ヘッダービューセクションのサイズを自在に操る:QHeaderView::resizeSection() 関数を超えたテクニック


QHeaderView::resizeSection()は、Qt Widgetsライブラリにおけるヘッダービューのセクションサイズをプログラム的に変更するための関数です。ヘッダービューは、テーブルビューやツリービューなどのデータ可視化コンポーネントで列見出しを表示するために使用されます。

構文

void resizeSection(int index, int size);

引数

  • size: 新しいセクションサイズ
  • index: サイズ変更するセクションのインデックス

戻り値

なし

詳細

resizeSection() 関数は、指定されたセクションのサイズを size パラメータで指定された値に変更します。セクションのサイズは、ピクセル単位で指定されます。

この関数は、ユーザーがヘッダーをドラッグしてセクションのサイズを変更する場合と同様に機能します。ただし、resizeSection() を使用すると、プログラムコードからセクションサイズをより精密に制御できます。

次のコードは、テーブルビューの最初のセクションの幅を 100 ピクセルに設定します。

QHeaderView *headerView = tableView->horizontalHeader();
headerView->resizeSection(0, 100);
  • セクションのサイズを変更すると、テーブルビューやツリービューのレイアウトが変更される可能性があります。
  • セクションのサイズを変更するには、QHeaderView::setSectionResizeMode() 関数を使用して、セクションのサイズ変更モードを設定する必要があります。詳細は、Qtドキュメントを参照してください。


例 1: 特定のセクションのサイズ変更

この例では、テーブルビューの最初のセクションと最後のセクションの幅をそれぞれ 100 ピクセルと 200 ピクセルに設定します。

#include <QApplication>
#include <QTableView>
#include <QHeaderView>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テーブルビューの作成
  QTableView tableView;
  tableView.setModel(new QStandardItemModel(10, 5));

  // ヘッダービューの取得
  QHeaderView *headerView = tableView.horizontalHeader();

  // 最初のセクションの幅を 100 ピクセルに設定
  headerView->resizeSection(0, 100);

  // 最後のセクションの幅を 200 ピクセルに設定
  headerView->resizeSection(headerView.count() - 1, 200);

  // テーブルビューの表示
  tableView.show();

  return app.exec();
}

例 2: すべてのセクションのサイズを均等に設定

この例では、テーブルビューのすべてのセクションの幅を均等に設定します。

#include <QApplication>
#include <QTableView>
#include <QHeaderView>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テーブルビューの作成
  QTableView tableView;
  tableView.setModel(new QStandardItemModel(10, 5));

  // ヘッダービューの取得
  QHeaderView *headerView = tableView.horizontalHeader();

  // すべてのセクションの幅を均等に設定
  int totalWidth = headerView.width();
  int sectionCount = headerView.count();
  for (int i = 0; i < sectionCount; ++i) {
    headerView->resizeSection(i, totalWidth / sectionCount);
  }

  // テーブルビューの表示
  tableView.show();

  return app.exec();
}

例 3: セクションのサイズヒントに基づいてサイズ変更

この例では、テーブルビューの各セクションのサイズヒントに基づいてセクションのサイズを設定します。

#include <QApplication>
#include <QTableView>
#include <QHeaderView>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テーブルビューの作成
  QTableView tableView;
  tableView.setModel(new QStandardItemModel(10, 5));

  // ヘッダービューの取得
  QHeaderView *headerView = tableView.horizontalHeader();

  // 各セクションのサイズヒントに基づいてサイズ変更
  for (int i = 0; i < headerView.count(); ++i) {
    headerView->resizeSection(i, headerView->sectionSizeHint(i));
  }

  // テーブルビューの表示
  tableView.show();

  return app.exec();
}

これらの例は、QHeaderView::resizeSection() 関数の基本的な使用方法を示しています。この関数は、さまざまな要件に合わせてさまざまな方法で使用できます。

  • ユーザー入力に応じてセクションのサイズを変更する
  • セクションのサイズをアニメーション化する
  • 特定の条件に基づいてセクションのサイズを変更する

これらの例は、Qtドキュメントやオンラインリソースでを見つけることができます。



以下に、QHeaderView::resizeSection() の代替方法として検討すべきいくつかのオプションを紹介します。

QHeaderView::stretchLastSection() 関数

この関数は、最後のセクションをビューの残りの幅に拡張します。これは、最後のセクションを常にビューの幅に合わせたい場合に便利です。

headerView->stretchLastSection();

QHeaderView::setSectionResizeMode() 関数

この関数は、セクションのサイズ変更モードを設定します。利用可能なモードは次のとおりです。

  • QHeaderView::ResizeToContents: セクションのサイズはコンテンツに合わせて調整されます。
  • QHeaderView::Stretch: セクションは利用可能なスペースに合わせて伸縮します。
  • QHeaderView::Interactive: ユーザーはヘッダーをドラッグしてセクションのサイズを変更できます。
  • QHeaderView::Fixed: セクションのサイズは変更できません。

セクションのサイズをプログラム的に制御したい場合は、QHeaderView::Interactive または QHeaderView::Stretch モードを設定してから、QHeaderView::sizeHint() 関数を使用してセクションの推奨サイズを取得し、QHeaderView::resizeSection() 関数でサイズを設定することができます。

headerView->setSectionResizeMode(i, QHeaderView::Stretch);
int sizeHint = headerView->sectionSizeHint(i);
headerView->resizeSection(i, sizeHint);

カスタムレイアウトを使用する

より複雑なレイアウトが必要な場合は、カスタムレイアウトを使用してヘッダービューのセクションサイズを制御することができます。これを行うには、QLayout クラスのサブクラスを実装し、QHeaderView::setLayout() 関数を使用してヘッダービューにレイアウトを設定する必要があります。

この方法は、より多くの制御と柔軟性を提供しますが、実装も複雑になります。

スタイルシートを使用する

Qt スタイルシートを使用して、ヘッダービューのセクションサイズを定義することもできます。これを行うには、QHeaderView クラス用のスタイルシートルールを作成し、QHeaderView::setStyleSheet() 関数を使用してヘッダービューにスタイルシートを設定する必要があります。

この方法は、コードを簡潔に保つのに役立ちますが、複雑なレイアウトには適していない場合があります。

最適な代替方法の選択

使用する代替方法は、特定の要件によって異なります。単純なレイアウトの場合は、QHeaderView::stretchLastSection() 関数または QHeaderView::setSectionResizeMode() 関数を使用するだけで十分な場合があります。より複雑なレイアウトの場合は、カスタムレイアウトまたはスタイルシートを使用する必要があるかもしれません。

  • ユーザーがヘッダーをドラッグしてセクションのサイズを変更できるようにするには、QHeaderView::setSectionResizeMode() 関数を使用して適切なサイズ変更モードを設定する必要があります。
  • セクションのサイズを変更する前に、現在のレイアウトを保存しておくことをお勧めします。
  • セクションのサイズを変更すると、テーブルビューやツリービューのレイアウトが変更される可能性があります。