void QElapsedTimer::invalidate()

2025-05-16

Qtプログラミングにおける void QElapsedTimer::invalidate() は、QElapsedTimer オブジェクトを無効な状態にするための関数です。

QElapsedTimer は、経過時間を高精度に測定するために使用されるクラスです。通常、start() メソッドを呼び出すことでタイマーが開始され、その後 elapsed()nsecsElapsed() などを使って経過時間を取得します。

invalidate() を呼び出すと、以下のようになります。

  • 経過時間の計算が不定になる
    無効な QElapsedTimer オブジェクトに対して elapsed()nsecsElapsed() などの経過時間を取得するメソッドを呼び出すと、未定義の動作 (undefined behavior) になります。つまり、予期せぬ値が返されたり、プログラムがクラッシュしたりする可能性があります。
  • タイマーが無効になる
    isValid() メソッドを呼び出すと false が返されるようになります。これは、タイマーが開始されていない、または明示的に無効にされたことを示します。

なぜ invalidate() を使うのか?

通常、タイマーをリセットしたい場合は restart() を使用します。restart() はタイマーを開始し直し、同時に以前の経過時間をリセットします。

invalidate() は、以下のような状況で使用されることがあります。

  • 状態管理
    タイマーが「アクティブではない」という状態を明示的に示したい場合に利用できます。
  • エラーハンドリング
    タイマーの計測が何らかの理由で意味をなさなくなった場合(例えば、関連する操作が失敗した場合など)に、タイマーを無効にして、後続の経過時間計算が不正なデータに基づかないようにすることができます。
  • 初期状態の表現
    QElapsedTimer オブジェクトは、デフォルトコンストラクタで作成された時点では無効な状態です。明示的に無効な状態に戻したい場合に invalidate() を使用できます。


invalidate() 関数自体が直接エラーを引き起こすことは稀ですが、無効な状態の QElapsedTimer オブジェクトを誤って使用することで問題が発生することがほとんどです。

よくあるエラーとその原因

エラー: elapsed()nsecsElapsed() などからの未定義の動作 (Undefined Behavior)

  • トラブルシューティング
    • 常に isValid() で状態を確認する
      時間計測系のメソッドを呼び出す前に、timer.isValid() を呼び出して、タイマーが有効な状態であるかを確認する習慣をつけましょう。
    • start() または restart() を呼び忘れていないか確認する
      タイマーを開始して経過時間を計測したい場合は、必ず start() または restart() を呼び出す必要があります。
  • 具体例
    QElapsedTimer timer; // 初期状態では無効
    // timer.start(); // ここでstart()を呼び忘れた、または
    timer.invalidate(); // 明示的に無効にした
    
    qint64 elapsed_time = timer.elapsed(); // !!! ここで未定義の動作が発生する可能性あり !!!
    qDebug() << "経過時間: " << elapsed_time;
    
  • 原因
    invalidate() を呼び出した後、または QElapsedTimer オブジェクトが start() されていない初期状態のまま、elapsed()nsecsElapsed()msecsTo()secsTo() といった時間計測系のメソッドを呼び出すと、Qtのドキュメントにも明記されている通り、「未定義の動作 (Undefined Behavior)」となります。これは、プログラムがクラッシュしたり、異常な値を返したり、予測不能な動作をしたりする可能性を意味します。

エラー: 意図しないタイマーの無効化によるロジックの破綻

  • トラブルシューティング
    • invalidate() の呼び出し箇所を特定する
      コードベース全体で invalidate() がどこで呼び出されているかを確認し、その呼び出しが本当に必要なのか、または意図したタイミングで行われているかを確認します。
    • タイマーのライフサイクルを明確にする
      QElapsedTimer オブジェクトがどのスコープで生成され、いつ有効になり、いつ無効になるのかを設計段階で明確にしておくことが重要です。
  • 具体例
    void someFunction() {
        QElapsedTimer myTimer;
        myTimer.start();
        // ... 何らかの処理 ...
        anotherFunction(&myTimer); // 別関数にタイマーを渡す
        // ... myTimerが有効であることを期待する処理 ...
        if (myTimer.isValid()) {
            qDebug() << "経過時間: " << myTimer.elapsed();
        } else {
            qDebug() << "タイマーが無効です。"; // ここに来てしまう
        }
    }
    
    void anotherFunction(QElapsedTimer* timer) {
        // ... 何らかの条件でタイマーを無効にしてしまう ...
        if (someErrorCondition) {
            timer->invalidate(); // 意図せずタイマーを無効化
        }
    }
    
