【保存版】Qt Widgetsでグリッドレイアウトを自在に操る：QGridLayout::addWidget()の使い方とサンプルコード集

QGridLayout::addWidget()は、Qt Widgetsライブラリにおける重要なレイアウト管理機能の一つです。この関数は、グリッドレイアウトマネージャーであるQGridLayoutオブジェクトにウィジェットを追加するために使用されます。グリッドレイアウトは、ウィジェットを行と列に整列して配置するのに役立ちます。

構文

QGridLayout::addWidget()には2つのオーバーロード関数があります。

1. 基本的なaddWidget()関数

void QGridLayout::addWidget(QWidget *widget, int row, int column, Qt::Alignment alignment = Qt::Alignment());

この関数は、指定された行と列にウィジェットを追加します。オプションとして、ウィジェットの配置方法を指定するalignmentパラメーターも渡すことができます。

1. ウィジェットの範囲を指定するaddWidget()関数

void QGridLayout::addWidget(QWidget *widget, int fromRow, int fromColumn, int rowSpan, int columnSpan, Qt::Alignment alignment = Qt::Alignment());

この関数は、指定された行と列から始まり、rowSpan行とcolumnSpan列にわたってウィジェットを追加します。こちらもオプションとして、alignmentパラメーターを指定できます。

引数

• alignment: ウィジェットの配置方法を指定するQt::Alignment値 (デフォルトはQt::Alignment())
• columnSpan: ウィジェットの占める列数 (2番目のaddWidget()関数のみ)
• rowSpan: ウィジェットの占める行数 (2番目のaddWidget()関数のみ)
• fromColumn: ウィジェットの範囲の開始列番号 (2番目のaddWidget()関数のみ)
• fromRow: ウィジェットの範囲の開始行番号 (2番目のaddWidget()関数のみ)
• column: ウィジェットを配置する列番号
• row: ウィジェットを配置する行番号
• widget: グリッドレイアウトに追加するウィジェットオブジェクトへのポインタ

例

次のコードは、label1、label2、label3という3つのラベルをグリッドレイアウトに追加する例です。

QGridLayout *layout = new QGridLayout();

layout->addWidget(label1, 0, 0);
layout->addWidget(label2, 0, 1);
layout->addWidget(label3, 1, 0);

このコードでは、label1は行0列0に、label2は行0列1に、label3は行1列0に追加されます。

• QGridLayout::addWidget()関数は、ウィジェットの親ウィジェットに設定されているレイアウトを変更します。
• ウィジェットの範囲は、グリッドレイアウトの境界を超えることはできません。
• 複数のウィジェットを同じセルに配置することはできません。
• ウィジェットは、グリッドレイアウト内の任意のセルに配置できます。

---

ボタンをグリッドレイアウトに配置する

この例では、3つのボタンをグリッドレイアウトに配置します。

#include <QApplication>
#include <QPushButton>
#include <QGridLayout>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QWidget *window = new QWidget;
  QGridLayout *layout = new QGridLayout(window);

  QPushButton *button1 = new QPushButton("ボタン1");
  QPushButton *button2 = new QPushButton("ボタン2");
  QPushButton *button3 = new QPushButton("ボタン3");

  layout->addWidget(button1, 0, 0); // 行0列0にボタン1を配置
  layout->addWidget(button2, 0, 1); // 行0列1にボタン2を配置
  layout->addWidget(button3, 1, 0); // 行1列0にボタン3を配置

  window->setLayout(layout);
  window->setWindowTitle("グリッドレイアウトの例");
  window->show();

  return app.exec();
}

このコードを実行すると、次のようになります。

ラベルと入力フィールドをグリッドレイアウトに配置する

この例では、ラベルと入力フィールドを交互に並べてグリッドレイアウトに配置します。

#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QLineEdit>
#include <QGridLayout>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QWidget *window = new QWidget;
  QGridLayout *layout = new QGridLayout(window);

  QLabel *label1 = new QLabel("名前:");
  QLabel *label2 = new QLabel("年齢:");
  QLabel *label3 = new QLabel("住所:");

  QLineEdit *lineEdit1 = new QLineEdit;
  QLineEdit *lineEdit2 = new QLineEdit;
  QLineEdit *lineEdit3 = new QLineEdit;

  layout->addWidget(label1, 0, 0);
  layout->addWidget(lineEdit1, 0, 1);
  layout->addWidget(label2, 1, 0);
  layout->addWidget(lineEdit2, 1, 1);
  layout->addWidget(label3, 2, 0);
  layout->addWidget(lineEdit3, 2, 1);

  window->setLayout(layout);
  window->setWindowTitle("ラベルと入力フィールドのグリッドレイアウト");
  window->show();

  return app.exec();
}

ウィジェットの範囲を指定してグリッドレイアウトに配置する

この例では、ボタンを2行2列の範囲に配置します。

#include <QApplication>
#include <QPushButton>
#include <QGridLayout>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QWidget *window = new QWidget;
  QGridLayout *layout = new QGridLayout(window);

