Qt Widgetsでピクセルマップアイテムを回転・拡大縮小：QGraphicsPixmapItem::transformationMode()徹底解説

使用方法

このメソッドは以下の構文で使用します。

Qt::TransformationMode transformationMode() const;

このメソッドは、現在のピクセルマップアイテムの変換モードをQt::TransformationMode型の値として返します。

変換モード

Qt Widgetsライブラリは、ピクセルマップアイテムの変換モードとして以下の値を定義しています。

Qt::UserMode
ユーザー定義の変換マトリックスを使用してピクセルマップアイテムを変換します。
Qt::SmoothTransformation
アンチエイリアシング処理を行う変換モードです。このモードは、より滑らかな外観を提供しますが、処理速度が遅くなります。
Qt::FastTransformation
最速の変換モードであり、アンチエイリアシング処理は行われません。

デフォルト値

デフォルトでは、QGraphicsPixmapItemクラスの変換モードはQt::FastTransformationに設定されています。

例

以下のコード例は、QGraphicsPixmapItemクラスの変換モードを取得し、Qt::SmoothTransformationに設定する方法を示しています。

QGraphicsPixmapItem* item = new QGraphicsPixmapItem(pixmap);
item->setTransformationMode(Qt::SmoothTransformation);

パフォーマンスが重要な場合は、Qt::FastTransformation モードを使用することをお勧めします。
高品質な画像を表示する場合は、Qt::SmoothTransformation モードを使用することをお勧めします。
ピクセルマップアイテムの変換モードを変更すると、アイテムの外観が変化します。
QGraphicsPixmapItem::setTransformationMode() メソッドを呼び出すと、アイテムが更新されます。

#include <QApplication>
#include <QGraphicsScene>
#include <QGraphicsView>
#include <QGraphicsPixmapItem>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // シーンを作成
  QGraphicsScene scene;

  // ピクセルマップアイテムを作成
  QPixmap pixmap("image.png");
  QGraphicsPixmapItem *item = new QGraphicsPixmapItem(pixmap);

  // アイテムをシーンに追加
  scene.addItem(item);

  // ビューを作成
  QGraphicsView view(&scene);
  view.show();

  // アイテムを回転
  item->setRotation(45);

  return app.exec();
}

このコードを実行すると、以下のようになります。

"image.png" という画像ファイルが読み込まれます。
ピクセルマップアイテムが作成され、シーンに追加されます。
ビューが作成され、シーンが表示されます。
アイテムが 45 度回転されます。

このコード例では、item->setRotation(45) メソッドを使用してアイテムを回転させています。このメソッドは、アイテムの回転角度を度数で指定します。

以下のコード例は、QGraphicsPixmapItem::transformationMode() メソッドを使用して、ピクセルマップアイテムを拡大縮小する方法を示しています。

item->setScale(2, 2);

QTransform クラスを使用する

QTransform transform;
transform.rotate(45); // アイテムを 45 度回転
item->setTransform(transform);

このコード例では、QTransform クラスを使用してアイテムを 45 度回転させています。setTransform() メソッドを使用して、アイテムにこの変換を適用します。

QGraphicsItem::setMatrix() メソッドを使用する

QMatrix matrix;
matrix.rotate(45); // アイテムを 45 度回転
item->setMatrix(matrix);

このコード例では、QMatrix クラスを使用してアイテムを 45 度回転させています。setMatrix() メソッドを使用して、アイテムにこの変換マトリックスを適用します。

QGraphicsItem::setTransformations() メソッドを使用する

QGraphicsItem::setTransformations() メソッドは、アイテムの一連の変換を設定するために使用できます。このメソッドは、QGraphicsItem::setMatrix() メソッドよりも柔軟性が高く、複数の変換をアイテムに適用することができます。

QList<QGraphicsTransformation *> transformations;
transformations << new QGraphicsRotation(45); // アイテムを 45 度回転
item->setTransformations(transformations);

このコード例では、QGraphicsRotation クラスを使用してアイテムを 45 度回転させています。setTransformations() メソッドを使用して、アイテムにこの変換を適用します。

アニメーションを使用する

QPropertyAnimation *animation = new QPropertyAnimation(item, "rotation");
animation->setDuration(1000); // アニメーションの持続時間を 1 秒に設定
animation->setEndValue(45); // アイテムを 45 度回転
animation->start();

このコード例では、QPropertyAnimation クラスを使用してアイテムを 45 度回転させるアニメーションを作成しています。

QGraphicsPixmapItem::transformationMode() メソッドは、ピクセルマップアイテムの変換モードを取得および設定するために使用できる便利なメソッドです。しかし、上記で紹介した代替方法を使用することで、より柔軟性と制御性を備えた方法でピクセルマップアイテムを操作することができます。