  • 原因
    プログラムのどこかで意図せず invalidate() が呼び出され、その結果として他の場所でタイマーが有効であることを前提とした処理が期待通りに動作しなくなることがあります。
  1. isValid() の活用

    • 最も重要な点は、elapsed()nsecsElapsed() を呼び出す前に isValid() でタイマーの状態を確認することです。
    • デバッグビルド時には、Q_ASSERT(timer.isValid()) のようなアサーションを追加して、無効なタイマーの使用を早期に検出することも有効です。

    <!-- end list -->

    QElapsedTimer timer;
    timer.start();
    // ...
    // 何らかの処理
    // ...
    if (timer.isValid()) {
        qint64 time = timer.elapsed();
        qDebug() << "経過時間: " << time;
    } else {
        qWarning() << "QElapsedTimer が無効な状態で elapsed() が呼び出されました。";
    }
    
  2. デバッガの使用

    • タイマーが無効になる直前のコードパスを特定するために、デバッガを使用してステップ実行します。
    • QElapsedTimer オブジェクトがいつ無効な状態になったのかを追跡します。
  3. ログ出力

    • QElapsedTimerstart()restart()invalidate()isValid() の呼び出し時にログを出力するようにコードに一時的に追加します。これにより、タイマーの状態変化を視覚的に追跡できます。
    QElapsedTimer timer;
    qDebug() << "初期状態 isValid():" << timer.isValid(); // false
    
    timer.start();
    qDebug() << "start()後 isValid():" << timer.isValid(); // true
    
    // ... 処理 ...
    
    timer.invalidate();
    qDebug() << "invalidate()後 isValid():" << timer.isValid(); // false
    
    // elapsed() を呼び出そうとすると...
    if (timer.isValid()) {
        qDebug() << "経過時間: " << timer.elapsed();
    } else {
        qDebug() << "タイマーは無効です。";
    }
    
  4. コードレビュー

    • チームメンバーや同僚にコードをレビューしてもらい、QElapsedTimer の使用方法に誤りがないか確認してもらうことも有効です。特に、タイマーが異なる関数やクラス間で受け渡される場合に、そのライフサイクルが正しく管理されているかどうかに注意します。


例1: タイマーの初期状態と isValid() の確認

QElapsedTimer は、デフォルトコンストラクタで作成された時点では無効な状態です。このことを isValid() を使って確認し、invalidate() が同じ状態を作り出すことを示します。

#include <QCoreApplication>
#include <QDebug>
#include <QElapsedTimer>
#include <QThread> // スリープのために使用

int main(int argc, char *argv[]) {
    QCoreApplication a(argc, argv);

    qDebug() << "--- 例1: タイマーの初期状態と isValid() の確認 ---";

    // 1. デフォルトコンストラクタでタイマーを作成
    QElapsedTimer timer1;
    qDebug() << "timer1 (初期状態): isValid() = " << timer1.isValid(); // false を出力

    // 2. タイマーを開始
    timer1.start();
    qDebug() << "timer1 (start()後): isValid() = " << timer1.isValid(); // true を出力

    // 3. invalidate() でタイマーを無効化
    timer1.invalidate();
    qDebug() << "timer1 (invalidate()後): isValid() = " << timer1.isValid(); // false を出力

    // 無効なタイマーで elapsed() を呼び出すと未定義の動作になるため、
    // ここでは呼び出しません。
    if (!timer1.isValid()) {
        qDebug() << "timer1 は無効なため、経過時間は計算できません。";
    }

    return 0;
}

解説

  • invalidate() を呼び出すと、タイマーは再び無効な状態に戻り、isValid()false を返します。
  • start() を呼び出すと、タイマーは有効になり、isValid()true を返します。
  • QElapsedTimer オブジェクトを宣言した直後は、isValid()false を返します。これはタイマーがまだ開始されていないことを意味します。

例2: エラー処理におけるタイマーの無効化

ある操作の成功/失敗に応じてタイマーを管理するシナリオです。操作が失敗した場合、タイマーの計測結果は意味を持たなくなるため、invalidate() を使ってタイマーを無効にします。

