Qt GUIでファイルシステムモデルを自在に操る: setData()メソッドを超えたデータ編集方法

QFileSystemModel::setData() メソッドは、Qt GUIアプリケーションにおいて、ファイルシステムモデル内のデータ項目を編集するために使用されます。ファイルの名前、属性、アクセス権限などを変更する際に役立ちます。

メソッドの構成

bool QFileSystemModel::setData(const QModelIndex &index, const QVariant &value, int role = Qt::EditRole);

role: データ変更の役割（例：Qt::EditRole）
value: 新しいデータ値
index: 変更対象のデータ項目を表すモデルインデックス

メソッドの役割

指定されたインデックスのデータ項目を、value で指定された新しい値に変更します。
変更が成功した場合、true を返します。失敗した場合、false を返します。

役割（role）

role パラメータは、データ変更の目的を指定します。主な役割は以下の通りです。

Qt::UserRole: カスタムデータ変更に使用されます。
Qt::DisplayRole: データ項目の表示に使用されます。
Qt::EditRole: データ項目の編集に使用されます。

ファイルシステムモデルの編集

QFileSystemModel::setData() メソッドを使用して、ファイルシステムモデル内の様々なデータ項目を編集することができます。例としては、以下のようなものが挙げられます。

サイズ: QVariant(qint64) を使用して変更
作成日時: QVariant(QDateTime) を使用して変更
アクセス権限: QVariant(QFile::Permissions) を使用して変更
ファイル属性: QVariant(QFile::Permissions) を使用して変更
ファイル名: QVariant(QString) を使用して変更

注意事項

データ変更操作は、別スレッドで実行することを推奨します。
データ変更が成功した場合でも、ファイルシステムに実際に書き込まれるまでには時間がかかる場合があります。
ファイルシステムモデル内のすべてのデータ項目が編集可能とは限りません。編集可能かどうかは、ファイルシステムのアクセス権限やファイルの種類によって異なります。

例

QFileSystemModel model;
model.setRootPath("/home/user/Documents");

QModelIndex index = model.index(0, 0); // 最初の行、最初の列
QString newName = "new_file_name.txt";

if (model.setData(index, QVariant(newName), Qt::EditRole)) {
  // ファイル名の変更に成功
} else {
  // ファイル名の変更に失敗
}

この例では、/home/user/Documents ディレクトリ内の最初のファイルの名前を "new_file_name.txt" に変更します。

データ変更操作を行う際には、ファイルシステムのアクセス権限やファイルの種類に注意する必要があります。
QFileSystemModel::setData() メソッドは、ファイルシステムモデル以外にも、カスタムモデルクラスで使用することができます。

例1: ファイルの名前を変更する

#include <QApplication>
#include <QFileSystemModel>
#include <QTreeView>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ファイルシステムモデルを作成
  QFileSystemModel model;
  model.setRootPath("/home/user/Documents");

  // ツリービューを作成
  QTreeView treeView;
  treeView.setModel(&model);

  // ウィンドウを表示
  treeView.show();

  // 最初の行、最初の列のデータ項目を取得
  QModelIndex index = model.index(0, 0);

  // 新しいファイル名を設定
  QString newName = "new_file_name.txt";

  // ファイル名の変更を実行
  if (model.setData(index, QVariant(newName), Qt::EditRole)) {
    // ファイル名の変更に成功
    qDebug() << "ファイル名の変更に成功しました: " << newName;
  } else {
    // ファイル名の変更に失敗
    qDebug() << "ファイル名の変更に失敗しました";
  }

  return app.exec();
}

例2: ファイルの属性を変更する

#include <QApplication>
#include <QFileSystemModel>
#include <QTreeView>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ファイルシステムモデルを作成
  QFileSystemModel model;
  model.setRootPath("/home/user/Documents");

  // ツリービューを作成
  QTreeView treeView;
  treeView.setModel(&model);

  // ウィンドウを表示
  treeView.show();

  // 最初の行、最初の列のデータ項目を取得
  QModelIndex index = model.index(0, 0);

  // 新しいファイル属性を設定
  QFile::Permissions permissions = QFile::Read | QFile::Write;

  // ファイル属性の変更を実行
  if (model.setData(index, QVariant(permissions), Qt::EditRole)) {
    // ファイル属性の変更に成功
    qDebug() << "ファイル属性の変更に成功しました: " << permissions;
  } else {
    // ファイル属性の変更に失敗
    qDebug() << "ファイル属性の変更に失敗しました";
  }

  return app.exec();
}

例3: ファイルのアクセス権限を変更する

#include <QApplication>
#include <QFileSystemModel>
#include <QTreeView>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ファイルシステムモデルを作成
  QFileSystemModel model;
  model.setRootPath("/home/user/Documents");

  // ツリービューを作成
  QTreeView treeView;
  treeView.setModel(&model);

