Qt GUIのスムーズな描画を実現！OpenGLコンテキスト共有テクニック：QOpenGLContext::shareContext()

利点

コードの簡素化
リソースの共有により、コードを簡素化できます。
メモリ使用量の削減
リソースの共有により、メモリ使用量を削減できます。
パフォーマンスの向上
リソースの共有により、コンテキストごとにリソースを再作成する必要がなくなり、パフォーマンスが向上します。

使用方法

QOpenGLContext::shareContext()関数は、新しいOpenGLコンテキストを作成する際に使用します。この関数は、共有するリソースを持つ既存のOpenGLコンテキストへのポインタを受け取ります。

QOpenGLContext *shareContext = new QOpenGLContext();
shareContext->create();

QOpenGLContext *newContext = new QOpenGLContext();
newContext->setShareContext(shareContext);
newContext->create();

注意点

共有コンテキストは、削除する前にすべての新しいコンテキストが削除されていることを確認する必要があります。
共有コンテキストは、同じスレッドで作成する必要があります。
共有コンテキストは、同じOpenGLバージョンとプロファイルを持つ必要があります。

例

次の例は、2つのQOpenGLWidgetを共有コンテキストを使用して作成する方法を示します。

class MyWidget : public QOpenGLWidget {
public:
    MyWidget(QWidget *parent = 0);

protected:
    virtual void initializeGL() override;
};

MyWidget::MyWidget(QWidget *parent) : QOpenGLWidget(parent) {
    QOpenGLContext *shareContext = new QOpenGLContext();
    shareContext->create();

    setContext(new QOpenGLContext(shareContext));
    context()->create();
}

void MyWidget::initializeGL() {
    // OpenGL初期化コード
}

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    MyWidget widget1;
    widget1.show();

    MyWidget widget2;
    widget2.show();

    return app.exec();
}

#include <QApplication>
#include <QOpenGLWidget>

class MyWidget : public QOpenGLWidget {
public:
    MyWidget(QWidget *parent = 0);

protected:
    virtual void initializeGL() override;
};

MyWidget::MyWidget(QWidget *parent) : QOpenGLWidget(parent) {
    // 共有コンテキストを作成
    QOpenGLContext *shareContext = new QOpenGLContext();
    shareContext->create();

    // 共有コンテキストを使用して新しいコンテキストを作成
    setContext(new QOpenGLContext(shareContext));
    context()->create();
}

void MyWidget::initializeGL() {
    // OpenGL 初期化コード
    // シェーダーのコンパイル、テクスチャのロードなど
}

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    // 2 つの MyWidget ウィジェットを作成
    MyWidget widget1;
    widget1.show();

    MyWidget widget2;
    widget2.show();

    return app.exec();
}

このコードでは、MyWidget コンストラクタ内で QOpenGLContext::shareContext() 関数を使用して共有コンテキストを作成します。その後、この共有コンテキストを使用して新しいコンテキストを作成し、QOpenGLWidget に設定します。

QSurfaceFormat::setSharing()

QSurfaceFormat::setSharing() 関数は、共有コンテキストを使用するかどうかを指定するために使用できます。この関数は、QOpenGLWidget コンストラクタまたは create() 関数の前に呼び出す必要があります。

QSurfaceFormat format;
format.setSharing(true);

MyWidget widget(format);

QOpenGLContext::makeCurrent()

QOpenGLContext::makeCurrent() 関数は、現在の OpenGL コンテキストを設定するために使用できます。この関数は、共有コンテキストを使用する複数のウィジェット間で OpenGL コンテキストを切り替える場合に役立ちます。

QOpenGLContext *shareContext = new QOpenGLContext();
shareContext->create();

MyWidget widget1;
widget1.setContext(new QOpenGLContext(shareContext));
widget1.show();

MyWidget widget2;
widget2.setContext(new QOpenGLContext(shareContext));
widget2.show();

// ウィジェット 1 の OpenGL コンテキストをアクティブにする
widget1.makeCurrent();
// OpenGL コマンドを実行

// ウィジェット 2 の OpenGL コンテキストをアクティブにする
widget2.makeCurrent();
// OpenGL コマンドを実行

QOpenGLContext::swapBuffers()

QOpenGLContext::swapBuffers() 関数は、フロントバッファとバックバッファを入れ替えるために使用できます。この関数は、共有コンテキストを使用する複数のウィジェットで描画を同期する場合に役立ちます。

QOpenGLContext *shareContext = new QOpenGLContext();
shareContext->create();

MyWidget widget1;
widget1.setContext(new QOpenGLContext(shareContext));
widget1.show();

MyWidget widget2;
widget2.setContext(new QOpenGLContext(shareContext));
widget2.show();

// ウィジェット 1 で描画
widget1.makeCurrent();
// OpenGL コマンドを実行
widget1.swapBuffers();

// ウィジェット 2 で描画
widget2.makeCurrent();
// OpenGL コマンドを実行
widget2.swapBuffers();

カスタムロジック

上記の方法でニーズが満たされない場合は、カスタムロジックを使用して OpenGL リソースを共有することができます。これは、より複雑なシナリオで役立ちますが、より多くのコードと労力が必要です。

最適な方法の選択

使用する方法は、特定のニーズによって異なります。共有コンテキストを使用する場合は、QOpenGLContext::shareContext() が最も簡単な方法です。ただし、複数のウィジェット間で OpenGL コンテキストを切り替える必要がある場合、または描画を同期する必要がある場合は、他の方法の方が適している場合があります。

共有コンテキストは、削除する前にすべての新しいコンテキストが削除されていることを確認する必要があります。
共有コンテキストは、同じスレッドで作成する必要があります。
共有コンテキストは、同じ OpenGL バージョンとプロファイルを持つ必要があります。