ドラッグアクションの変更を検出: Qt GUI で QDrag::actionChanged() を使いこなす

QDrag::actionChanged() シグナルは、ドラッグ操作中にドラッグアクションが変更されたときに発生します。これは、ドロップターゲットが変化したり、ユーザーがキーボード修飾キーを押したりするなど、さまざまな要因によって発生する可能性があります。

このシグナルは、ドラッグ操作の進行状況を追跡し、ユーザーの入力に基づいて動作を動的に調整する必要がある場合に役立ちます。

構文

void QDrag::actionChanged(Qt::DropAction action);

パラメータ

action: 現在のドラッグアクションを表す Qt::DropAction 型の値。

例

QDrag *drag = new QDrag(this);
drag->setMimeData(mimeData);

connect(drag, &QDrag::actionChanged, this, &MyWidget::handleActionChanged);

void MyWidget::handleActionChanged(Qt::DropAction action)
{
    switch (action) {
        case Qt::CopyAction:
            // コピー操作を実行する
            break;
        case Qt::MoveAction:
            // 移動操作を実行する
            break;
        case Qt::LinkAction:
            // リンク操作を実行する
            break;
        default:
            // その他のアクション
            break;
    }
}

この例では、QDrag::actionChanged() シグナルが MyWidget::handleActionChanged() スロットに接続されています。このスロットは、現在のドラッグアクションに基づいて適切な操作を実行します。

QDropEvent::dropAction() 関数を使用して、ドロップイベント時に実行された実際のドラッグアクションを取得できます。
QDrag::defaultAction() 関数を使用して、ドラッグ操作のデフォルトアクションを設定できます。
QDrag::supportedActions() 関数を使用して、ドラッグ操作でサポートされるアクションのセットを取得できます。

#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QMimeData>
#include <QDrag>

class MyWidget : public QWidget
{
public:
    MyWidget(QWidget *parent = nullptr);

private:
    QLabel *label;
};

MyWidget::MyWidget(QWidget *parent) : QWidget(parent)
{
    label = new QLabel("ドラッグしてドロップ", this);
    label->setAlignment(Qt::AlignCenter);

    QMimeData *mimeData = new QMimeData;
    mimeData->setText("Qt GUI プログラミング");

    QDrag *drag = new QDrag(this);
    drag->setMimeData(mimeData);

    connect(drag, &QDrag::actionChanged, this, &MyWidget::handleActionChanged);
}

void MyWidget::handleActionChanged(Qt::DropAction action)
{
    switch (action) {
        case Qt::CopyAction:
            label->setText("コピー操作");
            break;
        case Qt::MoveAction:
            label->setText("移動操作");
            break;
        case Qt::LinkAction:
            label->setText("リンク操作");
            break;
        default:
            label->setText("その他のアクション");
            break;
    }
}

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);
    MyWidget widget;
    widget.show();
    return app.exec();
}

このコードを実行すると、ドラッグ操作中にドラッグアクションが変更されると、テキストラベルのテキストが更新されます。

MyWidget クラスは、QLabel オブジェクトを使用してドラッグアクションを表示する QWidget を定義します。
handleActionChanged() スロットは、QDrag::actionChanged() シグナルによって呼び出されます。
このスロットは、Qt::DropAction 型の action パラメータを使用して、現在のドラッグアクションを取得します。
switch ステートメントを使用して、 action に基づいてテキストラベルのテキストを設定します。

代替方法

QDropEvent::dropAction() を使用する: ドロップイベントが発生したときに、QDropEvent::dropAction() 関数を使用して実行された実際のドラッグアクションを取得できます。この方法は、ドラッグ操作が完了した後にのみアクションを確認できるという点で、QDrag::actionChanged() シグナルよりも制限があります。
QDrag::exec() 関数を自分で実装する: QDrag::exec() 関数を自分で実装することで、ドラッグ操作のすべての段階を完全に制御できます。これは複雑なシナリオでは役立つ可能性がありますが、多くの場合、QDrag::actionChanged() シグナルよりも多くのコードと労力を必要とします。
ドラッグ操作を監視するカスタムイベントハンドラを作成する: ドラッグ操作中のマウスイベントを監視するカスタムイベントハンドラを作成することで、ドラッグアクションの変化を検出できます。これは、QDrag::actionChanged() シグナルよりも柔軟性がありますが、イベント処理の複雑さを増す可能性があります。

それぞれの方法の比較

方法	利点	欠点
`QDrag::actionChanged()`	シンプルで使いやすい	ドラッグ操作が完了する前にアクションを確認できない
`QDropEvent::dropAction()`	ドラッグ操作が完了した後にアクションを確認できる	柔軟性が低い
カスタム `QDrag::exec()`	ドラッグ操作のすべての段階を完全に制御できる	複雑でコード量が多い
カスタムイベントハンドラ	柔軟性が高い	イベント処理が複雑になる可能性がある