Qt Widgetsプログラミング：クリック座標でフレーム部分を特定！QGraphicsWidget::windowFrameSectionAt()の使い方

QGraphicsWidget::windowFrameSectionAt() メソッドは、指定された座標点がウィジェットのどのウィンドウフレームセクションに属しているかを判断します。これは、ウィンドウのドラッグやリサイズなどの操作を処理する際に役立ちます。

戻り値

このメソッドは、Qt::WindowFrameSection 型の値を返します。この型は、ウィンドウフレームのさまざまなセクションを定義する列挙体です。考えられる値は以下の通りです。

• StatusBar：ステータスバー
• Qt::MenuBar：メニューバー
• Qt::BottomLeftCorner：左下の隅
• Qt::BottomEdge：下端
• Qt::BottomRightCorner：右下の隅
• Qt::RightEdge：右端
• Qt::TopRightCorner：右上の隅
• Qt::TopEdge：上端
• Qt::TopLeftCorner：左上の隅
• Qt::TitleBar：タイトルバー
• Qt::NoBorder：ウィンドウフレームの境界外

例

QGraphicsWidget *widget = new QGraphicsWidget;
...

QPoint pos = widget->windowPos() + QPoint(50, 50);
Qt::WindowFrameSection section = widget->windowFrameSectionAt(pos);

switch (section) {
case Qt::TitleBar:
    // タイトルバーがクリックされた
    break;
case Qt::TopLeftCorner:
    // 左上の隅がクリックされた
    break;
    // ... 他のセクションも処理
}

この例では、ウィジェットのwindowPos() メソッドを使用してウィンドウの位置を取得し、それに(50, 50) オフセットを追加して、ウィンドウ内でのクリック座標を計算しています。次に、windowFrameSectionAt() メソッドを使用して、その座標点がどのウィンドウフレームセクションに属しているかを判断し、対応する処理を実行しています。

注意点

• このメソッドは、ウィジェットの座標系ではなく、スクリーン座標系での座標を指定する必要があります。
• このメソッドは、ウィジェットがウィンドウ内に表示されている場合にのみ有効です。ウィジェットが非表示の場合は、常にQt::NoBorder を返します。

この説明が、Qt WidgetsにおけるQGraphicsWidget::windowFrameSectionAt() の理解に役立つことを願っています。

• この説明は、Qt 5.x を基にしています。他のバージョンでは、動作が異なる場合があります。

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#include <QApplication>
#include <QGraphicsWidget>

class MyWidget : public QGraphicsWidget {
public:
    MyWidget() {
        setFixedSize(200, 100);
        setWindowTitle("My Widget");
    }

protected:
    void mousePressEvent(QMouseEvent *event) override {
        QPoint pos = event->pos();
        Qt::WindowFrameSection section = windowFrameSectionAt(pos);

        switch (section) {
        case Qt::TitleBar:
            // タイトルバーがクリックされた
            qDebug() << "Title bar clicked";
            break;
        case Qt::TopLeftCorner:
            // 左上の隅がクリックされた
            qDebug() << "Top left corner clicked";
            break;
        case Qt::TopEdge:
            // 上端がクリックされた
            qDebug() << "Top edge clicked";
            break;
        case Qt::TopRightCorner:
            // 右上の隅がクリックされた
            qDebug() << "Top right corner clicked";
            break;
        case Qt::RightEdge:
            // 右端がクリックされた
            qDebug() << "Right edge clicked";
            break;
        case Qt::BottomRightCorner:
            // 右下の隅がクリックされた
            qDebug() << "Bottom right corner clicked";
            break;
        case Qt::BottomEdge:
            // 下端がクリックされた
            qDebug() << "Bottom edge clicked";
            break;
        case Qt::BottomLeftCorner:
            // 左下の隅がクリックされた
            qDebug() << "Bottom left corner clicked";
            break;
        case Qt::MenuBar:
            // メニューバーがクリックされた
            qDebug() << "Menu bar clicked";
            break;
        case Qt::StatusBar:
            // ステータスバーがクリックされた
            qDebug() << "Status bar clicked";
            break;
        default:
            // ウィンドウフレーム外がクリックされた
            qDebug() << "Outside of window frame clicked";
        }
    }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    MyWidget widget;
    widget.show();

    return app.exec();
}

このコードでは、MyWidget という名前のウィジェットを作成し、mousePressEvent() メソッドをオーバーライドしています。このメソッドは、ウィジェットがクリックされたときに呼び出されます。

mousePressEvent() メソッドでは、まずクリックされた座標を取得し、windowFrameSectionAt() メソッドを使用して、その座標点がどのウィンドウフレームセクションに属しているかを判断します。次に、対応する処理を実行します。

このコードを実行すると、ウィジェットのさまざまなセクションをクリックすると、対応するメッセージがコンソールに出力されます。

• このコードを独自のプロジェクトで使用する場合、ライセンス条項を確認してください。
• このコードは、教育目的のみを目的としています。商用利用には適していない可能性があります。
• このコードは、Qt Creator 4.15.2 と Qt 5.15.2 を使用して作成されました。

• 実際のアプリケーションでは、必要に応じてコードを変更する必要があります。

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代替方法

以下に、QGraphicsWidget::windowFrameSectionAt() の代替方法をいくつか紹介します。

• hitTest()` メソッドを使う

QGraphicsWidget::hitTest() メソッドは、指定された座標点がウィジェット内のどのアイテムに属しているかを判断します。このメソッドを使用して、ウィンドウフレームアイテムに属しているかどうかを確認することで、ウィンドウフレームセクションを判断することができます。

QPoint pos = event->pos();
QGraphicsItem *item = widget->hitTest(pos);

if (item == widget->windowFrame()) {
    // ウィンドウフレームがクリックされた
    Qt::WindowFrameSection section = widget->windowFrameSectionAt(pos);
    // ... 処理
}

• ウィンドウフレームのアイテムを個別にチェックする

ウィジェットのウィンドウフレームは、複数のアイテムで構成されている場合があります。これらのアイテムを個別にチェックすることで、どのウィンドウフレームセクションがクリックされたかを判断することができます。

QPoint pos = event->pos();

if (widget->titleBar()->contains(pos)) {
    // タイトルバーがクリックされた
} else if (widget->topLeftCorner()->contains(pos)) {
    // 左上の隅がクリックされた
} else if (widget->topEdge()->contains(pos)) {
    // 上端がクリックされた
} else {
    // ... 他のセクションもチェック
}

• ライブラリを使う

Qtには、ウィンドウフレームセクションを判断するのに役立つライブラリがいくつかあります。例えば、QDesigner モジュールのQDesignerFormEditor クラスには、windowFrameSectionAt() メソッドに似たメソッドが用意されています。

どの方法を使うべきか

どの代替方法を使うべきかは、状況によって異なります。

• ライブラリを使う方法は、特定のフレームワークやツールを使用している場合に役立ちます。
• ウィンドウフレームのアイテムを個別にチェックする方法は、より詳細な制御が必要な場合に適しています。
• hitTest() メソッドは、シンプルで汎用性の高い方法です。

• ライブラリを使用する場合は、ライセンス条項を確認してください。
• これらの代替方法は、QGraphicsWidget::windowFrameSectionAt() メソッドと同じように動作するとは限りません。

• この説明は、Qt 5.x を基にしています。他のバージョンでは、動作が異なる場合があります。