Qtでオフスクリーンレンダリングをマスターするためのヒント集！QOffscreenSurface::setFormat() 編

構文

void QOffscreenSurface::setFormat(const QSurfaceFormat &format);

パラメータ

format: 設定するフォーマット。

戻り値

なし

詳細

setFormat() メソッドは、オフスクリーンサーフェースが作成される前に呼び出す必要があります。サーフェースが作成された後では、フォーマットを変更することはできません。

フォーマットは、QSurfaceFormat クラスを使用して指定します。このクラスには、以下のプロパティがあります。

swapInterval: スワップ間隔
alphaBufferSize: アルファ色のバッファのビット数
blueBufferSize: 青色のバッファのビット数
greenBufferSize: 緑色のバッファのビット数
redBufferSize: 赤色のバッファのビット数
stencil: ステンシルバッファのビット数
depth: 深度バッファのビット数
samples: アンチエイリアシングサンプル数
minorVersion: OpenGL マイナーバージョン
majorVersion: OpenGL メジャーバージョン
version: OpenGL バージョン
profile: OpenGL プロファイル

例

QOffscreenSurface surface;
QSurfaceFormat format;

format.setProfile(QSurfaceFormat::OpenGLCoreProfile);
format.setVersion(3, 3);
format.setSamples(8);
format.setDepth(24);
format.setStencil(8);

surface.setFormat(format);
surface.create();

この例では、オフスクリーンサーフェースが OpenGL 3.3 Core Profile を使用し、8 倍のアンチエイリアシング、24 ビットの深度バッファ、8 ビットのステンシルバッファ、それぞれ 8 ビットの赤色、緑色、青色、アルファ色バッファを持つように設定されます。

注意点

フォーマットは、OpenGL コンテキストのフォーマットと一致する必要があります。
フォーマットがサポートされない場合、QOffscreenSurface::create() メソッドは失敗します。
プラットフォームによっては、すべてのフォーマットがサポートされない場合があります。

関連メソッド

QSurfaceFormat::setSwapInterval()
QSurfaceFormat::setAlphaBufferSize()
QSurfaceFormat::setBlueBufferSize()
QSurfaceFormat::setGreenBufferSize()
QSurfaceFormat::setRedBufferSize()
QSurfaceFormat::setStencil()
QSurfaceFormat::setDepth()
QSurfaceFormat::setSamples()
QSurfaceFormat::setMinorVersion()
QSurfaceFormat::setMajorVersion()
QSurfaceFormat::setVersion()
QSurfaceFormat::setProfile()
QOffscreenSurface::format()
QOffscreenSurface::requestedFormat()

QOffscreenSurface::setFormat() メソッドは、オフスクリーンサーフェスのフォーマットを設定するための重要なメソッドです。フォーマットを正しく設定することで、オフスクリーンサーフェースを効率的に使用することができます。

#include <QApplication>
#include <QOffscreenSurface>
#include <QSurfaceFormat>
#include <QOpenGLContext>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // オフスクリーンサーフェースを作成
  QOffscreenSurface surface;

  // フォーマットを設定
  QSurfaceFormat format;
  format.setProfile(QSurfaceFormat::OpenGLCoreProfile);
  format.setVersion(3, 3);
  format.setSamples(8);
  format.setDepth(24);
  format.setStencil(8);
  format.setRedBufferSize(8);
  format.setGreenBufferSize(8);
  format.setBlueBufferSize(8);
  format.setAlphaBufferSize(8);

  surface.setFormat(format);

  // OpenGL コンテキストを作成
  QOpenGLContext context;
  context.setFormat(format);

  // コンテキストをアクティブにする
  context.makeCurrent(&surface);

  // OpenGL でレンダリング処理を実行

  // コンテキストを非アクティブにする
  context.doneCurrent();

