Qt Widgetsで線を描く：QGraphicsLineItem::setLine()の解説とサンプルコード

QGraphicsLineItem::setLine()は、Qt WidgetsライブラリにおけるQGraphicsLineItemクラスのメソッドであり、線描きのアイテムの始点と終点を設定するために使用されます。このメソッドは、2つの方法で呼び出すことができます。

QLineFオブジェクトを渡す
個別のx座標とy座標を指定する

詳細

QLineFオブジェクトを使用する場合

QGraphicsLineItem *lineItem = new QGraphicsLineItem();
QLineF line(10, 20, 50, 60);
lineItem->setLine(line);

この例では、新しいQGraphicsLineItemオブジェクトを作成し、QLineFオブジェクトを使用して始点と終点を設定しています。QLineFオブジェクトは、x1、y1、x2、y2という4つのプロパティを持ち、それぞれ始点と終点のx座標とy座標を表します。

個別のx座標とy座標を使用する場合

QGraphicsLineItem *lineItem = new QGraphicsLineItem();
lineItem->setLine(10, 20, 50, 60);

この例では、setLine()メソッドに個別のx座標とy座標を渡しています。最初の2つの値は始点のx座標とy座標を表し、最後の2つの値は終点のx座標とy座標を表します。

ペン設定

線の描画方法は、QGraphicsLineItemオブジェクトに関連付けられているQPenオブジェクトによって決定されます。QPenオブジェクトは、線の太さ、色、スタイルなどを設定するために使用されます。デフォルトでは、線の太さは0で、色は黒です。

QGraphicsLineItem *lineItem = new QGraphicsLineItem();
lineItem->setLine(10, 20, 50, 60);

QPen pen;
pen.setColor(Qt::red);
pen.setWidth(5);
lineItem->setPen(pen);

この例では、QPenオブジェクトを作成し、色を赤、太さを5に設定しています。その後、setPen()メソッドを使用して、QGraphicsLineItemオブジェクトにこのペンを設定しています。

QGraphicsLineItem::setLine()メソッドは、Qt WidgetsライブラリにおけるQGraphicsLineItemクラスの重要なメソッドであり、線描きのアイテムの始点と終点を設定するために使用されます。このメソッドは、QLineFオブジェクトまたは個別のx座標とy座標を使用して呼び出すことができます。線の描画方法は、QGraphicsLineItemオブジェクトに関連付けられているQPenオブジェクトによって決定されます。

QGraphicsLineItemオブジェクトは、QGraphicsItemクラスから派生しているため、QGraphicsItemクラスのすべてのメソッドを使用することができます。
QGraphicsLineItemオブジェクトは、QGraphicsSceneオブジェクトに追加する必要があります。
QGraphicsLineItemクラスは、2Dグラフィックスシーンに線を描くために使用されます。

#include <QApplication>
#include <QGraphicsScene>
#include <QGraphicsView>
#include <QGraphicsLineItem>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    QGraphicsScene scene;
    QGraphicsLineItem *lineItem = new QGraphicsLineItem();
    lineItem->setLine(10, 20, 50, 60); // 斜めの線を描く

    QGraphicsView view(&scene);
    view.resize(400, 300);
    view.show();

    return app.exec();
}

例2：太い赤い線を描く

#include <QApplication>
#include <QGraphicsScene>
#include <QGraphicsView>
#include <QGraphicsLineItem>
#include <QPen>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    QGraphicsScene scene;
    QGraphicsLineItem *lineItem = new QGraphicsLineItem();
    lineItem->setLine(10, 20, 50, 60);

    QPen pen;
    pen.setColor(Qt::red);
    pen.setWidth(5);
    lineItem->setPen(pen); // 太い赤い線を描く

    QGraphicsView view(&scene);
    view.resize(400, 300);
    view.show();

    return app.exec();
}

例3：破線を描く

#include <QApplication>
#include <QGraphicsScene>
#include <QGraphicsView>
#include <QGraphicsLineItem>
#include <QPen>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    QGraphicsScene scene;
    QGraphicsLineItem *lineItem = new QGraphicsLineItem();
    lineItem->setLine(10, 20, 50, 60);

    QPen pen;
    pen.setColor(Qt::black);
    pen.setStyle(Qt::DashLine);
    lineItem->setPen(pen); // 破線を描く

    QGraphicsView view(&scene);
    view.resize(400, 300);
    view.show();

    return app.exec();
}

説明

例3：破線を描きます。
例2：太い赤い線を描きます。
例1：斜めの線を描きます。

これらの例は、QGraphicsLineItem::setLine()メソッドと、QPenオブジェクトを使用して線のスタイルを設定する方法を示しています。

QGraphicsLineItemコンストラクタを使用する

QGraphicsLineItemクラスには、始点と終点を直接指定できるコンストラクタが用意されています。この方法は、シンプルな線を描く場合に特に便利です。

QGraphicsLineItem lineItem(10, 20, 50, 60);

利点

コードが簡潔で読みやすい

欠点

ペン設定などの他のプロパティを初期化できない

QPointFオブジェクトを使用する

QGraphicsLineItem::setLine()メソッドは、QPointFオブジェクトのリストを受け取ることもできます。この方法は、複数の点を結ぶ折れ線を描く場合に便利です。

QPointF startPoint(10, 20);
QPointF endPoint(50, 60);
QPointF controlPoint(30, 40);

QGraphicsLineItem lineItem(startPoint, endPoint);
lineItem->addSegment(endPoint, controlPoint);

利点

折れ線など、複雑な線を描くことができる

欠点

QGraphicsLineItem::setLine()メソッドよりもコードが冗長になる

QPainterPathを使用する

QPainterPathクラスは、より複雑な形状を描くために使用できます。QGraphicsLineItemクラスは、内部的にQPainterPathを使用して線を描画するため、QPainterPathオブジェクトを直接使用して線を描くこともできます。

QPainterPath path;
path.moveTo(10, 20);
path.lineTo(50, 60);

QGraphicsLineItem lineItem(path);

利点

非常に複雑な線を描くことができる

欠点

コードが最も複雑になる

カスタム描画を使用する

QGraphicsLineItemクラスのpaint()メソッドを再実装して、カスタム描画を行うこともできます。この方法は、高度なカスタマイズが必要な場合に役立ちます。

class MyLineItem : public QGraphicsLineItem {
public:
    MyLineItem(const QLineF &line, QGraphicsItem *parent = nullptr);

protected:
    void paint(QPainter *painter, const QStyleOptionGraphicsItem *option, QWidget *widget = nullptr) override;
};

MyLineItem::MyLineItem(const QLineF &line, QGraphicsItem *parent) :
    QGraphicsLineItem(line, parent)
{
}

void MyLineItem::paint(QPainter *painter, const QStyleOptionGraphicsItem *option, QWidget *widget)
{
    // カスタム描画コードをここに記述
}

利点

線の描画方法を完全に制御できる

QGraphicsLineItemクラスの他の機能を利用できなくなる可能性がある
コードが最も複雑になる