Qt WidgetsにおけるQGraphicsScale::zScaleChanged()プログラミング：詳細解説とサンプルコード

QGraphicsScale::zScaleChanged()シグナルは、Qt WidgetsにおけるQGraphicsScaleクラスのzScaleプロパティが変更されたときに発生します。これは、3Dシーンにおけるオブジェクトのスケール変更を検知する際に役立ちます。

構文

void zScaleChanged(qreal newZScale);

パラメーター

newZScale: 変更後のz軸スケール値

シグナルの接続

QGraphicsScale::zScaleChanged()シグナルをスロットに接続するには、以下のコードを使用します。

QGraphicsScale* scale = new QGraphicsScale();
connect(scale, &QGraphicsScale::zScaleChanged, this, &MyClass::onZScaleChanged);

スロットの実装

zScaleChanged()シグナルがスロットに接続されると、スロットはnewZScaleパラメーターを含むonZScaleChanged()メソッドが呼び出されます。このメソッド内で、z軸スケールの変更に対応する処理を実行できます。

void MyClass::onZScaleChanged(qreal newZScale)
{
    // z軸スケールの変更に対応する処理
    qDebug() << "zScale changed to:" << newZScale;
}

例

以下のコードは、QGraphicsScaleオブジェクトのz軸スケールが変更されたときに、コンソールに新しいスケール値を出力する例です。

#include <QGraphicsScale>
#include <QDebug>

class MyClass : public QObject
{
public:
    MyClass()
    {
        QGraphicsScale* scale = new QGraphicsScale();
        connect(scale, &QGraphicsScale::zScaleChanged, this, &MyClass::onZScaleChanged);
    }

private:
    void onZScaleChanged(qreal newZScale)
    {
        qDebug() << "zScale changed to:" << newZScale;
    }
};

int main()
{
    MyClass myClass;
    return 0;
}

yScaleChanged()シグナルは、y軸スケールが変更されたときに発生します。
xScaleChanged()シグナルは、x軸スケールが変更されたときに発生します。
QGraphicsScaleクラスは、2Dシーンにおけるオブジェクトの変換にも使用できます。

この説明は、Qt Widgets 6.7.2 を基にしています。

#include <QGraphicsScale>
#include <QDebug>

class MyClass : public QObject
{
public:
    MyClass()
    {
        scale = new QGraphicsScale();
        connect(scale, &QGraphicsScale::zScaleChanged, this, &MyClass::onZScaleChanged);

        // 初期z軸スケールを設定
        scale->setZScale(2.0);
    }

public slots:
    void onZScaleChanged(qreal newZScale)
    {
        qDebug() << "zScale changed to:" << newZScale;
    }

private:
    QGraphicsScale* scale;
};

int main()
{
    MyClass myClass;

    // 1秒後にz軸スケールを0.5に変更
    QTimer::singleShot(1000, &myClass, [](){
        myClass.scale->setZScale(0.5);
    });

    return QApplication::exec();
}

このコードの説明

MyClassという名前のクラスを作成します。
コンストラクタ内で、QGraphicsScaleオブジェクトを作成し、zScaleChanged()シグナルをonZScaleChanged()スロットに接続します。
初期z軸スケールを2.0に設定します。
onZScaleChanged()スロットは、newZScaleパラメーターに新しいz軸スケール値が渡されます。このスロット内で、z軸スケールの変更に対応する処理を実行できます。
main()関数内で、MyClassオブジェクトを作成します。
1秒後に、QTimer::singleShot()を使用して、scale->setZScale(0.5)を呼び出し、z軸スケールを0.5に変更します。

zScale changed to: 0.5

QGraphicsItem::transformChanged() シグナルを使用する

connect(item, &QGraphicsItem::transformChanged, this, &MyClass::onTransformChanged);

onTransformChanged()スロット内で、item->transform()を使用して現在のトランスフォーメーションを取得し、その中のz軸スケール値を抽出できます。

void MyClass::onTransformChanged()
{
    QTransform transform = item->transform();
    qreal zScale = transform.matrix().m33();
    // zScale を使用して処理を行う
}

QGraphicsScale::matrixChanged() シグナルを使用する

QGraphicsScale::matrixChanged()シグナルは、QGraphicsScaleオブジェクトの行列が変更されたときに発生します。このシグナルは、QGraphicsScale::zScaleChanged()シグナルよりも詳細な情報が得られます。

connect(scale, &QGraphicsScale::matrixChanged, this, &MyClass::onMatrixChanged);

onMatrixChanged()スロット内で、scale->matrix()を使用して現在の行列を取得し、その中のz軸スケール値を抽出できます。

void MyClass::onMatrixChanged()
{
    QMatrix matrix = scale->matrix();
    qreal zScale = matrix.m33();
    // zScale を使用して処理を行う
}

タイマーを使用して定期的にz軸スケールを監視する

QTimerを使用して、定期的にscale->zScale()を呼び出し、z軸スケールの変更を監視することもできます。

QTimer timer;
connect(&timer, &QTimer::timeout, this, &MyClass::checkZScale);
timer.start(100); // 100ミリ秒ごとにチェック

void MyClass::checkZScale()
{
    qreal zScale = scale->zScale();
    // zScale が変更された場合、処理を行う
}

タイマーを使用して定期的にz軸スケールを監視する方法は、最も柔軟な方法ですが、処理負荷が高くなる可能性があります。
QGraphicsScale::matrixChanged()シグナルは、QGraphicsScale::zScaleChanged()シグナルよりも詳細な情報が得られますが、行列操作を理解する必要があります。
QGraphicsItem::transformChanged()シグナルは、より詳細な情報が得られますが、QGraphicsScaleオブジェクト以外のトランスフォーメーション操作の影響も検出します。
QGraphicsScale::zScaleChanged()シグナルは、シンプルで使いやすい方法です。