【超解説】Qt GUIプログラミングでQIcon::pixmap()メソッドを使いこなすための詳細ガイド

QIcon::pixmap()メソッドは、QIconオブジェクトからQPixmapオブジェクトを取得するために使用されます。QIconオブジェクトは、アプリケーションやウィジェットのアイコンを表すために使用されます。一方、QPixmapオブジェクトは、画像データを格納するために使用されます。

メソッドの役割

QIcon::pixmap()メソッドは、指定されたサイズ、モード、状態に対応するQPixmapオブジェクトを返します。引数なしで呼び出すと、デフォルトのサイズとモードのQPixmapオブジェクトが返されます。

引数

state: 取得するQPixmapオブジェクトの状態を指定します。可能な状態は以下の通りです。
- NormalState: 通常の状態を表します。
- HoverState: マウスカーソルがアイコン上にある状態を表します。
- PressedState: アイコンが押されている状態を表します。
mode: 取得するQPixmapオブジェクトのモードを指定します。可能なモードは以下の通りです。
- NormalMode: 通常のアイコン状態を表します。
- ActiveMode: アクティブなアイコン状態を表します。
- DisabledMode: 無効なアイコン状態を表します。
- SelectedMode: 選択されたアイコン状態を表します。
size: 取得するQPixmapオブジェクトのサイズを指定します。

戻り値

指定されたサイズ、モード、状態に対応するQPixmapオブジェクトを返します。対応するQPixmapオブジェクトが存在しない場合は、空のQPixmapオブジェクトが返されます。

// デフォルトのサイズとモードのQPixmapオブジェクトを取得
QIcon icon(":/path/to/icon.png");
QPixmap pixmap = icon.pixmap();

// 64x64ピクセルのアクティブなアイコン状態のQPixmapオブジェクトを取得
QPixmap activePixmap = icon.pixmap(QSize(64, 64), QIcon::ActiveMode);

// 選択されたアイコン状態のQPixmapオブジェクトを取得
QPixmap selectedPixmap = icon.pixmap(QIcon::SelectedMode);

対応するQPixmapオブジェクトが存在しない場合は、QIconオブジェクトに格納されている他のQPixmapオブジェクトをスケーリングして返します。
QIcon::pixmap()メソッドは、QIconオブジェクトに格納されているQPixmapオブジェクトの中から、最も近いサイズ、モード、状態に対応するものを返します。
QIconオブジェクトには、複数のサイズ、モード、状態に対応するQPixmapオブジェクトを格納することができます。

上記以外にも、QIcon::pixmap()メソッドに関する情報は、Qtの公式ドキュメントを参照してください。

#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QIcon>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ラベルを作成
  QLabel label;

  // アイコンを作成
  QIcon icon(":/path/to/icon.png");

  // デフォルトのアイコン画像を取得
  QPixmap pixmap = icon.pixmap();

  // ラベルにアイコン画像を設定
  label.setPixmap(pixmap);

  // ラベルを表示
  label.show();

  return app.exec();
}

例2: さまざまなサイズのアイコンを表示する

この例では、QIcon::pixmap()メソッドを使用して、さまざまなサイズのアイコン画像を取得し、グリッドレイアウトに表示します。

#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QIcon>
#include <QGridLayout>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // グリッドレイアウトを作成
  QGridLayout layout;

  // アイコンを作成
  QIcon icon(":/path/to/icon.png");

  // さまざまなサイズのアイコン画像を取得
  for (int i = 16; i <= 256; i *= 2) {
    QPixmap pixmap = icon.pixmap(QSize(i, i));

    // ラベルを作成
    QLabel *label = new QLabel;

    // ラベルにアイコン画像を設定
    label->setPixmap(pixmap);

    // グリッドレイアウトに追加
    layout.addWidget(label, i / 16, (i % 16) / 4);
  }

  // ウィジェットを作成
  QWidget widget;

  // グリッドレイアウトをウィジェットに設定
  widget.setLayout(&layout);

  // ウィジェットを表示
  widget.show();

  return app.exec();
}

例3: アクティブな状態のアイコンを表示する

この例では、QIcon::pixmap()メソッドを使用して、アクティブな状態のアイコン画像を取得し、ボタンに設定します。

#include <QApplication>
#include <QPushButton>
#include <QIcon>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ボタンを作成
  QPushButton button;

  // アイコンを作成
  QIcon icon(":/path/to/icon.png");

  // アクティブな状態のアイコン画像を取得
  QPixmap pixmap = icon.pixmap(QSize(32, 32), QIcon::ActiveMode);

  // ボタンにアイコン画像を設定
  button.setIcon(pixmap);

  // ボタンのテキストを設定
  button.setText("Button");

  // ボタンを表示
  button.show();

  return app.exec();
}

代替方法

QPixmap::fromIcon()メソッド:
- QIconオブジェクトを直接QPixmapオブジェクトに変換します。
- QIcon::pixmap()メソッドよりも高速で効率的です。
- しかし、QIcon::pixmap()メソッドのように、さまざまなサイズ、モード、状態に対応するQPixmapオブジェクトを取得することはできません。

QPixmap pixmap = QPixmap::fromIcon(icon);

QPainterクラス:
- QIconオブジェクトをQPainterオブジェクトを使用して描画することで、QPixmapオブジェクトを取得します。
- 柔軟性と制御性に優れています。
- しかし、QIcon::pixmap()メソッドよりも複雑でコード量が多くなります。

QPainter painter(&pixmap);
icon.paint(&painter);

それぞれの方法の利点と欠点

方法	利点	欠点
`QIcon::pixmap()`	使いやすい、さまざまなサイズ、モード、状態に対応可能	遅い、非効率的
`QPixmap::fromIcon()`	速い、効率的	柔軟性と制御性に劣る
`QPainter`	柔軟性と制御性に優れている	複雑、コード量が多い

柔軟性と制御が必要であれば、QPainterクラスを使用します。
速度と効率が重要であれば、QPixmap::fromIcon()メソッドを使用します。

複雑なアイコンの場合は、QPainterクラスを使用する方が効率的な場合があります。
使用するQtのバージョンによって、利用可能な代替方法が異なる場合があります。

上記以外にも、QIcon::pixmap()の代替方法に関する情報は、インターネット上で見つけることができます。