText()の役割

QUndoStack::redoText()は、やり直し操作で実行されるコマンドの説明テキストを返します。このテキストは、ユーザーに実行される操作を明確に示すために使用できます。テキストは、コマンドによって行われる変更を簡潔かつ分かりやすく説明する必要があります。

QUndoStack::redoText()の例

以下の例は、QUndoStack::redoText()を使用して、テキストエディタにおけるテキスト挿入操作の説明テキストを取得する方法を示しています。

QUndoStack stack;
QUndoCommand* command = new QUndoTextInsertCommand(textEdit, cursor, "Hello, world!");
stack.push(command);

// ...

if (stack.canRedo()) {
  QString redoText = stack.redoText();
  qDebug() << "Redo text:" << redoText;

  // Redo the command
  stack.redo();
}

この例では、redoText変数に"テキスト 'Hello, world!' を挿入する"というテキストが格納されます。このテキストは、ユーザーインターフェースのラベルやツールチップに表示したり、デバッグログに記録したりすることができます。

QUndoStack::redoText()の応用例

QUndoStack::redoText()は、以下のようなさまざまな場面で使用できます。

  • アクセシビリティ: 視覚障害のあるユーザーのために、redoTextを使用してスクリーンリーダーで読み上げられる説明テキストを提供することができます。
  • デバッグ情報提供: デバッグログにredoTextを記録することで、実行された操作を簡単に追跡することができます。
  • ユーザーインターフェースの更新: やり直し操作を実行する前に、ユーザーに実行される操作を明確に示すために、redoTextを使用して説明テキストを表示することができます。

QUndoStack::redoText()は、Qt GUIにおける元に戻す/やり直しの機能を強化するのに役立つ便利な機能です。この関数は、ユーザーインターフェースの更新、デバッグ情報提供、アクセシビリティの向上などに使用することができます。

  • QUndoCommand::actionText()関数を使用して、元に戻す操作の説明テキストを取得することもできます。


#include <QApplication>
#include <QTextEdit>
#include <QUndoStack>
#include <QUndoCommand>

class TextInsertCommand : public QUndoCommand
{
public:
    TextInsertCommand(QTextEdit* textEdit, const QTextCursor& cursor, const QString& text)
        : textEdit(textEdit), cursor(cursor), text(text)
    {
    }

    virtual void redo() override
    {
        textEdit->setTextCursor(cursor);
        textEdit->insert(text);
    }

    virtual void undo() override
    {
        cursor = textEdit->textCursor();
        textEdit->setTextCursor(cursor);
        textEdit->backspace();
    }

    virtual QString text() const override
    {
        return QString("テキスト '%1' を挿入する").arg(text);
    }

private:
    QTextEdit* textEdit;
    QTextCursor cursor;
    QString text;
};

int main(int argc, char* argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    QTextEdit textEdit;
    QUndoStack stack;

    // テキスト挿入コマンドを作成してスタックに追加する
    QTextCursor cursor = textEdit.textCursor();
    TextInsertCommand* command = new TextInsertCommand(&textEdit, cursor, "Hello, world!");
    stack.push(command);

    // 接続
    QObject::connect(&textEdit, &QTextEdit::cursorPositionChanged, &stack, &QUndoStack::changed);

    // ウィジェットを表示する
    textEdit.show();

    // メインループを実行する
    return app.exec();
}

このコードの説明

このコードは、以下の手順で動作します。

  1. TextInsertCommandクラスを定義します。このクラスは、テキスト挿入操作を表すQUndoCommandサブクラスです。redo()メソッドは、テキストを挿入し、undo()メソッドは、挿入されたテキストを削除します。text()メソッドは、操作の説明テキストを返します。
  2. main()関数で、QTextEditウィジェットとQUndoStackオブジェクトを作成します。
  3. テキスト挿入コマンドを作成し、スタックに追加します。
  4. テキストエディタのカーソル位置変更シグナルをQUndoStack::changed()シグナルに接続します。これにより、カーソルが移動するたびにスタックが更新されます。
  5. テキストエディタウィジェットを表示します。
  6. メインループを実行します。

このコードの拡張

このコードを拡張して、以下の機能を追加することができます。

  • 検索/置換コマンド
  • テキスト書式設定コマンド
  • テキスト削除コマンド


代替方法の例

カスタム説明テキストの使用

QUndoCommand::setText() メソッドを使用して、コマンドの説明テキストをカスタムで設定することができます。この方法は、redoText()よりも柔軟性に優れていますが、すべての状況で適切とは限りません。

class TextInsertCommand : public QUndoCommand
{
public:
    TextInsertCommand(QTextEdit* textEdit, const QTextCursor& cursor, const QString& text)
        : textEdit(textEdit), cursor(cursor), text(text)
    {
        setText(QString("テキスト '%1' を挿入する").arg(text));
    }

    // ...
};

コマンドの情報を直接使用

コマンドによっては、redoText()よりも詳細な情報を提供できる場合があります。例えば、QTextInsertCommandコマンドは、挿入されるテキストの内容だけでなく、挿入位置も提供できます。

class TextInsertCommand : public QUndoCommand
{
public:
    TextInsertCommand(QTextEdit* textEdit, const QTextCursor& cursor, const QString& text)
        : textEdit(textEdit), cursor(cursor), text(text)
    {
        // ...
    }

    virtual QString redoText() const override
    {
        return QString("テキスト '%1' を位置 %2 に挿入する")
                .arg(text)
                .arg(cursor.position());
    }

    // ...
};

独自のロジックの実装

上記の方法でニーズが満たされない場合は、独自のロジックを実装して、やり直し操作の説明テキストを生成することができます。この方法は、最も柔軟性がありますが、最も複雑でもあります。

QUndoStack::redoText()を使用すべき状況

  • コマンドの説明テキストを統一的にフォーマットしたい場合
  • コマンドの説明テキストが単純で、コマンド自体から簡単に取得できる場合
  • 独自のロジックを使用して説明テキストを生成したい場合
  • コマンド自体から説明テキストを簡単に取得できない場合
  • コマンドの説明テキストをより詳細に制御したい場合