Qt GUIアイコンテーマの魔法使い:QIcon::fallbackThemeName()で思い通りのアイコンを召喚
QIcon::fallbackThemeName() は、Qt GUI におけるアイコンテーマ検索において重要な役割を果たす静的関数です。これは、特定のアイコンテーマが見つからない場合に、代替となるアイコンテーマを指定するために使用されます。
機能
QIcon::fallbackThemeName() を呼び出すと、現在のテーマ設定で指定されていないアイコンテーマを検索するために使用されるデフォルトのテーマ名が返されます。デフォルトでは、このテーマ名は "hicolor" に設定されています。
使用方法
QIcon::fallbackThemeName() を使用するには、以下の手順に従います。
QIcon::fallbackThemeName()
を呼び出して、現在のデフォルトのフォールバックテーマ名を取得します。- 必要に応じて、
QIcon::setFallbackThemeName()
を使用して、別のフォールバックテーマ名を設定します。 QIcon::fromTheme()
関数を使用して、アイコンをテーマから作成します。
// デフォルトのフォールバックテーマ名を取得する
QString defaultFallbackThemeName = QIcon::fallbackThemeName();
// フォールバックテーマ名を "mytheme" に設定する
QIcon::setFallbackThemeName("mytheme");
// "application" という名前のアイコンを "mytheme" テーマから作成する
QIcon icon = QIcon::fromTheme("application");
- 複数のフォールバックテーマ名を指定することもできます。
- フォールバックテーマ名は、システム設定またはアプリケーション設定で変更できます。
- QIcon::fallbackThemeName() は、Qt 5.12 以降で使用できます。
#include <QIcon>
int main() {
// デフォルトのフォールバックテーマ名を取得する
QString defaultFallbackThemeName = QIcon::fallbackThemeName();
// 取得したテーマ名をコンソールに出力する
std::cout << "デフォルトのフォールバックテーマ名: " << defaultFallbackThemeName.toStdString() << std::endl;
return 0;
}
例 2: フォールバックテーマ名を "mytheme" に設定する
#include <QIcon>
int main() {
// フォールバックテーマ名を "mytheme" に設定する
QIcon::setFallbackThemeName("mytheme");
// "application" という名前のアイコンを "mytheme" テーマから作成する
QIcon icon = QIcon::fromTheme("application");
// 作成したアイコンを表示する
icon.show();
return 0;
}
#include <QIcon>
int main() {
// 複数のフォールバックテーマ名を配列に格納する
QStringList fallbackThemeNames;
fallbackThemeNames << "mytheme" << "hicolor" << "gnome";
// QIcon::setFallbackThemeNames() を使用して、フォールバックテーマ名のリストを設定する
QIcon::setFallbackThemeNames(fallbackThemeNames);
// "application" という名前のアイコンをテーマから作成する
QIcon icon = QIcon::fromTheme("application");
// 作成したアイコンを表示する
icon.show();
return 0;
}
- これらの例は、Qt Creator でコンパイルして実行できます。
代替方法
QIcon::fromThemeName() と QIcon::setThemeName() を組み合わせる
QIcon::fromThemeName() は、指定されたテーマ名からアイコンを作成する関数です。QIcon::setThemeName() は、現在のテーマ名を設定する関数です。これらの関数を組み合わせることで、特定のテーマからアイコンを作成し、そのテーマが見つからない場合は、別のテーマからアイコンを作成することができます。
// "mytheme" テーマから "application" という名前のアイコンを作成する
QIcon icon = QIcon::fromThemeName("mytheme", "application");
// "mytheme" テーマが見つからない場合は、"hicolor" テーマからアイコンを作成する
if (!icon.isNull()) {
// アイコンが見つかった場合の処理
} else {
// アイコンが見つからない場合の処理
icon = QIcon::fromThemeName("hicolor", "application");
}
独自のアイコン検索ロジックを実装する
QIcon::fallbackThemeName() に頼らず、独自のアイコン検索ロジックを実装することができます。この方法は、より柔軟な制御が必要な場合に役立ちます。
// 独自のアイコン検索ロジックを実装する
QIcon icon = findIcon("application");
// 見つかったアイコンを表示する
icon.show();
方法 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
QIcon::fallbackThemeName() | シンプルで使いやすい | 柔軟性に欠ける |
QIcon::fromThemeName() と QIcon::setThemeName() | QIcon::fallbackThemeName() よりも柔軟 | 複雑なコードが必要 |
独自のアイコン検索ロジック | 最も柔軟 | 複雑なコードが必要 |