【超便利】Qt Widgetsでボタンの状態変化をリアルタイムに検知！QDialogButtonBox::changeEvent()活用テクニック

QDialogButtonBox::changeEvent()は、Qt WidgetsライブラリにおけるQDialogButtonBoxクラスの仮想関数であり、ウィジェットの状態変化を検知し、それに応じた処理を実行するために使用されます。この関数は、QWidget::changeEvent()をオーバーライドしており、ボタンボックスのレイアウトやボタンの状態を更新する役割を担っています。

機能

QDialogButtonBox::changeEvent()は以下の機能を提供します。

ボタン状態の更新
ボタンの状態が変化した場合、ボタンの外観や有効性を更新します。
スタイル変更の反映
ウィジェットスタイルが変更された場合、ボタンボックスのレイアウトをそれに合わせて更新します。

引数

QDialogButtonBox::changeEvent()は、QEvent*型の引数eventを受け取ります。このイベントは、ウィジェットの状態変化を表すものであり、changeEvent()内でその内容を検査することで、どのような変化が発生したのかを判断することができます。

戻り値

QDialogButtonBox::changeEvent()は、処理完了後にvoid型の値を返します。

例

以下の例は、QDialogButtonBox::changeEvent()内でボタンの状態変化を検知し、それに応じた処理を行うコード例です。

void QDialogButtonBox::changeEvent(QEvent *event)
{
    if (event->type() == QEvent::StyleChange) {
        updateLayout();
    } else if (event->type() == QEvent::ActivationChange) {
        updateButtonStates();
    }

    QWidget::changeEvent(event);
}

void QDialogButtonBox::updateLayout()
{
    // ボタンボックスのレイアウトを更新する処理
}

void QDialogButtonBox::updateButtonStates()
{
    // ボタンの状態を更新する処理
}

ボタンの状態変化に応じてアイコンを変更する

void QDialogButtonBox::changeEvent(QEvent *event)
{
    if (event->type() == QEvent::ActivationChange) {
        updateButtonIcons();
    }

    QWidget::changeEvent(event);
}

void QDialogButtonBox::updateButtonIcons()
{
    for (QAbstractButton *button : buttons()) {
        if (button->isChecked()) {
            button->setIcon(QIcon(":/images/checked.png"));
        } else {
            button->setIcon(QIcon(":/images/unchecked.png"));
        }
    }
}

このコードでは、まずchangeEvent()内でイベントの種類を検査し、QEvent::ActivationChangeであることを確認します。これは、ボタンの状態が変化したことを示すイベントです。

次に、updateButtonIcons()関数を呼び出して、ボタンの状態に応じてアイコンを変更します。この関数では、buttons()関数を使用してボタンボックス内のすべてのボタンをループし、各ボタンの状態をチェックします。ボタンがチェックされている場合は、QIcon(":/images/checked.png")アイコンを設定し、チェックされていない場合はQIcon(":/images/unchecked.png")アイコンを設定します。

この例では、単純なアイコンの変更を行っていますが、updateButtonIcons()関数を拡張することで、より複雑な処理を行うことも可能です。

この例では、QDialogButtonBox::changeEvent()内でスタイル変更を検知し、それに応じてボタンの配置を変更するコードを紹介します。

void QDialogButtonBox::changeEvent(QEvent *event)
{
    if (event->type() == QEvent::StyleChange) {
        updateButtonLayout();
    }

    QWidget::changeEvent(event);
}

void QDialogButtonBox::updateButtonLayout()
{
    if (style()->styleHint(QStyle::SH_LayoutDirection) == Qt::RightToLeft) {
        setLayoutDirection(Qt::RightToLeft);
    } else {
        setLayoutDirection(Qt::LeftToRight);
    }
}

このコードでは、まずchangeEvent()内でイベントの種類を検査し、QEvent::StyleChangeであることを確認します。これは、ウィジェットのスタイルが変更されたことを示すイベントです。

次に、updateButtonLayout()関数を呼び出して、ボタンの配置を変更します。この関数では、style()->styleHint(QStyle::SH_LayoutDirection)を使用して、現在のスタイルにおけるレイアウト方向を取得します。レイアウト方向が右から左の場合は、setLayoutDirection(Qt::RightToLeft)を呼び出してボタンを右揃えに配置し、左から右の場合はsetLayoutDirection(Qt::LeftToRight)を呼び出してボタンを左揃えに配置します。

シグナルとスロット

QDialogButtonBoxは、ボタンの状態変化を知らせるシグナルをいくつか提供しています。これらのシグナルをスロットに接続することで、ボタンの状態変化に応じて処理を行うことができます。

利点

イベント処理をカプセル化しやすい
コードが読みやすく、わかりやすい

欠点

すべての状態変化を捕捉できない場合がある
changeEvent()よりも冗長になる場合がある

例

connect(buttonBox, &QDialogButtonBox::accepted, this, &MyClass::acceptButtonClicked);
connect(buttonBox, &QDialogButtonBox::rejected, this, &MyClass::rejectButtonClicked);

カスタムイベント

QDialogButtonBoxは、customEvent()という仮想関数を提供しています。この関数は、changeEvent()とは異なり、任意のイベントを処理することができます。ボタンの状態変化を検知するためにこの関数をオーバーライドすることができます。

利点

他のイベントと区別して処理できる
changeEvent()よりも柔軟性が高い

欠点

changeEvent()よりもパフォーマンスが低下する可能性がある
コードが複雑になる場合がある

例

bool QDialogButtonBox::customEvent(QEvent *event)
{
    if (event->type() == MyCustomEventType) {
        // ボタンの状態変化を処理するコード
    }

    return QWidget::customEvent(event);
}

タイマー

ボタンの状態変化を定期的にポーリングするためにタイマーを使用することができます。

利点

他の方法よりも軽量
コードがシンプル

欠点

ボタンの状態変化をリアルタイムに検知できない場合がある
CPU使用量が多くなる場合がある

例

void MyClass::updateButtonStates()
{
    for (QAbstractButton *button : buttonBox->buttons()) {
        // ボタンの状態を更新するコード
    }
}

void MyClass::startTimer()
{
    timer = new QTimer(this);
    connect(timer, &QTimer::timeout, this, &MyClass::updateButtonStates);
    timer->start(100); // 100ミリ秒ごとにタイマーを起動
}

派生クラス

QDialogButtonBoxを派生クラスとして拡張し、ボタンの状態変化を検知するための独自のロジックを実装することができます。

利点

柔軟性が高い
コードをカプセル化しやすい

欠点

メンテナンスが難しくなる場合がある
コードが複雑になる場合がある

class MyDialogButtonBox : public QDialogButtonBox
{
public:
    MyDialogButtonBox(QWidget *parent = nullptr);

protected:
    void changeEvent(QEvent *event) override;
};

MyDialogButtonBox::MyDialogButtonBox(QWidget *parent) :
    QDialogButtonBox(parent)
{
}

void MyDialogButtonBox::changeEvent(QEvent *event)
{
    if (event->type() == QEvent::ActivationChange) {
        // ボタンの状態変化を処理するコード
    }

    QDialogButtonBox::changeEvent(event);
}