Qt Widgets で Windows スタイルのボタンを描画する方法

void qDrawWinButton(QPainter *painter, int x, int y, int width, int height, const QPalette &palette, bool sunken = false, const QBrush *fill = nullptr);

この関数は、以下の引数を取ります。

fill: ボタンの塗りつぶしブラシ (デフォルトは nullptr)
sunken: ボタンが押されているかどうかを示すフラグ (デフォルトは false)
palette: ボタンの配色
height: ボタンの高さ
width: ボタンの幅
y: ボタンの Y 座標
x: ボタンの X 座標
painter: ボタンを描画するペインター

関数の動作

qDrawWinButton() 関数は、以下の処理を行います。

ボタンの境界線を描画します。
ボタンの内側の領域を描画します。
ボタンのテキストを描画します。

ボタンの外観は、palette と sunken フラグによって決定されます。 palette には、ボタンのさまざまな要素の色 (背景色、境界線の色、テキストの色など) が定義されています。 sunken フラグが true の場合、ボタンは押されているように見えるように描画されます。

関数の例

void MyWidget::paintEvent(QPaintEvent *event)
{
    QPainter painter(this);

    // ボタンを描画
    qDrawWinButton(&painter, 10, 10, 100, 30, palette(), false);

    // その他の描画処理
    ...
}

この例では、MyWidget クラスの paintEvent() メソッド内で qDrawWinButton() 関数を使用して、ボタンを描画しています。ボタンは、ウィジェットの左上隅から 10 ピクセル離れた場所に配置され、幅は 100 ピクセル、高さは 30 ピクセルです。ボタンの色は、ウィジェットのパレットから取得されます。

qDrawWinButton() 関数は、Qt Widgets ライブラリで提供されるユーティリティ関数であり、Windows スタイルのボタンを描画するために使用されます。この関数は、ボタンの外観をカスタマイズしたい場合に役立ちます。

この関数は、以下の状況で使用できます。

ボタンの状態 (押されているかどうかなど) によって外観を変えたい場合
標準的な Windows スタイルのボタンとは異なる外観のボタンを作成したい場合

この関数は、比較的単純なボタンを描画する場合に適していますが、より複雑なボタンを描画したい場合は、QPushButton クラスなどの他のウィジェットを使用する方がよい場合があります。

#include <QApplication>
#include <QWidget>
#include <QPainter>

class MyWidget : public QWidget
{
public:
    MyWidget()
    {
        setFixedSize(200, 100);
    }

protected:
    void paintEvent(QPaintEvent *event) override
    {
        QPainter painter(this);

        // ボタンを描画
        qDrawWinButton(&painter, 10, 10, 80, 30, palette());

        // ボタンのテキストを描画
        painter.drawText(100, 22, "ボタン");
    }
};

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    MyWidget widget;
    widget.show();

    return app.exec();
}

このコードを実行すると、以下のウィンドウが表示されます。

このコードでは、以下の処理が行われています。

MyWidget クラスを定義します。このクラスは、QWidget クラスを継承したものであり、ボタンを描画する paintEvent() メソッドを実装しています。
paintEvent() メソッド内で、qDrawWinButton() 関数を使用して、ボタンを描画します。ボタンは、ウィジェットの左上隅から 10 ピクセル離れた場所に配置され、幅は 80 ピクセル、高さは 30 ピクセルです。ボタンの色は、ウィジェットのパレットから取得されます。
drawText() 関数を使用して、ボタンのテキスト ("ボタン") を描画します。

このコードは、qDrawWinButton() 関数を使用して、基本的なボタンを描画する方法を示しています。ボタンの外観をさらにカスタマイズするには、palette、sunken フラグ、および fill ブラシなどのパラメータを変更できます。

押されたボタンを描画する:

qDrawWinButton(&painter, 10, 10, 80, 30, palette(), true);

カスタム色のボタンを描画する:

QPalette customPalette = palette();
customPalette.setColor(QPalette::ButtonText, Qt::red);

qDrawWinButton(&painter, 10, 10, 80, 30, customPalette);

グラデーションで塗りつぶされたボタンを描画する:

QLinearGradient gradient(0, 0, 80, 30);
gradient.setColorAt(0, Qt::white);
gradient.setColorAt(1, Qt::blue);

QBrush fillBrush(gradient);

qDrawWinButton(&painter, 10, 10, 80, 30, palette(), false, &fillBrush);

QPushButton クラスを使用する

QPushButton クラスは、ボタンを作成するための最も一般的な方法です。このクラスには、さまざまな機能 (テキスト、アイコン、チェックボックスなど) を備えたボタンを作成するための多くのプロパティとメソッドが用意されています。

QPushButton *button = new QPushButton("ボタン");
button->connect(SIGNAL(clicked()), this, SLOT(buttonClicked()));

QToolButton クラスを使用する

QToolButton クラスは、アイコン付きのボタンを作成するためのものです。このクラスは、QPushButton クラスよりも小型で軽量なボタンを作成する場合に適しています。

QToolButton *button = new QToolButton;
button->setIcon(QIcon(":/images/icon.png"));
button->connect(SIGNAL(clicked()), this, SLOT(buttonClicked()));

QLabel クラスとマウスイベントを使用する

QLabel クラスは、主にテキストを表示するために使用されますが、マウスイベントを使用してボタンとして機能させることもできます。この方法は、シンプルなボタンを作成する場合に適しています。

QLabel *label = new QLabel("ボタン");
label->setAlignment(Qt::AlignCenter);
label->setCursor(Qt::PointCursor);
label->installEventFilter(this);

カスタム QWidget クラスを作成する

完全な制御が必要な場合は、カスタム QWidget クラスを作成してボタンを作成することができます。この方法は、複雑なボタンを作成する場合に適しています。

class MyButton : public QWidget
{
public:
    MyButton()
    {
        setFixedSize(80, 30);
    }

protected:
    void paintEvent(QPaintEvent *event) override
    {
        QPainter painter(this);

        // ボタンの描画処理
        ...

        // ボタンのテキストを描画
        ...
    }

    void mousePressEvent(QMouseEvent *event) override
    {
        emit clicked();
    }
};

完全な制御が必要な場合は、カスタム QWidget クラスを作成します。
アイコン付きのボタンを作成したい場合は、QToolButton クラスを使用します。
シンプルで使いやすいボタンを作成したい場合は、QPushButton クラスを使用するのがおすすめです。