【Qt GUIプログラミング】ファイルシステムモデルでファイルを削除する方法:QFileSystemModel::remove()徹底解説


QFileSystemModel::remove()は、Qt GUIアプリケーションにおいて、ファイルシステム上のファイルを削除するための関数です。これは、QFileSystemModelクラスに属する関数であり、ファイルシステムモデル内の特定のアイテムに対応するファイルを削除します。

構文

bool QFileSystemModel::remove(const QModelIndex &index);

引数

  • index: 削除対象のファイルに対応するモデルインデックス

戻り値

  • 削除が成功した場合にtrue、失敗した場合にfalse

詳細

QFileSystemModel::remove()関数は、モデルインデックスによって指定されたファイルシステム上のファイルを削除します。削除が成功すると、モデルデータとビューから対応するアイテムが削除されます。

この関数は、ファイルシステム上のファイルのみを削除できます。ディレクトリを削除するには、QFileSystemModel::rmdir()関数を使用する必要があります。

以下のコードは、QFileSystemModel::remove()関数を使用して、ファイルシステム上のファイルを削除する方法を示しています。

QFileSystemModel model;
model.setRootPath("/home/user/Documents");

QModelIndex index = model.index(5, 2);

if (model.remove(index)) {
  qDebug() << "File deleted successfully";
} else {
  qDebug() << "Failed to delete file";
}

このコードでは、/home/user/Documents ディレクトリ内の5番目の行と2番目の列にあるファイルを削除しようとします。削除が成功すると、File deleted successfullyというメッセージがコンソールに出力されます。失敗した場合には、Failed to delete fileというメッセージが出力されます。

  • ファイルを削除すると、元に戻すことはできません。
  • ファイルが使用されている場合、削除できない場合があります。
  • QFileSystemModel::remove()関数は、削除しようとしているファイルに対する十分なアクセス権を持っていることを確認する必要があります。


#include <QApplication>
#include <QFileSystemModel>
#include <QTreeView>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ファイルシステムモデルを作成
  QFileSystemModel model;
  model.setRootPath("/home/user/Documents");

  // ツリービューを作成
  QTreeView treeView;
  treeView.setModel(&model);

  // ウィンドウを作成
  QWidget window;
  window.setWindowTitle("File System Model");
  window.setLayout(new QHBoxLayout);
  window.layout()->addWidget(&treeView);

  // ウィンドウを表示
  window.show();

  // ファイル削除処理
  QModelIndex index = model.index(5, 2); // 削除対象のファイルインデックス
  if (model.remove(index)) {
    qDebug() << "File deleted successfully";
  } else {
    qDebug() << "Failed to delete file";
  }

  return app.exec();
}

このコードでは、以下の処理が行われます。

  1. QFileSystemModelオブジェクトを作成し、ルートパスを/home/user/Documentsに設定します。
  2. QTreeViewオブジェクトを作成し、ファイルシステムモデルをモデルとして設定します。
  3. QWidgetオブジェクトを作成し、タイトルを"File System Model"に設定し、QHBoxLayoutレイアウトを設定します。
  4. ツリービューをレイアウトに追加します。
  5. ウィンドウを表示します。
  6. QModelIndexオブジェクトを作成して、削除対象のファイルインデックスを取得します。
  7. QFileSystemModel::remove()関数を使用して、ファイルを削除します。
  8. 削除が成功したかどうかを確認し、結果をコンソールに出力します。

このコードを実行すると、/home/user/Documents ディレクトリの内容が表示されるツリービューが表示されます。5番目の行と2番目の列にあるファイルを削除するには、そのファイルをツリービューでクリックして選択し、Deleteキーを押します。

このコードはあくまで一例であり、状況に応じて変更する必要があります。例えば、削除対象のファイルを選択する別の方法を実装したり、削除操作をユーザーに確認するダイアログを表示したりすることができます。



QFile::remove()関数を使用する

QFile::remove()関数は、ファイルシステム上のファイルを直接削除するための関数です。この関数は、QFileSystemModelを使用するよりもシンプルで効率的です。

利点

  • エラー処理がしやすい
  • シンプルで効率的

欠点

  • モデルデータとビューの更新を自分で処理する必要がある
  • ファイルシステムモデルとの連携が必要ない場合にのみ使用できる

QFile file("/home/user/Documents/myfile.txt");

if (file.remove()) {
  qDebug() << "File deleted successfully";
} else {
  qDebug() << "Failed to delete file";
}

QStandardItemModelを使用する

QStandardItemModelは、ファイルシステム以外にもさまざまな種類のデータをモデル化するために使用できる汎用的なモデルクラスです。QFileSystemModelとは異なり、QStandardItemModelはファイルシステムとの直接的な連携を行いません。そのため、ファイルを削除するには、モデルデータとビューを自分で更新する必要があります。

利点

  • モデルデータとビューを柔軟に制御できる
  • ファイルシステム以外にもさまざまな種類のデータをモデル化できる

欠点

  • ファイルシステムとの連携が必要ない場合に非効率
  • QFileSystemModelよりも複雑

QStandardItemModel model;

QStandardItem *item = model.itemFromIndex(index);
if (item) {
  model.removeRow(item.row());
  QFile file(item.data().toString());
  if (file.remove()) {
    qDebug() << "File deleted successfully";
  } else {
    qDebug() << "Failed to delete file";
  }
}

カスタムモデルを使用する

独自のモデルクラスを作成して、ファイルの削除を処理することもできます。これは、複雑なロジックや特殊な要件がある場合に役立ちます。

利点

  • モデルの動作を完全に制御できる
  • 複雑なロジックや特殊な要件を処理できる

欠点

  • デバッグが難しい
  • 開発と保守に時間がかかる
class MyFileSystemModel : public QFileSystemModel {
public:
  bool remove(const QModelIndex &index) override {
    // ファイル削除処理
    // ...

    // モデルデータとビューの更新
    // ...

    return true;
  }
};