QUndoStack::QUndoStack()でundo/redo機能をQt GUIアプリケーションに組み込む

引数

parent: オプションの親オブジェクトポインタ。このオブジェクトは、QUndoStack オブジェクトの所有権を持ちます。デフォルトでは nullptr です。

戻り値

このコンストラクタは、新しく作成された QUndoStack オブジェクトへのポインタを返します。

詳細

QUndoStack クラスは、アプリケーション内のコマンド履歴を管理するために使用されます。このクラスは、undo と redo 操作をサポートするコマンドのスタックを維持します。QUndoStack オブジェクトは、テキストエディタやグラフィックスエディタなどのアプリケーションで使用されることがよくあります。

QUndoStack::QUndoStack() コンストラクタは、新しい QUndoStack オブジェクトを作成し、初期化します。コンストラクタは、QUndoStack オブジェクトの内部状態を初期化し、undo と redo 操作を有効にします。

例

QUndoStack stack;

// 新しい QUndoStack オブジェクトを作成します。

この例では、新しい QUndoStack オブジェクトが作成され、stack 変数に格納されます。

QUndoStack クラスの詳細については、Qt ドキュメントを参照してください:

#include <QApplication>
#include <QTextEdit>
#include <QUndoStack>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テキストエディタを作成します。
  QTextEdit editor;

  // QUndoStack オブジェクトを作成します。
  QUndoStack stack;

  // テキストエディタの undo/redo 操作を QUndoStack に接続します。
  editor.connect(&editor, &QTextEdit::undoAvailable, &stack, &QUndoStack::canUndoChanged);
  editor.connect(&editor, &QTextEdit::redoAvailable, &stack, &QUndoStack::canRedoChanged);
  editor.connect(&editor, &QTextEdit::undo, &stack, &QUndoStack::undo);
  editor.connect(&editor, &QTextEdit::redo, &stack, &QUndoStack::redo);

  // ウィジェットを表示します。
  editor.show();

  return app.exec();
}

このコードでは、まず QTextEdit オブジェクトが作成されます。次に、QUndoStack オブジェクトが作成されます。最後に、テキストエディタの undo と redo シグナルが QUndoStack オブジェクトの対応するスロットに接続されます。これにより、テキストエディタ内の操作が QUndoStack によって追跡され、undo と redo 操作が可能になります。

代替方法

メモリ割り当て管理を使用する

new 演算子を使用して新しい QUndoStack オブジェクトを直接割り当てることができます。この方法は、より細かい制御が必要な場合や、オブジェクトの所有権を明示的に管理したい場合に役立ちます。

QUndoStack* stack = new QUndoStack(parent);

標準ライブラリを使用する

C++ 標準ライブラリの std::unique_ptr または std::shared_ptr スマートポインタを使用して、QUndoStack オブジェクトを管理することもできます。これらのスマートポインタは、オブジェクトの寿命を自動的に管理し、メモリリークを防ぐのに役立ちます。

std::unique_ptr<QUndoStack> stack(new QUndoStack(parent));

依存関係注入フレームワークを使用する

依存関係注入 (DI) フレームワークを使用している場合は、QUndoStack オブジェクトを DI コンテナから取得できます。これは、特に大規模なアプリケーションでオブジェクトの依存関係を管理する場合に役立ちます。

// DI コンテナを取得します。
auto container = ...;

// DI コンテナから QUndoStack オブジェクトを取得します。
QUndoStack* stack = container.get<QUndoStack>();

ファクトリー関数を使用する

QUndoStack オブジェクトを作成するためのファクトリー関数を作成することもできます。これは、コードをよりモジュール化し、テストしやすくするのに役立ちます。

QUndoStack* createStack(QObject* parent) {
  return new QUndoStack(parent);
}

// QUndoStack オブジェクトを作成します。
QUndoStack* stack = createStack(this);

選択の指針

上記以外にも、特定の状況に応じて他の代替方法も考えられます。

モジュール性とテスト可能性
ファクトリー関数を使用すると、コードをよりモジュール化し、テストしやすくなります。
依存関係管理
DI フレームワークを使用している場合は、DI コンテナから QUndoStack オブジェクトを取得できます。
メモリ管理
メモリ割り当て管理を使用する場合は、オブジェクトの所有権を明示的に管理する必要があります。スマートポインタを使用する場合は、メモリリークを防ぐことができます。
シンプルさと使いやすさ
QUndoStack::QUndoStack() コンストラクタが最もシンプルで使いやすい方法です。

QUndoStack::QUndoStack() コンストラクタは、新しい QUndoStack オブジェクトを作成して初期化するための最も一般的な方法ですが、状況に応じて上記のような代替方法も検討することができます。