Qt GUIアプリケーションをもっと個性的に!QIcon::setThemeSearchPaths()でカスタムアイコンを設定
QIcon::setThemeSearchPaths()
は、Qt GUI アプリケーションでアイコンテーマを検索する際に使用するパスを設定する静的関数です。これにより、アプリケーション開発者は、カスタムアイコンテーマやシステムテーマを含む様々な場所からアイコンを見つけることができます。
構文
void QIcon::setThemeSearchPaths(const QStringList &paths);
引数
paths
: アイコンテーマを検索するパスを格納した文字列リスト
機能
QIcon::setThemeSearchPaths()
は、アイコンテーマを検索する際に使用されるパスをpaths
で指定されたパスに追加します。- パスは、ディレクトリパスまたは
:/
をプレフィックスとしたリソースパスとして指定できます。 :/
プレフィックスを使用すると、Qt リソースシステムからアイコンを検索します。- 複数のパスを指定する場合は、カンマ区切りで記述します。
QIcon::setThemeSearchPaths()
は、アプリケーションの実行中にいつでも呼び出すことができます。QIcon::setThemeSearchPaths()
を呼び出す前に、QIcon::themeName()
を設定して、検索するアイコンテーマの名前を指定する必要があります。
例
// カスタムアイコンテーマを検索するパスを設定
QIcon::setThemeSearchPaths({"~/my-icons", ":/my-icons"});
// システムテーマを検索するパスを設定
QIcon::setThemeSearchPaths(QIcon::fallbackSearchPaths());
- 複数のアイコンテーマが見つかった場合は、
QIcon::themeName()
で設定された名前と一致するテーマが優先的に使用されます。 - アイコンテーマが見つからない場合は、デフォルトのアイコンが表示されます。
QIcon::setThemeSearchPaths()
は、アイコンテーマが見つからない場合でも、アプリケーションは正常に動作します。
利点
- 複数の場所からアイコンを検索することで、より多くのアイコンを見つけることができます。
- システムテーマを使用して、ユーザーのデスクトップ環境と一致する外観にすることができます。
- カスタムアイコンテーマを使用して、アプリケーションの外観を統一することができます。
- アイコンテーマが見つからない場合は、デフォルトのアイコンが表示されます。
QIcon::setThemeSearchPaths()
を呼び出す前に、QIcon::themeName()
を設定する必要があります。QIcon::setThemeSearchPaths()
は、アプリケーションの実行中にのみ有効です。
例 1: カスタムアイコンテーマとシステムテーマを使用する
#include <QApplication>
#include <QLabel>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// カスタムアイコンテーマを検索するパスを設定
QIcon::setThemeSearchPaths({"~/my-icons", ":/my-icons"});
// システムテーマを検索するパスを設定
QIcon::setThemeSearchPaths(QIcon::fallbackSearchPaths());
// アイコン付きラベルを作成
QLabel label("Qt GUI");
label.setPixmap(QIcon::fromTheme("application-icon")).scaledToSize(64, 64);
// ラベルを表示
label.show();
return app.exec();
}
説明
- アイコンが見つかったら、ラベルに設定されます。
- これらのテーマで見つからない場合は、システムテーマから検索されます。
- "application-icon" アイコンは、まずカスタムアイコンテーマ "~/my-icons" と ":/my-icons" から検索されます。
- このコードは、"Qt GUI" というテキストと "application-icon" というアイコンを持つラベルを作成します。
例 2: リソースファイルからアイコンを使用する
#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QResource>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// リソースファイルを開く
QResource resource(":/my-icons.qrc");
// アイコン付きラベルを作成
QLabel label("Qt GUI");
label.setPixmap(resource.icon("application-icon")).scaledToSize(64, 64);
// ラベルを表示
label.show();
return app.exec();
}
- アイコンが見つかったら、ラベルに設定されます。
icon()
メソッドを使用して、リソースファイルからアイコンを取得します。QResource
クラスを使用して、リソースファイルを開きます。- このコードは、"my-icons.qrc" というリソースファイルから "application-icon" というアイコンを読み込み、ラベルに設定します。
- 詳細については、Qt ドキュメントを参照してください。
- 実際のアプリケーションでは、より複雑なロジックが必要になる場合があります。
- これらの例は、基本的な使い方を示すものです。
QIcon::fromTheme() を使用する
QIcon::fromTheme()
関数は、指定されたアイコンテーマからアイコンを取得します。この関数は、QIcon::setThemeSearchPaths()
を使用するよりもシンプルで、多くの場合で十分です。
QLabel label("Qt GUI");
label.setPixmap(QIcon::fromTheme("application-icon")).scaledToSize(64, 64);
QDir を使用する
QDir
クラスを使用して、アイコンファイルを手動で検索することもできます。
QDir iconsDir("~/my-icons");
if (iconsDir.exists()) {
QStringList filenames = iconsDir.entryList();
for (const QString &filename : filenames) {
if (filename.endsWith(".png") || filename.endsWith(".svg")) {
QLabel label(filename);
label.setPixmap(QIcon(iconsDir.absoluteFilePath(filename))).scaledToSize(64, 64);
label.show();
}
}
}
QResource を使用する
QResource
クラスを使用して、リソースファイルからアイコンを読み込むこともできます。
QResource resource(":/my-icons.qrc");
QLabel label("Qt GUI");
label.setPixmap(resource.icon("application-icon")).scaledToSize(64, 64);
カスタムアイコンクラスを作成する
独自のアイコン検索ロジックを実装する場合は、カスタムアイコンクラスを作成することができます。
class MyIcon : public QObject {
public:
QIcon getIcon(const QString &name) const;
};
// ...
MyIcon iconLoader;
QLabel label("Qt GUI");
label.setPixmap(iconLoader.getIcon("application-icon")).scaledToSize(64, 64);
それぞれの方法の利点と欠点
- カスタムアイコンクラス
- 利点: 完全に制御できる
- 欠点: 開発コストがかかる
- QDir
- 利点: 柔軟性が高い
- 欠点: コードが複雑になる
- QIcon::fromTheme()
- 利点: シンプルで使いやすい
- 欠点: 検索できるアイコンテーマが限られる
どの代替方法を使用するかは、アプリケーションの要件と開発者の好みによって異なります。