  // オフスクリーンサーフェースを破棄
  surface.destroy();

  return app.exec();
}

このコードは以下の手順を実行します。

QApplication オブジェクトを作成します。
QOffscreenSurface オブジェクトを作成します。
QSurfaceFormat オブジェクトを作成し、OpenGL 3.3 Core Profile、8 倍のアンチエイリアシング、24 ビットの深度バッファ、8 ビットのステンシルバッファ、それぞれ 8 ビットの赤色、緑色、青色、アルファ色バッファを設定します。
setFormat() メソッドを使用して、オフスクリーンサーフェースのフォーマットを設定します。
QOpenGLContext オブジェクトを作成し、オフスクリーンサーフェースのフォーマットを設定します。
makeCurrent() メソッドを使用して、オフスクリーンサーフェースを現在のコンテキストにします。
OpenGL でレンダリング処理を実行します。
doneCurrent() メソッドを使用して、オフスクリーンサーフェースを現在のコンテキストから解除します。
destroy() メソッドを使用して、オフスクリーンサーフェースを破棄します。
QApplication::exec() メソッドを呼び出して、アプリケーションを実行します。

このコードは、QOffscreenSurface::setFormat() メソッドを使用してオフスクリーンサーフェースを設定する方法を示す基本的な例です。実際のアプリケーションでは、必要に応じてコードを変更する必要があります。

以下のコードは、異なるフォーマットを設定する例です。

// OpenGL 2.1 を使用する
format.setProfile(QSurfaceFormat::OpenGLCoreProfile);
format.setVersion(2, 1);

// 深度バッファとステンシルバッファを無効にする
format.setDepth(0);
format.setStencil(0);

// シングルバッファリングを使用する
format.setSwapBehavior(QSurfaceFormat::SingleBuffer);

このコードは、OpenGL 2.1 を使用し、深度バッファとステンシルバッファを無効にし、シングルバッファリングを使用するオフスクリーンサーフェースを作成します。

代替方法

QSurfaceFormat コンストラクタを使用する

QSurfaceFormat クラスには、フォーマットを指定するためのコンストラクタが用意されています。このコンストラクタを使用して、QOffscreenSurface オブジェクトに直接フォーマットを渡すことができます。

QOffscreenSurface surface(QSurfaceFormat(QSurfaceFormat::OpenGLCoreProfile, 3, 3, 8, 24, 8, 8, 8, 8));

このコードは、QOffscreenSurface オブジェクトを作成し、OpenGL 3.3 Core Profile、8 倍のアンチエイリアシング、24 ビットの深度バッファ、8 ビットのステンシルバッファ、それぞれ 8 ビットの赤色、緑色、青色、アルファ色バッファを設定します。

QOpenGLContext を使用する

QOpenGLContext クラスには、フォーマットを設定するためのメソッドが用意されています。このメソッドを使用して、QOffscreenSurface オブジェクトに間接的にフォーマットを設定することができます。

QOffscreenSurface surface;
QOpenGLContext context;

context.setFormat(QSurfaceFormat(QSurfaceFormat::OpenGLCoreProfile, 3, 3, 8, 24, 8, 8, 8, 8));
context.makeCurrent(&surface);

// OpenGL でレンダリング処理を実行

context.doneCurrent();

このコードは、QOffscreenSurface オブジェクトを作成し、QOpenGLContext オブジェクトを使用してフォーマットを設定します。その後、makeCurrent() メソッドを使用して、オフスクリーンサーフェースを現在のコンテキストにします。

どちらの代替方法を選択するかは、状況によって異なります。

QOpenGLContext を使用する方法は、より柔軟な方法です。フォーマットだけでなく、他の OpenGL コンテキスト設定も制御することができます。
QSurfaceFormat コンストラクタを使用する方法は、シンプルでわかりやすい方法です。

フォーマットは、OpenGL コンテキストのフォーマットと一致する必要があります。
フォーマットがサポートされない場合、QOffscreenSurface::create() メソッドは失敗します。
いずれの代替方法を使用する場合も、オフスクリーンサーフェースが作成される前にフォーマットを設定する必要があります。