Qt GUIでOpenGLを使う際のトラブルシューティング:QOpenGLContext::openGLModuleType()が役立つ
QOpenGLContext::openGLModuleType()関数は、Qt GUIアプリケーションで使用されているOpenGL実装の種類を返します。これは、デスクトップOpenGLとOpenGL ES 2.0以降を区別するために使用できます。
構文
QOpenGLContext::OpenGLModuleType QOpenGLContext::openGLModuleType();
戻り値
- QOpenGLContext::LibGLES: OpenGL ES 2.0以降の実装が使用されている場合
- QOpenGLContext::LibGL: デスクトップOpenGL実装が使用されている場合
例
QOpenGLContext context;
context.create();
if (context.openGLModuleType() == QOpenGLContext::LibGL) {
// デスクトップOpenGLを使用している
} else {
// OpenGL ES 2.0以降を使用している
}
- この関数は、Qt 5.3以降で使用できます。
- デスクトップOpenGL実装は、ES互換コンテキストを作成することもできます。そのため、多くの場合、QSurfaceFormat::renderableType()を確認するか、isOpenGLES()便利関数を使用する方が適切です。
- この関数は、QGuiApplicationインスタンスが既に作成されていることを前提としています。
- デスクトップOpenGLは、より強力な機能とパフォーマンスを提供しますが、より多くのシステムリソースを必要とします。
- OpenGL ESは、組み込みデバイスやモバイルデバイスでよく使用される軽量なOpenGL実装です。
#include <QCoreApplication>
#include <QGuiApplication>
#include <QOpenGLContext>
#include <QSurfaceFormat>
int main(int argc, char *argv[])
{
QCoreApplication::setAttribute(Qt::AA_EnableHighDpiScaling);
QGuiApplication app(argc, argv);
QSurfaceFormat format;
format.setProfile(QSurfaceFormat::OpenGLProfile);
format.setVersion(4, 6);
QOpenGLContext context;
context.setFormat(format);
context.create();
if (context.openGLModuleType() == QOpenGLContext::LibGL) {
qDebug() << "Desktop OpenGL is used.";
} else {
qDebug() << "OpenGL ES 2.0 or later is used.";
}
context.makeCurrent(nullptr);
context.doneCurrent();
return 0;
}
このコードは、次の手順を実行します。
- QCoreApplication と QGuiApplication インスタンスを作成します。
- QSurfaceFormat インスタンスを作成し、OpenGL プロファイルとバージョンを設定します。
- QOpenGLContext インスタンスを作成し、フォーマットを設定して作成します。
- openGLModuleType() 関数を使用して、使用されている OpenGL 実装の種類を取得します。
- 取得した種類に応じて、適切なメッセージをログに出力します。
- コンテキストをカレントにして、その後カレントを解除します。
- アプリケーションを終了します。
- OpenGL ES 2.0以降を使用する場合は、QSurfaceFormat::renderableType() または isOpenGLES() 便利関数を使用する方が適切な場合があります。
- 実際のアプリケーションでは、このコードを独自のニーズに合わせて変更する必要があります。
QOpenGLContext::openGLModuleType() 関数は、Qt GUI アプリケーションで使用されている OpenGL 実装の種類を判断するために使用できます。しかし、この関数はいくつかの制限があります。
- デスクトップ OpenGL 実装は、ES 互換コンテキストを作成することもできます。そのため、多くの場合、QSurfaceFormat::renderableType() を確認するか、isOpenGLES() 便利関数を使用する方が適切です。
- この関数は、Qt 5.3以降で使用できます。
これらの制限を回避するために、QOpenGLContext::openGLModuleType() 関数の代替方法をいくつか検討することができます。
代替方法
- QSurfaceFormat::renderableType() を使用する
QSurfaceFormat::renderableType() 関数は、レンダリング可能な表面に現在使用されている OpenGL 実装の種類を返します。これは、QOpenGLContext::openGLModuleType() 関数よりも柔軟性があり、ES 互換コンテキストも正しく識別できます。
QSurfaceFormat format;
format.setProfile(QSurfaceFormat::OpenGLProfile);
format.setVersion(4, 6);
if (format.renderableType() == QSurfaceFormat::OpenGL) {
// デスクトップ OpenGL が使用されている
} else if (format.renderableType() == QSurfaceFormat::OpenGLES) {
// OpenGL ES 2.0 またはそれ以降が使用されている
} else {
// 他のレンダリング可能な表面タイプ
}
- isOpenGLES() 便利関数を使用する
isOpenGLES() 便利関数は、現在の OpenGL コンテキストが OpenGL ES 2.0 またはそれ以降かどうかを判断します。これは、QOpenGLContext::openGLModuleType() 関数よりもシンプルで、ES 互換コンテキストも正しく識別できます。
if (context.isOpenGLES()) {
// OpenGL ES 2.0 またはそれ以降が使用されている
} else {
// デスクトップ OpenGL または他の OpenGL 実装
}
- OpenGL ヘッダーファイルを使用する
OpenGL ヘッダーファイルには、使用されている OpenGL 実装の種類を判断するために使用できるマクロが定義されています。これは、低レベルな方法ですが、より詳細な制御を提供します。
#include <QtOpenGL>
if (Q_OPENGL_TYPE == Q_OPENGL_DESKTOP) {
// デスクトップ OpenGL が使用されている
} else if (Q_OPENGL_TYPE == Q_OPENGL_ES2) {
// OpenGL ES 2.0 が使用されている
} else {
// 他の OpenGL 実装
}
QOpenGLContext::openGLModuleType() 関数は、Qt GUI アプリケーションで使用されている OpenGL 実装の種類を判断するためのシンプルな方法を提供します。しかし、この関数はいくつかの制限があります。これらの制限を回避するために、QSurfaceFormat::renderableType() 関数、isOpenGLES() 便利関数、または OpenGL ヘッダーファイルを使用することができます。
どの方法を使用するかは、特定のニーズと要件によって異なります。
- OpenGL ES 2.0以降を使用する場合は、QSurfaceFormat::renderableType() または isOpenGLES() 便利関数を使用する方が適切な場合があります。
- 実際のアプリケーションでは、これらの代替方法を独自のニーズに合わせて変更する必要があります。