【保存版】Qt GUI プログラミング:QFileSystemModel でディレクトリ構造をナビゲート
QFileSystemModel::parent()
は、Qt GUIにおけるファイルシステムモデルで、指定されたインデックスの親インデックスを取得するための関数です。これは、ファイルシステムの階層構造を表現するモデルを操作する際に重要な役割を果たします。
使用方法
この関数は、QModelIndex
型の引数を受け取り、そのインデックスに対応する親インデックスを返します。引数として渡されるインデックスが有効でない場合、または親インデックスが存在しない場合は、無効なインデックスが返されます。
QFileSystemModel model;
model.setRootPath("/home/user");
QModelIndex index = model.index(5, 2); // 5行目2列目のインデックスを取得
QModelIndex parentIndex = model.parent(index);
if (parentIndex.isValid()) {
// 親インデックスが有効な場合
QString parentPath = model.filePath(parentIndex);
qDebug() << "親ディレクトリ: " << parentPath;
} else {
// 親インデックスが無効な場合
qDebug() << "親インデックスが見つかりませんでした";
}
- 親インデックスを使用して、そのインデックスに対応するファイルやディレクトリの情報を取得することができます。
QFileSystemModel::parent()
は、ファイルシステムモデル以外にも、ツリー構造を持つモデルで使用できます。
#include <QApplication>
#include <QFileSystemModel>
#include <QTreeView>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ファイルシステムモデルを作成
QFileSystemModel model;
model.setRootPath("/home/user");
// ツリービューを作成
QTreeView treeView;
treeView.setModel(&model);
// ツリービューを表示
treeView.show();
// 信号接続
QObject::connect(treeView.selectionModel(), &QSelectionModel::selectionChanged,
&app, &QApplication::quit);
return app.exec();
}
このコードの説明
QApplication
オブジェクトを作成します。QFileSystemModel
オブジェクトを作成し、ルートパスを "/home/user" に設定します。QTreeView
オブジェクトを作成し、モデルをQFileSystemModel
オブジェクトに設定します。QTreeView
オブジェクトを表示します。QSelectionModel::selectionChanged
信号をQApplication::quit()
スロットに接続します。
このコードの動作
このコードを実行すると、ファイルシステムのディレクトリ構造がツリービューに表示されます。ユーザーがディレクトリをクリックすると、そのディレクトリの内容がツリービューに表示されます。ユーザーがアイテムを選択すると、アプリケーションが終了します。
- コンテキストメニューを追加して、ファイルを削除したり、名前を変更したりするなどのアクションを実行できるようにします。
- ドラッグ アンド ドロップを使用して、ファイルを別の場所にコピーまたは移動します。
- カスタマイズされたアイコンを使用して、ファイルとディレクトリを視覚的に区別します。
QModelIndex::parent()
この関数は、モデル内の任意のインデックスの親インデックスを取得します。 QFileSystemModel::parent()
と同じように使用できますが、ファイルシステムモデルに限定されないという利点があります。 欠点としては、QFileSystemModel::parent()
よりも汎用的な関数であるため、ファイルシステムモデル固有の機能にアクセスできない可能性がある点が挙げられます。
例
QModelIndex index = model.index(5, 2); // 5行目2列目のインデックスを取得
QModelIndex parentIndex = index.parent();
if (parentIndex.isValid()) {
// 親インデックスが有効な場合
QString parentPath = model.filePath(parentIndex);
qDebug() << "親ディレクトリ: " << parentPath;
} else {
// 親インデックスが無効な場合
qDebug() << "親インデックスが見つかりませんでした";
}
ループによる親の検索
この方法は、再帰的にインデックスを辿ることで、親インデックスを取得します。 ファイルシステムモデルの階層構造が単純な場合に適しています。 複雑な階層構造の場合、コードが冗長になり、メンテナンスが困難になる可能性があります。
例
QModelIndex index = model.index(5, 2); // 5行目2列目のインデックスを取得
QModelIndex parentIndex = index;
while (parentIndex.isValid()) {
if (parentIndex.data(Qt::UserRole).toInt() == QFileSystemModel::DirectoryRole) {
break;
}
parentIndex = parentIndex.parent();
}
if (parentIndex.isValid()) {
// 親インデックスが有効な場合
QString parentPath = model.filePath(parentIndex);
qDebug() << "親ディレクトリ: " << parentPath;
} else {
// 親インデックスが無効な場合
qDebug() << "親インデックスが見つかりませんでした";
}
カスタムデータの利用
ファイルシステムモデルにカスタムデータを格納し、そのデータを使用して親インデックスを取得する方法です。 柔軟性がありますが、モデルにカスタムデータを追加する必要があるという欠点があります。
例
QFileSystemModel model;
model.setRootPath("/home/user");
// カスタムデータを設定
model.setData(index, "parentPath", "/home/user");
QModelIndex parentIndex = model.indexFromItem(model.itemData(index, "parentPath"));
if (parentIndex.isValid()) {
// 親インデックスが有効な場合
QString parentPath = model.filePath(parentIndex);
qDebug() << "親ディレクトリ: " << parentPath;
} else {
// 親インデックスが無効な場合
qDebug() << "親インデックスが見つかりませんでした";
}
どの代替方法を使用するかは、状況によって異なります。 QModelIndex::parent()
は汎用性が高く、多くの場合で十分です。 ファイルシステムモデルに限定されない場合は、この方法が適しています。 ループによる親の検索は、階層構造が単純な場合に適しています。 カスタムデータの利用は、柔軟性が必要な場合に適しています。
- コードの簡潔性: カスタムデータの利用は、コードが冗長になる可能性があります。
- パフォーマンス: ループによる親の検索は、
QFileSystemModel::parent()
やQModelIndex::parent()
よりもパフォーマンスが低下する可能性があります。