#include <QCoreApplication>
#include <QDebug>
#include <QElapsedTimer>
#include <QThread>

// 何らかの時間のかかる操作をシミュレートする関数
bool performComplexOperation(bool succeed) {
    QThread::msleep(100); // 100ミリ秒の処理
    return succeed; // 成功または失敗
}

int main(int argc, char *argv[]) {
    QCoreApplication a(argc, argv);

    qDebug() << "--- 例2: エラー処理におけるタイマーの無効化 ---";

    QElapsedTimer operationTimer;
    qDebug() << "操作開始前のタイマー状態: isValid() = " << operationTimer.isValid();

    operationTimer.start(); // 操作開始前にタイマーをスタート

    bool operationSuccessful = performComplexOperation(true); // 成功ケース
    // bool operationSuccessful = performComplexOperation(false); // 失敗ケースを試す場合はこちら

    if (operationSuccessful) {
        qint64 elapsedMs = operationTimer.elapsed();
        qDebug() << "操作が成功しました。経過時間: " << elapsedMs << " ms";
    } else {
        qDebug() << "操作が失敗しました。タイマーを無効化します。";
        operationTimer.invalidate(); // 失敗した場合はタイマーを無効にする
        // ここで elapsed() を呼び出すと未定義の動作になる
        qDebug() << "現在のタイマー状態: isValid() = " << operationTimer.isValid();
    }

    // 後続の処理でタイマーの有効性を確認
    if (operationTimer.isValid()) {
        qDebug() << "最終的な経過時間 (有効): " << operationTimer.elapsed() << " ms";
    } else {
        qDebug() << "最終的な経過時間 (無効): タイマーは無効です。";
    }

    return 0;
}

解説

  • その後、if (operationTimer.isValid()) のチェックにより、無効なタイマーに対して elapsed() が呼び出されるのを防ぐことができます。
  • performComplexOperation が失敗した場合 (performComplexOperation(false) を使用した場合)、operationTimer.invalidate() が呼び出され、タイマーは無効な状態になります。
  • performComplexOperation が成功した場合、タイマーは有効なままで、経過時間が正確に表示されます。

特定の条件が満たされた場合にのみタイマーをリセットし、そうでない場合は無効な状態に保つ例です。

#include <QCoreApplication>
#include <QDebug>
#include <QElapsedTimer>

void processData(QElapsedTimer& timer, bool conditionMet) {
    if (conditionMet) {
        qDebug() << "条件が満たされました。タイマーをリスタートします。";
        timer.restart(); // タイマーをリセットして再開
    } else {
        qDebug() << "条件が満たされませんでした。タイマーを無効化します。";
        timer.invalidate(); // タイマーを無効にする
    }
}

int main(int argc, char *argv[]) {
    QCoreApplication a(argc(argc, argv);

    qDebug() << "--- 例3: 条件付きタイマーのリセット ---";

    QElapsedTimer myProcessTimer;
    myProcessTimer.start(); // 初回起動

    qDebug() << "最初の処理前のタイマー状態: isValid() = " << myProcessTimer.isValid();

    // シナリオ1: 条件が満たされる
    processData(myProcessTimer, true);
    if (myProcessTimer.isValid()) {
        qDebug() << "シナリオ1後の経過時間: " << myProcessTimer.elapsed() << " ms";
    } else {
        qDebug() << "シナリオ1後のタイマーは無効です。";
    }

    // シナリオ2: 条件が満たされない
    QThread::msleep(50); // 時間を少し進める
    processData(myProcessTimer, false);
    if (myProcessTimer.isValid()) {
        qDebug() << "シナリオ2後の経過時間: " << myProcessTimer.elapsed() << " ms";
    } else {
        qDebug() << "シナリオ2後のタイマーは無効です。"; // ここが実行される
    }

    // シナリオ3: 無効なタイマーを有効に戻す
    QThread::msleep(50);
    qDebug() << "シナリオ3: 無効なタイマーを明示的にスタート。";
    myProcessTimer.start(); // 無効なタイマーを再び開始する
    if (myProcessTimer.isValid()) {
        qDebug() << "シナリオ3後の経過時間: " << myProcessTimer.elapsed() << " ms";
    } else {
        qDebug() << "シナリオ3後のタイマーは無効です。";
    }

    return 0;
}
  • 無効になったタイマーでも、再度 start() を呼び出せば有効な状態に戻すことができます。
  • これにより、タイマーが有効な場合にのみ経過時間の計算が行われるように制御できます。
  • processData 関数内で、conditionMettrue の場合は restart() でタイマーをリセットし、false の場合は invalidate() で無効にしています。


