【保存版】Qt GUIにおけるヘルプイベントのY座標取得：QHelpEvent::y()メソッドの使い方から応用例まで

QHelpEvent::y() メソッドは、Qt GUI におけるヘルプイベントの Y 座標を取得するために使用されます。ヘルプイベントは、ウィジェット内の特定のポイントに関するヘルプ情報を要求するために使用されます。このメソッドは、ウィジェット内のカーソル位置またはグローバル座標における Y 座標を返します。

構文

int QHelpEvent::y() const

戻り値

このメソッドは、ウィジェット内のカーソル位置またはグローバル座標における Y 座標を整数値で返します。

詳細

QHelpEvent::y() メソッドは、以下の情報を提供します。

グローバルY座標
スクリーン全体におけるカーソル位置におけるY座標。これは、デスクトップの左上隅からの相対的な位置です。
カーソルY座標
ウィジェット内のカーソル位置におけるY座標。これは、ウィジェットの左上隅からの相対的な位置です。

例

QHelpEvent *event = new QHelpEvent(QEvent::ToolTip, pos, globalPos);
int y = event->y();

この例では、ToolTip ヘルプイベントが作成され、カーソル位置とグローバル位置が設定されます。その後、QHelpEvent::y() メソッドを使用して、ウィジェット内のカーソル位置における Y 座標が取得されます。

ウィジェット内のカーソル位置が変化した場合、QHelpEvent::y() メソッドは新しい Y 座標を返すために再呼び出しする必要があります。
QHelpEvent::y() メソッドは、ヘルプイベントが生成されたウィジェットに対してのみ有効です。

Qt GUI におけるヘルプイベントの詳細については、Qt ドキュメントを参照してください。

例1: カーソルY座標を取得する

#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QHelpEvent>

class MyWidget : public QLabel {
public:
    MyWidget(const QString &text) : QLabel(text) {
        setMouseTracking(true);
    }

protected:
    void mouseMoveEvent(QMouseEvent *event) override {
        QHelpEvent helpEvent(QEvent::ToolTip, event->pos(), event->globalPos());
        int y = helpEvent.y();

        QString tooltip = QString("カーソルY座標: %1").arg(y);
        setToolTip(tooltip);
    }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    MyWidget widget("ヘルプイベントのY座標");
    widget.show();

    return app.exec();
}

説明

この例では、MyWidget というクラスが定義されています。このクラスは QLabel を継承しており、マウス移動イベントを処理する mouseMoveEvent() メソッドをオーバーライドしています。

mouseMoveEvent() メソッドでは、まず QHelpEvent オブジェクトを作成します。このオブジェクトは、カーソル位置とグローバル位置を指定して作成されます。

次に、QHelpEvent::y() メソッドを使用して、ウィジェット内のカーソル位置における Y 座標を取得します。取得した Y 座標は、QString オブジェクトに変換され、ツールチップに設定されます。

例2: グローバルY座標を取得する

#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QHelpEvent>

class MyWidget : public QLabel {
public:
    MyWidget(const QString &text) : QLabel(text) {
        setMouseTracking(true);
    }

protected:
    void mouseMoveEvent(QMouseEvent *event) override {
        QHelpEvent helpEvent(QEvent::ToolTip, event->pos(), event->globalPos());
        int y = helpEvent.globalY();

        QString tooltip = QString("グローバルY座標: %1").arg(y);
        setToolTip(tooltip);
    }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    MyWidget widget("ヘルプイベントのグローバルY座標");
    widget.show();

    return app.exec();
}

以下に、QHelpEvent::y() の代替方法として考えられる方法をいくつか紹介します。

QMouseEvent::pos().y() を使用する

QMouseEvent::pos().y() メソッドは、マウスイベントの発生位置における Y 座標を取得するために使用されます。このメソッドは、ヘルプイベント以外にも、マウスボタンクリックやマウスホイールスクロールなどのイベントでも使用できます。

例

void mouseMoveEvent(QMouseEvent *event) override {
    int y = event->pos().y();

    QString tooltip = QString("カーソルY座標: %1").arg(y);
    setToolTip(tooltip);
}

QCursor::pos().y() を使用する

QCursor::pos().y() メソッドは、現在のカーソル位置における Y 座標を取得するために使用されます。このメソッドは、ウィジェットに関係なく、スクリーン全体におけるカーソル位置を取得できます。

例

void mouseMoveEvent(QMouseEvent *event) override {
    int y = QCursor::pos().y();

    QString tooltip = QString("カーソルY座標: %1").arg(y);
    setToolTip(tooltip);
}

ウィジェットのローカル座標系からグローバル座標系に変換する

ウィジェット内のカーソル位置がわかっている場合は、その座標をグローバル座標系に変換して、Y 座標を取得することができます。

例

void mouseMoveEvent(QMouseEvent *event) override {
    QPoint localPos = event->pos();
    QPoint globalPos = widget->mapToGlobal(localPos);

    int y = globalPos.y();

    QString tooltip = QString("グローバルY座標: %1").arg(y);
    setToolTip(tooltip);
}

カスタムイベントを使用する

上記の方法でうまくいかない場合は、カスタムイベントを使用して、必要な情報を取得することができます。

例

class MyHelpEvent : public QHelpEvent {
public:
    MyHelpEvent(const QPoint &pos, const QPoint &globalPos)
        : QHelpEvent(QEvent::ToolTip, pos, globalPos) {
    }

    int y() const {
        return pos().y();
    }
};

void mouseMoveEvent(QMouseEvent *event) override {
    MyHelpEvent helpEvent(event->pos(), event->globalPos());
    int y = helpEvent.y();

    QString tooltip = QString("カーソルY座標: %1").arg(y);
    setToolTip(tooltip);
}

最適な方法の選択

どの方法が最適かは、状況によって異なります。一般的には、以下の点を考慮して選択する必要があります。

コードの簡潔性
QHelpEvent::y() メソッドは、他の方法よりもコードが簡潔になる場合があります。
パフォーマンス
QHelpEvent::y() メソッドは、他の方法よりもパフォーマンスが優れている場合があります。
必要な精度
QHelpEvent::y() メソッドは、ウィジェット内のカーソル位置における Y 座標をピクセル単位で取得できます。一方、他の方法は、より粗い精度でしか取得できない場合があります。

ウィジェット内のカーソル位置が変化した場合、QHelpEvent::y() メソッドは新しい Y 座標を返すために再呼び出しする必要があります。
QHelpEvent::y() メソッドは、ヘルプイベントが生成されたウィジェットに対してのみ有効です。