【初心者向け】Qt Widgetsでグリッドレイアウトを簡単作成! `QGridLayout` と `setColumnStretch()` の使い方を徹底解説


Qt Widgets ライブラリに含まれる QGridLayout は、グリッドレイアウトを作成するために使用される強力なレイアウトクラスです。 QGridLayout を使用すると、ウィジェットを行と列に整列して配置することができます。

setColumnStretch() 関数の役割

setColumnStretch() 関数は、指定した列のストレッチファクターを設定するために使用されます。 ストレッチファクターは、余分なスペースがどの列に割り当てられるかを決定する数値です。 ストレッチファクターの値が高い列ほど、余分なスペースが多く割り当てられます。

関数プロトタイプ

void QGridLayout::setColumnStretch(int column, int stretch);

引数

  • stretch: ストレッチファクターの値。 0 以上の値を設定する必要があります。
  • column: ストレッチファクターを設定する列のインデックス。最初の列はインデックス 0 です。

戻り値

なし

詳細

  • ストレッチファクターが設定された列は、残りのスペースをストレッチファクターの値に応じて分配されます。
  • ストレッチファクターが設定されていない列は、最小サイズで表示されます。
  • すべての列のストレッチファクターの合計は 1 でなければなりません。
  • ストレッチファクターは、QGridLayout によって管理される一連の整数で構成されます。

次のコードは、最初の列と 3 番目の列をストレッチし、2 番目の列を固定サイズにする例です。

QGridLayout *layout = new QGridLayout;

// ウィジェットを追加する
layout->addWidget(new QPushButton("Button 1"), 0, 0);
layout->addWidget(new QLineEdit(), 0, 1);
layout->addWidget(new QPushButton("Button 2"), 0, 2);

// 列のストレッチファクターを設定する
layout->setColumnStretch(0, 1);
layout->setColumnStretch(1, 0);
layout->setColumnStretch(2, 1);

このコードでは、最初の列と 3 番目の列のストレッチファクターが 1 に設定されているため、これらの列は残りのスペースを均等に分配します。 2 番目の列のストレッチファクターは 0 に設定されているため、最小サイズで表示されます。

setColumnStretch() 関数は、QGridLayout を使用してグリッドレイアウトを作成する際に、列のサイズを制御するのに役立ちます。 ストレッチファクターを理解することで、ウィジェットを目的どおりに配置することができます。

上記の説明に加えて、QGridLayout の他の機能についても学ぶと役立ちます。

  • rowMinimumHeight() 関数は、行の最小高を設定するために使用されます。
  • columnMinimumWidth() 関数は、列の最小幅を設定するために使用されます。
  • setRowStretch() 関数は、行のストレッチファクターを設定するために使用されます。


#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QPushButton>
#include <QGridLayout>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ウィジェットを作成する
  QLabel *label1 = new QLabel("Label 1");
  QLabel *label2 = new QLabel("Label 2");
  QLabel *label3 = new QLabel("Label 3");
  QPushButton *button1 = new QPushButton("Button 1");
  QPushButton *button2 = new QPushButton("Button 2");

  // グリッドレイアウトを作成する
  QGridLayout *layout = new QGridLayout;

  // ウィジェットをグリッドレイアウトに追加する
  layout->addWidget(label1, 0, 0);
  layout->addWidget(label2, 0, 1);
  layout->addWidget(label3, 0, 2);
  layout->addWidget(button1, 1, 0);
  layout->addWidget(button2, 1, 1, 1, 2);

  // 列のストレッチファクターを設定する
  layout->setColumnStretch(0, 1); // 最初の列をストレッチ
  layout->setColumnStretch(1, 2); // 2 番目の列を 2 倍にストレッチ
  layout->setColumnStretch(2, 1); // 3 番目の列をストレッチ

  // ウィンドウを作成する
  QWidget window;
  window.setLayout(layout);
  window.setWindowTitle("QGridLayout Example");
  window.show();

  return app.exec();
}

このコードを実行すると、次のようになります。

最初の列と 3 番目の列はストレッチされ、残りのスペースを均等に分配します。 2 番目の列は固定サイズで表示されます。

この例は、setColumnStretch() 関数を使用して列のサイズを制御する方法を理解するのに役立ちます。

この例では、QLabelQPushButton ウィジェットを使用していますが、他のウィジェットでも同様に使用できます。



しかし、setColumnStretch() 関数はいくつかの欠点があります。

  • ストレッチファクターは整数値のみ設定できるため、列のサイズを細かく制御することはできません。
  • ストレッチファクターの合計は 1 でなければならないため、すべての列のストレッチファクターを個別に設定することはできません。

これらの欠点を克服するために、setColumnStretch() 関数の代替方法をいくつか紹介します。

QLayout::sizeHint() 関数を使用する

QLayout::sizeHint() 関数は、レイアウトの推奨サイズを返します。 この関数を列ごとに呼び出すことで、各列の推奨幅を取得することができます。

int recommendedWidth = layout->columnWidget(column)->sizeHint().width();
layout->setColumnMinimumWidth(column, recommendedWidth);

このコードは、指定した列の推奨幅を取得し、その値を列の最小幅に設定します。

QBoxLayout を使用する

QBoxLayout は、ウィジェットを水平方向または垂直方向に配置するために使用されるレイアウトクラスです。 QBoxLayout には、setStretchFactor() 関数があり、個々のウィジェットのストレッチファクターを設定することができます。

QHBoxLayout *hBoxLayout = new QHBoxLayout;
hBoxLayout->addWidget(new QLabel("Label 1"));
hBoxLayout->addWidget(new QLabel("Label 2"));
hBoxLayout->addWidget(new QLabel("Label 3"));

layout->addWidget(hBoxLayout, 0, 0, 1, 3);

hBoxLayout->setStretchFactor(0, 1);
hBoxLayout->setStretchFactor(1, 2);
hBoxLayout->setStretchFactor(2, 1);

このコードは、3 つのラベルを水平方向に配置する QHBoxLayout を作成します。 そして、setStretchFactor() 関数を使って、各ラベルのストレッチファクターを設定します。

カスタムレイアウトクラスを作成する

独自のレイアウト要件がある場合は、カスタムレイアウトクラスを作成することができます。 カスタムレイアウトクラスでは、独自のサイズヒントとストレッチファクター計算ロジックを実装することができます。

QGridLayout::setColumnStretch() 関数は、列のストレッチファクターを設定するための便利な方法ですが、いくつかの欠点があります。 上記の代替方法を使用することで、これらの欠点を克服し、より柔軟なレイアウトを作成することができます。