QElapsedTimer::start() と QElapsedTimer::restart() を活用する

invalidate() の最も一般的な用途は、タイマーを「停止」または「リセット」することです。しかし、QElapsedTimer には直接的な「停止」メソッドはありません。その代わりに、以下のような方法で目的を達成できます。

  • restart()
    タイマーをリセットし、同時に再開します。これは、invalidate() してから start() を呼び出すのと同じ効果を持ち、さらにリセット前の経過時間を返す便利な機能も持っています。
  • start()
    タイマーを最初に開始する際に使用します。無効なタイマーを有効な状態に戻すためにも使用できます。

invalidate() を使用しない例

#include <QCoreApplication>
#include <QDebug>
#include <QElapsedTimer>
#include <QThread> // スリープのために使用

int main(int argc, char *argv[]) {
    QCoreApplication a(argc, argv);

    QElapsedTimer timer;

    qDebug() << "--- start() と restart() を使った例 ---";

    // 1. 初回開始
    timer.start();
    QThread::msleep(100);
    qDebug() << "初回経過時間: " << timer.elapsed() << " ms"; // 約100ms

    // 2. タイマーをリセットして再開 (invalidate() の代わりに restart())
    qint64 prevElapsed = timer.restart(); // 現在の時刻を記録し、リセット前の経過時間を返す
    qDebug() << "restart() 呼び出し時の前の経過時間: " << prevElapsed << " ms";
    QThread::msleep(50);
    qDebug() << "restart() 後からの経過時間: " << timer.elapsed() << " ms"; // 約50ms

    // 特定の条件でタイマー計測を中断したい場合
    bool shouldStopTiming = true;
    if (shouldStopTiming) {
        // QElapsedTimer に直接的な stop() はない。
        // 計測を「中断」したい場合は、その後の elapsed() を呼び出さない、
        // または別のフラグで管理する。
        qDebug() << "タイマー計測を中断しました (物理的な停止ではありません)。";
        // 例えば、計測結果を変数に保存して、タイマーはそのままにしておく
        qint64 finalTime = timer.elapsed();
        qDebug() << "中断時点での経過時間: " << finalTime << " ms";
    }

    // この時点で elapsed() を呼び出しても、停止されたわけではないので時間が進み続ける
    QThread::msleep(50);
    qDebug() << "中断後、さらに50ms経過した時点のタイマーからの経過時間: " << timer.elapsed() << " ms";

    return 0;
}

解説

  • QElapsedTimer は、一度 start() されると内部的には常に時間を計測し続けます。invalidate() はそのタイマーが「有効な状態」ではないとマークするだけです。計測を「停止」するというよりは、「このタイマーの現在の値は無視すべきである」という状態にする、と考えると良いでしょう。
  • restart() は、タイマーを完全にリセットし、新しい計測を開始するのに最適です。これは invalidate()start() を続けて呼び出すのとほぼ同等の効果を持ち、さらに直前の計測時間を返すという利点があります。

独自のフラグでタイマーの状態を管理する

QElapsedTimer::isValid() の代わりに、ブール型のフラグなどのカスタムな状態変数を使用して、タイマーの有効性を管理することができます。これにより、より柔軟なロジックを実装できます。

#include <QCoreApplication>
#include <QDebug>
#include <QElapsedTimer>
#include <QThread>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QCoreApplication a(argc, argv);

    qDebug() << "--- 独自のフラグで状態管理する例 ---";

    QElapsedTimer timer;
    bool timerIsActive = false; // カスタムフラグ

    // 処理開始
    timer.start();
    timerIsActive = true;
    qDebug() << "タイマー開始。timerIsActive = " << timerIsActive;

    QThread::msleep(100);

    // 何らかの条件でタイマー計測を「中断」したい場合
    bool shouldDeactivateTimer = true;
    if (shouldDeactivateTimer) {
        qDebug() << "条件によりタイマーを非アクティブ化します。";
        timerIsActive = false; // フラグを false に設定
        // QElapsedTimer オブジェクト自体は invalidate しない
    }

