【保存版】Qt Widgetsでクリック・削除・フォーカスを自在に操作！QGraphicsWidget::setAttribute()完全ガイド

QGraphicsWidget::setAttribute()は、Qt WidgetsライブラリにおけるQGraphicsWidgetクラスのメソッドの一つで、ウィジェットの属性を設定するために使用されます。このメソッドは、ウィジェットの動作や外観を制御する様々な属性を操作することができます。

文法

void QGraphicsWidget::setAttribute(Qt::WidgetAttribute attribute, bool on = true);

引数

on: 属性を有効にするかどうかをbool型で指定します。trueの場合は有効化、falseの場合は無効化となります。デフォルト値はtrueです。

// ウィジェットがクリック可能になるように設定
widget->setAttribute(Qt::WA_AcceptTouchEvents);

// ウィジェットが閉じられたときに削除されるように設定
widget->setAttribute(Qt::WA_DeleteOnClose);

// ウィジェットがフォーカスを受けられるように設定
widget->setAttribute(Qt::WA_Focusable);

属性の中には、互いに排他的な関係にあるものがあります。例えば、Qt::WA_AcceptTouchEventsとQt::WA_AcceptMouseEventsは排他的であり、同時に設定することはできません。
QGraphicsWidget::setAttribute()は、ウィジェットの属性を直接操作するため、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。頻繁に変更される属性については、プロパティを使用することを検討してください。

例1: ウィジェットがクリック可能になるように設定

#include <QGraphicsWidget>

class MyWidget : public QGraphicsWidget {
public:
    MyWidget(QGraphicsItem *parent = nullptr);

protected:
    void mousePressEvent(QMouseEvent *event) override;
};

MyWidget::MyWidget(QGraphicsItem *parent) : QGraphicsWidget(parent) {
    // ウィジェットがクリック可能になるように設定
    setAttribute(Qt::WA_AcceptTouchEvents);
}

void MyWidget::mousePressEvent(QMouseEvent *event) {
    // クリックされたら、何か処理を行う
    qDebug() << "Widget clicked!";
}

このコードでは、MyWidgetクラスを定義し、QGraphicsWidget::setAttribute()を使用して、ウィジェットがクリック可能になるように設定しています。mousePressEvent()メソッドがオーバーライドされ、ウィジェットがクリックされたときにqDebug()を使用してメッセージを出力するようにしています。

例2: ウィジェットが閉じられたときに削除されるように設定

#include <QGraphicsWidget>
#include <QGraphicsScene>

class MyWidget : public QGraphicsWidget {
public:
    MyWidget(QGraphicsItem *parent = nullptr);

signals:
    void closed();
};

MyWidget::MyWidget(QGraphicsItem *parent) : QGraphicsWidget(parent) {
    // ウィジェットが閉じられたときに削除されるように設定
    setAttribute(Qt::WA_DeleteOnClose);
}

void MyWidget::close() {
    emit closed();
    deleteLater();
}

このコードでは、MyWidgetクラスを定義し、QGraphicsWidget::setAttribute()を使用して、ウィジェットが閉じられたときに削除されるように設定しています。close()メソッドが定義され、emit closed()を使用してシグナルを発行し、deleteLater()を使用してウィジェットを削除するようにしています。

#include <QGraphicsWidget>
#include <QKeyEvent>

class MyWidget : public QGraphicsWidget {
public:
    MyWidget(QGraphicsItem *parent = nullptr);

protected:
    void keyPressEvent(QKeyEvent *event) override;
};

MyWidget::MyWidget(QGraphicsItem *parent) : QGraphicsWidget(parent) {
    // ウィジェットがフォーカスを受けられるように設定
    setAttribute(Qt::WA_Focusable);
}

void MyWidget::keyPressEvent(QKeyEvent *event) {
    // キーが押されたら、何か処理を行う
    qDebug() << "Key pressed: " << event->key();
}

プロパティを使用する

多くの属性は、プロパティを使用して設定することができます。プロパティを使用する方法は、より直感的で分かりやすく、コードも読みやすくなります。

// ウィジェットがクリック可能になるように設定
widget->setAcceptTouchEvents(true);

// ウィジェットが閉じられたときに削除されるように設定
widget->setAttribute(Qt::WA_DeleteOnClose, true);

// ウィジェットがフォーカスを受けられるように設定
widget->setFocusable(true);

メリット

パフォーマンスに影響を与えにくい
コードが読みやすく、分かりやすい

デメリット

すべての属性がプロパティとして提供されているわけではない

QGraphicsItem::setData()を使用する

QGraphicsItem::setData()は、任意のデータをウィジェットに関連付けるために使用することができます。属性を設定するために使用することもできますが、QGraphicsWidget::setAttribute()よりも柔軟性が高く、型安全性も確保されます。

// ウィジェットがクリック可能になるように設定
widget->setData(Qt::WA_AcceptTouchEvents, true);

// ウィジェットが閉じられたときに削除されるように設定
widget->setData(Qt::WA_DeleteOnClose, true);

// ウィジェットがフォーカスを受けられるように設定
widget->setData(Qt::WA_Focusable, true);

メリット

型安全性が高い
すべての属性を設定することができます

デメリット

コードが冗長になる可能性がある

カスタムフラグを使用する

独自のフラグを作成して、ウィジェットの状態を管理することもできます。この方法は、複雑なロジックを扱う場合に役立ちます。

enum MyWidgetFlags {
    Flag_AcceptTouchEvents = 1 << 0,
    Flag_DeleteOnClose = 1 << 1,
    Flag_Focusable = 1 << 2,
};

class MyWidget : public QGraphicsWidget {
public:
    MyWidget(QGraphicsItem *parent = nullptr);

    void setFlag(MyWidgetFlags flag, bool enabled);
    bool testFlag(MyWidgetFlags flag) const;

private:
    MyWidgetFlags m_flags;
};

MyWidget::MyWidget(QGraphicsItem *parent) : QGraphicsWidget(parent) {
    m_flags = 0;
}

void MyWidget::setFlag(MyWidgetFlags flag, bool enabled) {
    if (enabled) {
        m_flags |= flag;
    } else {
        m_flags &= ~flag;
    }
}

bool MyWidget::testFlag(MyWidgetFlags flag) const {
    return (m_flags & flag) != 0;
}

メリット

柔軟性が高い
複雑なロジックを扱う場合に役立つ

デメリット

コードが複雑になる可能性がある

どの方法を使用するかは、状況によって異なります。シンプルな場合は、プロパティを使用するのがおすすめです。柔軟性が必要な場合は、QGraphicsItem::setData()またはカスタムフラグを使用することができます。

複雑なロジックを扱う場合は、パフォーマンスを考慮する必要があります。
QGraphicsWidget::setAttribute()は、Qt Widgetsライブラリの内部実装に依存しているため、将来のバージョンで変更される可能性があります。