  QPushButton *button1 = new QPushButton("ボタン1");
  QPushButton *button2 = new QPushButton("ボタン2");

  layout->addWidget(button1, 0, 0, 2, 2); // 行0列0から2行2列の範囲にボタン1を配置

  window->setLayout(layout);
  window->setWindowTitle("ウィジェットの範囲を指定したグリッドレイアウト");
  window->show();

  return app.exec();
}

説明

上記以外にも、様々な方法でグリッドレイアウトにウィジェットを配置することができます。 詳細については、Qt Widgets ドキュメントを参照してください。

• Qt Widgets ドキュメント:

---

Qt Widgets ライブラリには、グリッドレイアウトを作成する他にも、ウィジェットを配置するための様々な方法があります。 状況に応じて、QGridLayout::addWidget() の代替方法を使用することがあります。

代替方法

• QScrollArea
  スクロールバー付きの領域にウィジェットを配置する場合、QScrollArea を使用することができます。
• QTabWidget
  複数のタブに分割されたレイアウトを作成する場合、QTabWidget を使用することができます。
• QStackedLayout
  複数のウィジェットをスタックして、一度に1つのウィジェットのみを表示する場合、QStackedLayout を使用することができます。
• QFormLayout
  ラベルと入力フィールドを交互に並べるフォームレイアウトを作成する場合、QFormLayout を使用することができます。
• QHBoxLayout と QVBoxLayout
  水平方向または垂直方向にウィジェットを並べるシンプルなレイアウトを作成する場合、QHBoxLayout または QVBoxLayout を使用することができます。

各代替方法の詳細

以下に、各代替方法の詳細と、QGridLayout::addWidget() との比較を説明します。

QHBoxLayout と QVBoxLayout

• QGridLayout::addWidget() との比較
  QHBoxLayout と QVBoxLayout は、シンプルなレイアウトを作成する場合に QGridLayout::addWidget() よりも軽量で効率的な代替手段となります。
• 欠点
  複雑なグリッドレイアウトを作成することはできない。
• 利点
  シンプルで使いやすい。
• 説明
  QHBoxLayout はウィジェットを水平方向に、QVBoxLayout は垂直方向に並べるレイアウトマネージャーです。

例

QHBoxLayout *layout = new QHBoxLayout;
layout->addWidget(label1);
layout->addWidget(label2);
layout->addWidget(label3);

QFormLayout

• QGridLayout::addWidget() との比較
  QFormLayout は、ラベルと入力フィールドを交互に並べる必要がある場合に QGridLayout::addWidget() よりも効率的な代替手段となります。
• 欠点
  複雑なレイアウトを作成することはできない。
• 利点
  フォームレイアウトを簡単に作成できる。
• 説明
  ラベルと入力フィールドを交互に並べるフォームレイアウトを作成するためのレイアウトマネージャーです。

例

QFormLayout *layout = new QFormLayout;
layout->addRow("名前:", lineEdit1);
layout->addRow("年齢:", lineEdit2);
layout->addRow("住所:", lineEdit3);

QStackedLayout

• QGridLayout::addWidget() との比較
  QStackedLayout は、複数のウィジェットを相互に切り替える必要がある場合に QGridLayout::addWidget() よりも効率的な代替手段となります。
• 欠点
  すべてのウィジェットを同時に表示することはできない。
• 利点
  複数のウィジェットを効率的に管理できる。
• 説明
  複数のウィジェットをスタックして、一度に1つのウィジェットのみを表示するためのレイアウトマネージャーです。

例

QStackedLayout *layout = new QStackedLayout;
layout->addWidget(widget1);
layout->addWidget(widget2);
layout->addWidget(widget3);

QTabWidget

• QGridLayout::addWidget() との比較
  QTabWidget は、多くの情報を複数のカテゴリに分類して表示する必要がある場合に QGridLayout::addWidget() よりも効率的な代替手段となります。
• 欠点
  各タブに表示できる領域が限られる。
• 利点
  多くの情報を整理して表示できる。
• 説明
  複数のタブに分割されたレイアウトを作成するためのレイアウトマネージャーです。

例

QTabWidget *tabWidget = new QTabWidget;
tabWidget->addTab(widget1, "タブ1");
tabWidget->addTab(widget2, "タブ2");
tabWidget->addTab(widget3, "タブ3");

QScrollArea

• QGridLayout::addWidget() との比較
  QScrollArea は、ウィジェットのサイズが大きすぎる場合や、コンテンツが画面に収まらない場合に QGridLayout::addWidget() の代替手段となります。
• 欠点
  レイアウトを複雑にする可能性があります。
• 利点
  ウィジェットのサイズが大きすぎる場合や、コンテンツが画面に収まらない場合に有効です。
• 説明
  スクロールバー付きの領域にウィジェットを配置するためのウィジェットです。

QScrollArea *scrollArea = new QScrollArea;
scrollArea->setWidget(widget);