    QThread::msleep(50);

    // 経過時間を取得する前にフラグを確認
    if (timerIsActive) {
        qint64 elapsedMs = timer.elapsed();
        qDebug() << "経過時間: " << elapsedMs << " ms";
    } else {
        qDebug() << "タイマーは現在非アクティブな状態です。";
    }

    // 再びアクティブにしたい場合
    qDebug() << "タイマーを再度アクティブ化します。";
    timer.restart(); // または timer.start();
    timerIsActive = true;

    QThread::msleep(70);
    if (timerIsActive) {
        qint64 elapsedMs = timer.elapsed();
        qDebug() << "再アクティブ化後の経過時間: " << elapsedMs << " ms";
    }

    return 0;
}

解説

  • この方法は、タイマーの「中断」と「再開」のロジックをより明確に制御したい場合に有効です。
  • elapsed() を呼び出す前にこのフラグをチェックすることで、無効な計測値を避けることができます。
  • このアプローチでは、QElapsedTimer オブジェクト自体を invalidate() せずに、外部の bool 型フラグ (timerIsActive) を使ってタイマーの論理的な状態を管理します。

QTimer を使用する (特定のユースケースの場合)

QElapsedTimer は主に経過時間を高精度に計測するためのものですが、もし「一定時間後に何かを実行する」という目的であれば、QTimer の方が適しています。QTimer には start()stop() メソッドがあり、タイマーの有効/無効を直接制御できます。

#include <QCoreApplication>
#include <QDebug>
#include <QTimer> // QTimer を使用

class MyTimerObject : public QObject {
    Q_OBJECT
public:
    MyTimerObject(QObject *parent = nullptr) : QObject(parent) {
        connect(&qtimer, &QTimer::timeout, this, &MyTimerObject::onTimeout);
        qtimer.setSingleShot(true); // 一度だけ実行
    }

    void startOperationTimer(int delayMs) {
        qDebug() << "QTimer を開始します。";
        qtimer.start(delayMs); // 指定した遅延後に timeout() シグナルを発火
    }

    void stopOperationTimer() {
        if (qtimer.isActive()) {
            qDebug() << "QTimer を停止します。";
            qtimer.stop();
        } else {
            qDebug() << "QTimer は既に停止しています。";
        }
    }

signals:
    void operationCompleted(); // 例としてシグナルを定義

private slots:
    void onTimeout() {
        qDebug() << "QTimer がタイムアウトしました。";
        emit operationCompleted();
    }

private:
    QTimer qtimer;
};

#include "main.moc" // moc ファイルのインクルード (Q_OBJECT を使用する場合)

int main(int argc, char *argv[]) {
    QCoreApplication a(argc, argv);

    qDebug() << "--- QTimer を使った例 ---";

    MyTimerObject obj;

    // 3秒後に操作が完了するように設定
    obj.startOperationTimer(3000);

    QThread::msleep(1000); // 1秒待機
    qDebug() << "1秒経過。";

    // 途中でタイマーを停止する例
    obj.stopOperationTimer();

    QThread::msleep(3000); // さらに3秒待機

    qDebug() << "メインイベントループ終了。";

    return 0;
}
  • QElapsedTimer とは目的が異なるため、経過時間の「計測」には不向きですが、「一定時間後の処理」には非常に便利です。
  • start()stop() メソッドがあり、タイマーの実行を直接制御できます。
  • QTimer は、指定した間隔でシグナルを発生させることを目的としたクラスです。
  • 一定時間後に処理を実行したい場合、または定期的に処理を実行したい場合
    QTimer を使用するのが適切です。QTimer には明確な stop() メソッドがあり、タイマーのライフサイクルを制御しやすいです。
  • タイマーを「無効な状態」としてマークし、その後の経過時間計算を防ぎたい場合
    QElapsedTimer::invalidate() はそのための専用メソッドですが、上述の独自のフラグで管理するアプローチも代替となりえます。isValid() を使ってチェックすることは、invalidate() を使っても使わなくても重要です。
  • 高精度な経過時間計測が必要で、かつタイマーを「リセットして再開」したい場合
    QElapsedTimer::restart() が最も直接的で推奨される方法です。