初心者でも安心！Qt Widgetsにおけるドラッグドロップ処理：QGraphicsProxyWidget::dragLeaveEvent()の基本

QGraphicsProxyWidget::dragLeaveEvent()は、ドラッグ操作中にマウスカーソルがアイテム領域から離れたときに発生するイベントシグナルです。このイベントは、アイテムをドロップする場所がアイテム領域外になったことを示します。

構文

void dragLeaveEvent(QGraphicsProxyDragDropEvent *event);

引数

event: ドラッグドロップイベントに関する情報を提供するQGraphicsProxyDragDropEventオブジェクトへのポインタ

イベント処理

このイベントハンドラ内で、以下の処理を行うことができます。

ドラッグドロップ操作に関する情報をログに記録する
ドラッグカーソルの外観を変更する
ドラッグドロップ操作をキャンセルする

例

以下のコード例は、dragLeaveEvent()イベントハンドラでドラッグドロップ操作をキャンセルする方法を示しています。

void MyGraphicsProxyWidget::dragLeaveEvent(QGraphicsProxyDragDropEvent *event)
{
  event->setAccepted(false);
}

dragLeaveEvent()イベントは、QGraphicsProxyWidgetアイテムだけでなく、他のタイプのアイテムでも発生します。
このイベントは、マウスカーソルがアイテム領域から離れたときにのみ発生します。マウスボタンが押されているかどうかは関係ありません。
dragLeaveEvent()イベントは、アイテムがドラッグ可能な場合にのみ発生します。

class MyGraphicsProxyWidget : public QGraphicsProxyWidget
{
public:
  MyGraphicsProxyWidget(QGraphicsItem *parent = nullptr);

protected:
  void dragLeaveEvent(QGraphicsProxyDragDropEvent *event) override;
};

MyGraphicsProxyWidget::MyGraphicsProxyWidget(QGraphicsItem *parent)
  : QGraphicsProxyWidget(parent)
{
  setAcceptDrops(true);
}

void MyGraphicsProxyWidget::dragLeaveEvent(QGraphicsProxyDragDropEvent *event)
{
  event->setAccepted(false);
}

例2：ドラッグカーソルの外観を変更する

class MyGraphicsProxyWidget : public QGraphicsProxyWidget
{
public:
  MyGraphicsProxyWidget(QGraphicsItem *parent = nullptr);

protected:
  void dragLeaveEvent(QGraphicsProxyDragDropEvent *event) override;
};

MyGraphicsProxyWidget::MyGraphicsProxyWidget(QGraphicsItem *parent)
  : QGraphicsProxyWidget(parent)
{
  setAcceptDrops(true);
}

void MyGraphicsProxyWidget::dragLeaveEvent(QGraphicsProxyDragDropEvent *event)
{
  event->setAccepted(false);
  setCursor(Qt::CrossCursor);
}

例3：ドラッグドロップ操作に関する情報をログに記録する

class MyGraphicsProxyWidget : public QGraphicsProxyWidget
{
public:
  MyGraphicsProxyWidget(QGraphicsItem *parent = nullptr);

protected:
  void dragLeaveEvent(QGraphicsProxyDragDropEvent *event) override;
};

MyGraphicsProxyWidget::MyGraphicsProxyWidget(QGraphicsItem *parent)
  : QGraphicsProxyWidget(parent)
{
  setAcceptDrops(true);
}

void MyGraphicsProxyWidget::dragLeaveEvent(QGraphicsProxyDragDropEvent *event)
{
  event->setAccepted(false);

  QPointF pos = event->pos();
  qDebug() << "Drag leave event: position: " << pos;
}

例3は、ドラッグドロップ操作に関する情報をログに記録します。これは、デバッグやトラブルシューティングに役立ちます。
例2は、ドラッグカーソルの外観をQt::CrossCursorに変更します。これは、ドラッグ操作が終了したことをユーザーに視覚的に示すために役立ちます。
例1は、ドラッグドロップ操作をキャンセルします。これは、アイテムがドロップ場所として適していないことを示すために役立ちます。

ご自身のアプリケーションの要件に合わせて、コードを適宜変更する必要があります。

QGraphicsProxyWidget::dragLeaveEvent()は、ドラッグ操作中にマウスカーソルがアイテム領域から離れたときに発生するイベントシグナルです。しかし、状況によっては、このイベントシグナルを使用するよりも他の方法の方が適切な場合があります。

代替方法

以下の代替方法を検討することができます。

QGraphicsProxyWidget::mouseMoveEvent()を使用する

QGraphicsProxyWidget::mouseMoveEvent()は、マウスカーソルがアイテム上で移動するたびに発生するイベントシグナルです。このイベントシグナルを使用して、マウスカーソルがアイテム領域から離れたことを検出することができます。

void MyGraphicsProxyWidget::mouseMoveEvent(QGraphicsSceneMouseEvent *event)
{
  if (!sceneRect().contains(event->pos())) {
    // アイテム領域から離れた
  }
}

QGraphicsProxyWidget::installEventFilter()を使用する

QGraphicsProxyWidget::installEventFilter()を使用して、アイテムにイベントフィルタをインストールすることができます。イベントフィルタは、アイテムに送信されるすべてのイベントを処理することができます。

class MyEventFilter : public QObject
{
public:
  bool eventFilter(QObject *target, QEvent *event) override
  {
    if (event->type() == QEvent::GraphicsItemLeave) {
      // アイテム領域から離れた
      return true;
    }

    return QObject::eventFilter(target, event);
  }
};

MyGraphicsProxyWidget::MyGraphicsProxyWidget(QGraphicsItem *parent)
  : QGraphicsProxyWidget(parent)
{
  MyEventFilter *filter = new MyEventFilter;
  installEventFilter(filter);
}

選択の指針

どの代替方法を選択するかは、状況によって異なります。

QGraphicsProxyWidget::installEventFilter()は、より柔軟な方法ですが、コードが複雑になる可能性があります。
QGraphicsProxyWidget::mouseMoveEvent()は、単純な方法ですが、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。

ご自身のアプリケーションの要件に合わせて、コードを適宜変更する必要があります。
上記の代替方法はあくまでも例であり、すべての状況に適用できるわけではありません。

QGraphicsProxyWidget::dragLeaveEvent()は、ドラッグドロップ操作に関する追加情報を提供します。例えば、ドラッグされたデータの種類や、マウスボタンの状態などです。これらの情報が必要な場合は、QGraphicsProxyWidget::dragLeaveEvent()を使用する必要があります。

例

以下のコード例は、QGraphicsProxyWidget::dragLeaveEvent()を使用して、ドラッグされたデータの種類をログに記録する方法を示しています。

void MyGraphicsProxyWidget::dragLeaveEvent(QGraphicsProxyDragDropEvent *event)
{
  event->setAccepted(false);

  QMimeData *mimeData = event->mimeData();
  QStringList formats = mimeData->formats();

  for (const QString &format : formats) {
    qDebug() << "Drag leave event: format: " << format;
  }
}