【保存版】Qt Widgetsでヘッダーセクションのサイズ・位置変更を把握：QHeaderView::geometriesChanged()の使い方

用途

QHeaderView::geometriesChanged() シグナルは、以下の用途で役立ちます。

ヘッダーセクションに関連するカスタムウィジェットの更新
ヘッダーツールチップの更新
ヘッダーセクションの再レイアウト

シグナルの接続

QHeaderView::geometriesChanged() シグナルを接続するには、以下のコードのように QObject::connect() 関数を使用します。

QObject::connect(headerView, &QHeaderView::geometriesChanged, this, &mySlot);

このコードでは、headerView という名前の QHeaderView オブジェクトの geometriesChanged() シグナルが emit された際に、mySlot という名前のスロットが呼び出されます。

スロットの実装

mySlot スロットは、ヘッダーセクションのジオメトリが変更されたときに実行されるコードを記述します。このスロット内で、以下の操作を行うことができます。

ヘッダーセクションに関連するカスタムウィジェットを更新する
ヘッダーツールチップを更新する
ヘッダーセクションのサイズまたは位置を取得する

例

以下のコードは、QHeaderView::geometriesChanged() シグナルを接続し、スロット内でヘッダーセクションのサイズを取得してログ出力する例です。

void MyWidget::onGeometriesChanged() {
  for (int i = 0; i < headerView->count(); ++i) {
    QRect geometry = headerView->sectionGeometry(i);
    qDebug() << "Section" << i << "geometry:", geometry;
  }
}

このシグナルは、ヘッダーセクションのスタイルが変更された場合にも emit されます。
このシグナルは、ヘッダーセクションが移動された場合にも emit されます。
QHeaderView::geometriesChanged() シグナルは、ヘッダーセクションが非表示になった場合にも emit されます。

ヘッダーセクションのサイズと位置を取得する

void MyWidget::onGeometriesChanged() {
  for (int i = 0; i < headerView->count(); ++i) {
    QRect geometry = headerView->sectionGeometry(i);
    qDebug() << "Section" << i << "geometry:", geometry;
  }
}

headerView->count() 関数を使用して、ヘッダーセクションの数を取得します。
for ループを使用して、各ヘッダーセクションを反復処理します。
headerView->sectionGeometry(i) 関数を使用して、i 番目のヘッダーセクションのジオメトリを取得します。
取得したジオメトリを qDebug() 関数を使用してログ出力します。

ヘッダーツールチップを更新する

void MyWidget::onGeometriesChanged() {
  for (int i = 0; i < headerView->count(); ++i) {
    QRect geometry = headerView->sectionGeometry(i);
    QString tooltip = "Section" + QString::number(i) + " tooltip";
    headerView->setSectionToolTip(i, tooltip);
  }
}

このコードは、QHeaderView::geometriesChanged() シグナルが emit された際に呼び出されるスロットです。このスロット内で、以下の処理が行われます。

headerView->count() 関数を使用して、ヘッダーセクションの数を取得します。
for ループを使用して、各ヘッダーセクションを反復処理します。
headerView->sectionGeometry(i) 関数を使用して、i 番目のヘッダーセクションのジオメトリを取得します。
取得したジオメトリに基づいて、ヘッダーツールチップのテキストを作成します。
headerView->setSectionToolTip(i, tooltip) 関数を使用して、i 番目のヘッダーセクションのツールチップを設定します。

void MyWidget::onGeometriesChanged() {
  for (int i = 0; i < headerView->count(); ++i) {
    QRect geometry = headerView->sectionGeometry(i);
    CustomWidget* widget = new CustomWidget(this);
    widget->setGeometry(geometry);
    headerView->setSectionWidget(i, widget);
  }
}

headerView->count() 関数を使用して、ヘッダーセクションの数を取得します。
for ループを使用して、各ヘッダーセクションを反復処理します。
headerView->sectionGeometry(i) 関数を使用して、i 番目のヘッダーセクションのジオメトリを取得します。
取得したジオメトリに基づいて、CustomWidget オブジェクトを作成します。
widget->setGeometry(geometry) 関数を使用して、CustomWidget オブジェクトの位置とサイズを設定します。
headerView->setSectionWidget(i, widget) 関数を使用して、i 番目のヘッダーセクションに CustomWidget オブジェクトを設定します。

QHeaderView::headerDataChanged() シグナルを使用する

利点

geometriesChanged() シグナルよりも頻繁に emit されないため、パフォーマンスが向上する可能性がある
ヘッダーセクションのデータが変更された際に emit されるため、より汎用性が高い

欠点

ヘッダーセクションのジオメトリが変更された場合のみ emit されないため、すべての状況で使用できるわけではない

QHeaderView::sectionCountChanged() シグナルと QHeaderView::sectionInserted()/sectionRemoved() シグナルを使用する

QHeaderView::sectionCountChanged() シグナルは、ヘッダーセクションの数が変更された際に emit されます。QHeaderView::sectionInserted() シグナルは、新しいヘッダーセクションが挿入された際に emit され、QHeaderView::sectionRemoved() シグナルは、ヘッダーセクションが削除された際に emit されます。これらのシグナルを組み合わせて使用することで、ヘッダーセクションのジオメトリが変更された場合を検出することができます。

利点

ヘッダーセクションが挿入または削除された場合にも emit されるため、より汎用性が高い

欠点

ヘッダーセクションのサイズまたは位置が変更された場合のみ emit されないため、すべての状況で使用できるわけではない
geometriesChanged() シグナルよりも頻繁に emit されるため、パフォーマンスが低下する可能性がある

ヘッダーセクションのサイズまたは位置を手動で追跡する

QHeaderView::sectionGeometry() 関数を使用して、ヘッダーセクションのサイズまたは位置を手動で追跡することができます。この方法は、ヘッダーセクションのジオメトリが頻繁に変更される場合に役立ちます。

利点

ヘッダーセクションのジオメトリが変更されたタイミングを完全に制御できる

欠点

パフォーマンスが低下する可能性がある
コードが複雑になる

最適な代替方法の選択

最適な代替方法は、状況によって異なります。以下の点を考慮して選択してください。

コードの複雑さをどの程度許容できるか
パフォーマンスがどのくらい重要か
ヘッダーセクションのジオメトリがどのくらいの頻度で変更されるか