  // ウィンドウを表示
  treeView.show();

  // 最初の行、最初の列のデータ項目を取得
  QModelIndex index = model.index(0, 0);

  // 新しいファイルアクセス権限を設定
  QFile::Permissions permissions = QFile::OwnerRead | QFile::OwnerWrite | QFile::GroupRead;

  // ファイルアクセス権限の変更を実行
  if (model.setData(index, QVariant(permissions), Qt::EditRole)) {
    // ファイルアクセス権限の変更に成功
    qDebug() << "ファイルアクセス権限の変更に成功しました: " << permissions;
  } else {
    // ファイルアクセス権限の変更に失敗
    qDebug() << "ファイルアクセス権限の変更に失敗しました";
  }

  return app.exec();
}

#include <QApplication>
#include <QFileSystemModel>
#include <QTreeView>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ファイルシステムモデルを作成
  QFileSystemModel model;
  model.setRootPath("/home/user/Documents");

  // ツリービューを作成
  QTreeView treeView;
  treeView.setModel(&model);

  // ウィンドウを表示
  treeView.show();

  // 最初の行、最初の列のデータ項目を取得
  QModelIndex index = model.index(0, 0);

  // 新しいファイル作成

QModelEditor クラスを使用する

QModelEditor クラスは、モデル内のデータを編集するための便利なツールです。以下の手順で QModelEditor を使用することができます。

QModelEditor オブジェクトを作成し、編集対象のモデルを設定します。
editData() メソッドを使用して、編集するデータ項目を指定します。
編集が完了したら、setData() メソッドを使用して、新しいデータ値を設定します。

例

#include <QApplication>
#include <QFileSystemModel>
#include <QTreeView>
#include <QModelEditor>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ファイルシステムモデルを作成
  QFileSystemModel model;
  model.setRootPath("/home/user/Documents");

  // ツリービューを作成
  QTreeView treeView;
  treeView.setModel(&model);

  // ウィンドウを表示
  treeView.show();

  // 最初の行、最初の列のデータ項目を取得
  QModelIndex index = model.index(0, 0);

  // モデルエディタを作成
  QModelEditor editor(&model);

  // 編集するデータ項目を指定
  editor.editData(index);

  // 編集が完了したら、新しいデータ値を設定
  if (editor.save()) {
    qDebug() << "データ編集に成功しました";
  } else {
    qDebug() << "データ編集に失敗しました";
  }

  return app.exec();
}

カスタムデリゲートを使用する

カスタムデリゲートを使用して、データ編集時の表示や編集方法をカスタマイズすることができます。以下の手順でカスタムデリゲートを使用することができます。

カスタムデリゲートクラスを作成し、paint() や editorEvent() などのメソッドをオーバーライドします。
ファイルシステムモデルにカスタムデリゲートを設定します。

例

#include <QApplication>
#include <QFileSystemModel>
#include <QTreeView>
#include <QItemDelegate>

class MyDelegate : public QItemDelegate {
public:
  void paint(QPainter *painter, const QStyleOptionViewItem &option, const QModelIndex &index) const override {
    // カスタム表示処理
  }

  bool editorEvent(QEvent *event, QAbstractItemModel *model, const QStyleOptionViewItem &option, const QModelIndex &index) override {
    // カスタム編集処理
  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ファイルシステムモデルを作成
  QFileSystemModel model;
  model.setRootPath("/home/user/Documents");

  // ツリービューを作成
  QTreeView treeView;
  treeView.setModel(&model);

  // カスタムデリゲートを作成
  MyDelegate delegate;

  // ファイルシステムモデルにカスタムデリゲートを設定
  treeView.setItemDelegateForColumn(0, &delegate);

  // ウィンドウを表示
  treeView.show();

  return app.exec();
}

シグナルとスロットを使用する

ファイルシステムモデルがデータ変更シグナルを発信する場合は、そのシグナルをスロットに接続して、データ編集処理を実行することができます。

例

#include <QApplication>
#include <QFileSystemModel>
#include <QTreeView>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ファイルシステムモデルを作成
  QFileSystemModel model;
  model.setRootPath("/home/user/Documents");

  // ツリービューを作成
  QTreeView treeView;
  treeView.setModel(&model);

  // ウィンドウを表示
  treeView.show();

  // データ変更シグナルに接続
  connect(&model, &QFileSystemModel::dataChanged, this, &MyClass::onDataChanged);
}

void MyClass::onDataChanged(const QModelIndex &topLeft, const QModelIndex &bottomRight, const QVector<int> &roles) {
  // データ編集処理
}

ファイルシステムモデル内のすべてのデータ項目が編集可能とは限りません。編集
使用する方法は、アプリケーションの要件や開発者の好みによって異なります。
上記の方法は、それぞれ異なる利点と欠点があります。

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