Qt GUI プログラミングのワンランク上を目指す: ファイルシステム操作の高度な制御 QFileSystemModel::readOnly

詳細

アクセス方法
- setReadOnly(bool readOnly): 読み取り専用モードを設定します。
- isReadOnly() const: 現在の読み取り専用モードを取得します。
データ型
bool
デフォルト値
true

例

QFileSystemModel model;
model.setRootPath("/home/user");

// ファイルシステムを閲覧可能にする
model.setFilter(QDir::NoDotAndDotDot);
model.setReadOnly(false);

// ファイルシステムをツリービューに表示する
QTreeView treeView;
treeView.setModel(&model);

読み取り専用モードを使用する利点

ユーザーによるファイルシステムの変更を制限することができます。
セキュリティを強化できます。
意図しないファイルの編集や削除を防ぐことができます。

読み取り専用モードを使用する注意点

ユーザーはファイルシステムの名前を変更することができません。
ユーザーはファイルシステムを削除することができません。
ユーザーはファイルシステムを編集することができません。

QFileSystemModel::readOnly プロパティは、Qt GUIにおけるファイルシステムモデルの読み取り専用モードを設定するための便利な機能です。このプロパティを使用することで、ユーザーによるファイルシステムの変更を制限し、セキュリティを強化することができます。

Qt の最新バージョンについては、Qt 公式ドキュメントを参照してください。
本解説は、Qt 6.7.2 を基に作成されています。

#include <QCoreApplication>
#include <QFileSystemModel>
#include <QTreeView>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QCoreApplication app(argc, argv);

    // ファイルシステムモデルを作成
    QFileSystemModel model;
    model.setRootPath("/home/user");

    // ファイルシステムを閲覧可能にする
    model.setFilter(QDir::NoDotAndDotDot);
    model.setReadOnly(true);

    // ファイルシステムをツリービューに表示
    QTreeView treeView;
    treeView.setModel(&model);
    treeView.show();

    return app.exec();
}

説明

QCoreApplication オブジェクトを作成します。
QFileSystemModel オブジェクトを作成します。
setRootPath() メソッドを使用して、ファイルシステムモデルのルートパスを /home/user に設定します。
setFilter() メソッドを使用して、. と .. ディレクトリを除外します。
setReadOnly() メソッドを使用して、ファイルシステムモデルの読み取り専用モードを true に設定します。
QTreeView オブジェクトを作成します。
setModel() メソッドを使用して、ファイルシステムモデルをツリービューに設定します。
show() メソッドを使用して、ツリービューを表示します。
app.exec() メソッドを使用して、アプリケーションを実行します。

このコードを実行すると、以下のようになります。

ただし、ユーザーはファイルやフォルダを編集することはできません。
ユーザーはコンテキストメニューを使用して、ファイルやフォルダのコピー、移動、削除、名前変更などの操作を実行することができます。
ユーザーはファイルやフォルダを右クリックして、コンテキストメニューを表示することができます。
ユーザーはファイルやフォルダをダブルクリックして、その内容を表示することができます。
/home/user フォルダ内のファイルとフォルダがツリービューに表示されます。

ユーザーがファイルやフォルダをドラッグアンドドロップできるようにする
ユーザーがファイルやフォルダを検索できるようにする
ファイルやフォルダのアイコンを表示する

代替方法

カスタムデリゲートを使用する

カスタムデリゲートを使用して、ファイルやフォルダの編集を無効にすることができます。これを行うには、QItemDelegate クラスを継承したデリゲートクラスを作成し、editorData() メソッドと setModelData() メソッドをオーバーライドする必要があります。

class ReadOnlyDelegate : public QItemDelegate {
public:
    ReadOnlyDelegate(QObject *parent = nullptr) : QItemDelegate(parent) {}

    QWidget *createEditor(QWidget *parent, const QStyleOptionViewItem &option, const QModelIndex &index) const override {
        return nullptr; // 編集を無効にする
    }

    void setModelData(QWidget *editor, const QModelIndex &index) const override {
        // 何もしない
    }
};

このデリゲートをファイルシステムモデルに設定するには、以下のコードを使用します。

ReadOnlyDelegate delegate;
model.setItemDelegateForColumn(0, &delegate); // 0 列のアイテムに対してのみ適用

サブクラスを作成する

QFileSystemModel クラスを継承したサブクラスを作成し、setData() メソッドをオーバーライドして、すべての変更を拒否することができます。

class ReadOnlyFileSystemModel : public QFileSystemModel {
public:
    ReadOnlyFileSystemModel(QObject *parent = nullptr) : QFileSystemModel(parent) {}

    bool setData(const QModelIndex &index, const QVariant &value, int role = Qt::EditRole) const override {
        return false; // すべての変更を拒否する
    }
};

このサブクラスを使用するには、以下のコードを使用します。

ReadOnlyFileSystemModel model;
model.setRootPath("/home/user");

// ファイルシステムを閲覧可能にする
model.setFilter(QDir::NoDotAndDotDot);

// ファイルシステムをツリービューに表示
QTreeView treeView;
treeView.setModel(&model);

シグナルとスロットを使用する

QFileSystemModel::dataChanged() シグナルとスロットを使用して、ファイルやフォルダが変更されたことを検出することができます。変更が検出されたら、変更を元に戻したり、ユーザーに警告を表示したりすることができます。

void onItemChanged(const QModelIndex &topLeft, const QModelIndex &bottomRight) {
    // 変更されたアイテムを取得
    QModelIndex index = topLeft;
    while (index.isValid()) {
        // アイテムの種類を確認
        if (index.data(Qt::UserRole).toInt() == Qt::UserRoleFile) {
            // ファイルが変更された
            QFile file(index.data(Qt::DisplayRole).toString());
            if (file.open(QIODevice::ReadOnly)) {
                // ファイルの内容を元に戻す
                file.close();
            }
        } else if (index.data(Qt::UserRole).toInt() == Qt::UserRoleDirectory) {
            // フォルダが変更された
            QDir dir(index.data(Qt::DisplayRole).toString());
            // フォルダの内容を元に戻す
        }

        index = index.parent();
    }
}

connect(&model, &QFileSystemModel::dataChanged, this, &ReadOnlyFileSystemModel::onItemChanged);

シグナルとスロットは、最も柔軟な方法ですが、最も複雑な方法でもあります。
サブクラスは、より多くの制御を提供します。
カスタムデリゲートは、最もシンプルで軽量な方法です。