Qt GUIアプリケーションをもっと個性的に!QIcon::setThemeSearchPaths()でカスタムアイコンを設定


QIcon::setThemeSearchPaths() は、Qt GUI アプリケーションでアイコンテーマを検索する際に使用するパスを設定する静的関数です。これにより、アプリケーション開発者は、カスタムアイコンテーマやシステムテーマを含む様々な場所からアイコンを見つけることができます。

構文

void QIcon::setThemeSearchPaths(const QStringList &paths);

引数

  • paths: アイコンテーマを検索するパスを格納した文字列リスト

機能

  1. QIcon::setThemeSearchPaths() は、アイコンテーマを検索する際に使用されるパスを paths で指定されたパスに追加します。
  2. パスは、ディレクトリパスまたは :/ をプレフィックスとしたリソースパスとして指定できます。
  3. :/ プレフィックスを使用すると、Qt リソースシステムからアイコンを検索します。
  4. 複数のパスを指定する場合は、カンマ区切りで記述します。
  5. QIcon::setThemeSearchPaths() は、アプリケーションの実行中にいつでも呼び出すことができます。
  6. QIcon::setThemeSearchPaths() を呼び出す前に、QIcon::themeName() を設定して、検索するアイコンテーマの名前を指定する必要があります。

// カスタムアイコンテーマを検索するパスを設定
QIcon::setThemeSearchPaths({"~/my-icons", ":/my-icons"});

// システムテーマを検索するパスを設定
QIcon::setThemeSearchPaths(QIcon::fallbackSearchPaths());
  • 複数のアイコンテーマが見つかった場合は、QIcon::themeName() で設定された名前と一致するテーマが優先的に使用されます。
  • アイコンテーマが見つからない場合は、デフォルトのアイコンが表示されます。
  • QIcon::setThemeSearchPaths() は、アイコンテーマが見つからない場合でも、アプリケーションは正常に動作します。

利点

  • 複数の場所からアイコンを検索することで、より多くのアイコンを見つけることができます。
  • システムテーマを使用して、ユーザーのデスクトップ環境と一致する外観にすることができます。
  • カスタムアイコンテーマを使用して、アプリケーションの外観を統一することができます。
  • アイコンテーマが見つからない場合は、デフォルトのアイコンが表示されます。
  • QIcon::setThemeSearchPaths() を呼び出す前に、QIcon::themeName() を設定する必要があります。
  • QIcon::setThemeSearchPaths() は、アプリケーションの実行中にのみ有効です。


例 1: カスタムアイコンテーマとシステムテーマを使用する

#include <QApplication>
#include <QLabel>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // カスタムアイコンテーマを検索するパスを設定
  QIcon::setThemeSearchPaths({"~/my-icons", ":/my-icons"});

  // システムテーマを検索するパスを設定
  QIcon::setThemeSearchPaths(QIcon::fallbackSearchPaths());

  // アイコン付きラベルを作成
  QLabel label("Qt GUI");
  label.setPixmap(QIcon::fromTheme("application-icon")).scaledToSize(64, 64);

  // ラベルを表示
  label.show();

  return app.exec();
}

説明

  • アイコンが見つかったら、ラベルに設定されます。
  • これらのテーマで見つからない場合は、システムテーマから検索されます。
  • "application-icon" アイコンは、まずカスタムアイコンテーマ "~/my-icons" と ":/my-icons" から検索されます。
  • このコードは、"Qt GUI" というテキストと "application-icon" というアイコンを持つラベルを作成します。

例 2: リソースファイルからアイコンを使用する

#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QResource>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // リソースファイルを開く
  QResource resource(":/my-icons.qrc");

  // アイコン付きラベルを作成
  QLabel label("Qt GUI");
  label.setPixmap(resource.icon("application-icon")).scaledToSize(64, 64);

  // ラベルを表示
  label.show();

  return app.exec();
}
  • アイコンが見つかったら、ラベルに設定されます。
  • icon() メソッドを使用して、リソースファイルからアイコンを取得します。
  • QResource クラスを使用して、リソースファイルを開きます。
  • このコードは、"my-icons.qrc" というリソースファイルから "application-icon" というアイコンを読み込み、ラベルに設定します。
  • 詳細については、Qt ドキュメントを参照してください。
  • 実際のアプリケーションでは、より複雑なロジックが必要になる場合があります。
  • これらの例は、基本的な使い方を示すものです。


QIcon::fromTheme() を使用する

QIcon::fromTheme() 関数は、指定されたアイコンテーマからアイコンを取得します。この関数は、QIcon::setThemeSearchPaths() を使用するよりもシンプルで、多くの場合で十分です。

QLabel label("Qt GUI");
label.setPixmap(QIcon::fromTheme("application-icon")).scaledToSize(64, 64);

QDir を使用する

QDir クラスを使用して、アイコンファイルを手動で検索することもできます。

QDir iconsDir("~/my-icons");

if (iconsDir.exists()) {
  QStringList filenames = iconsDir.entryList();

  for (const QString &filename : filenames) {
    if (filename.endsWith(".png") || filename.endsWith(".svg")) {
      QLabel label(filename);
      label.setPixmap(QIcon(iconsDir.absoluteFilePath(filename))).scaledToSize(64, 64);
      label.show();
    }
  }
}

QResource を使用する

QResource クラスを使用して、リソースファイルからアイコンを読み込むこともできます。

QResource resource(":/my-icons.qrc");

QLabel label("Qt GUI");
label.setPixmap(resource.icon("application-icon")).scaledToSize(64, 64);

カスタムアイコンクラスを作成する

独自のアイコン検索ロジックを実装する場合は、カスタムアイコンクラスを作成することができます。

class MyIcon : public QObject {
public:
  QIcon getIcon(const QString &name) const;
};

// ...

MyIcon iconLoader;
QLabel label("Qt GUI");
label.setPixmap(iconLoader.getIcon("application-icon")).scaledToSize(64, 64);

それぞれの方法の利点と欠点

  • カスタムアイコンクラス
    • 利点: 完全に制御できる
    • 欠点: 開発コストがかかる
  • QDir
    • 利点: 柔軟性が高い
    • 欠点: コードが複雑になる
  • QIcon::fromTheme()
    • 利点: シンプルで使いやすい
    • 欠点: 検索できるアイコンテーマが限られる

どの代替方法を使用するかは、アプリケーションの要件と開発者の好みによって異なります。