Qtで浮動ウィジェットを作成する3つの方法：QDockWidget::floatingを超えて

Qt Widgets ライブラリには、QDockWidget クラスという便利なウィジェットが用意されています。このクラスは、アプリケーション内にドッキング可能なウィジェットを作成するために使用できます。ドッキング可能なウィジェットとは、メインウィンドウの端にドッキングしたり、独立したウィンドウとして浮動したりできるウィジェットです。

QDockWidget::floating メソッドは、QDockWidget ウィジェットをドッキング状態から浮動状態に変更するために使用されます。浮動状態になると、ウィジェットはメインウィンドウから独立したウィンドウとして表示されます。

使用方法

QDockWidget::floating メソッドを使用するには、以下のコード例のように呼び出します。

QDockWidget *dockWidget = new QDockWidget;
dockWidget->setWidget(new QWidget);
dockWidget->setWindowTitle("Floating Dock Widget");

// ウィジェットをドッキング
dockWidget->setFloating(false);
ui->centralWidget->layout()->addWidget(dockWidget);

// ウィジェットを浮動
dockWidget->setFloating(true);

このコード例では、まず QDockWidget オブジェクトと QWidget オブジェクトを作成します。次に、QDockWidget オブジェクトにタイトルを設定し、QWidget オブジェクトをそのウィジェットとして設定します。

その後、setFloating(false) メソッドを呼び出して、ウィジェットをドッキング状態に設定します。この状態では、ウィジェットはメインウィンドウの端にドッキングされます。

最後に、setFloating(true) メソッドを呼び出して、ウィジェットを浮動状態に変更します。この状態では、ウィジェットはメインウィンドウから独立したウィンドウとして表示されます。

カスタマイズ

QDockWidget::floating メソッドは、ウィジェットの浮動状態を設定するだけでなく、ウィジェットの位置とサイズも設定できます。

resize(width, height) メソッドを使用して、ウィジェットのサイズを設定できます。
move(x, y) メソッドを使用して、ウィジェットの位置を設定できます。

例

以下のコード例では、QDockWidget ウィジェットを画面の中央に配置して、幅と高さを 300 ピクセルに設定します。

dockWidget->move((QApplication::desktop()->width() - dockWidget->width()) / 2,
                (QApplication::desktop()->height() - dockWidget->height()) / 2);
dockWidget->resize(300, 300);

QDockWidget::floating メソッドは、Qt Widgets アプリケーションで浮動可能なウィジェットを作成するための便利なツールです。このメソッドを使用して、ユーザーがアプリケーションウィンドウ内を自由に移動して配置できるウィジェットを作成できます。

ユーザーは、[×] ボタンをクリックしてウィジェットを閉じたり、[-] ボタンをクリックしてウィジェットを最小化したりできます。
ウィジェットが浮動状態になると、ウィジェットのタイトルバーに [×] ボタンと [-] ボタンが表示されます。
QDockWidget::floating メソッドは、ウィジェットがドッキングされていない場合にのみ呼び出すことができます。

#include <QApplication>
#include <QDockWidget>
#include <QLabel>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ドックウィジェットを作成
  QDockWidget *dockWidget = new QDockWidget;
  dockWidget->setWindowTitle("浮動ウィジェット");

  // ウィジェット内にラベルを追加
  QLabel *label = new QLabel("このウィジェットは浮動しています");
  dockWidget->setWidget(label);

  // ウィジェットを浮動させる
  dockWidget->setFloating(true);

  // ウィジェットを表示
  dockWidget->show();

  return app.exec();
}

このコードでは、以下の処理が行われます。

QApplication オブジェクトを作成します。
QDockWidget オブジェクトを作成し、タイトルを設定します。
QLabel オブジェクトを作成し、テキストを設定します。
QLabel オブジェクトを QDockWidget オブジェクトのウィジェットとして設定します。
setFloating(true) メソッドを呼び出して、QDockWidget オブジェクトを浮動させます。
show() メソッドを呼び出して、QDockWidget オブジェクトを表示します。

このコードを実行すると、浮動ウィジェット というタイトルのウィジェットが画面の中央に表示されます。このウィジェットは、メインウィンドウから独立したウィンドウとして表示され、自由に移動して配置することができます。

以下に、カスタマイズできる項目の例をいくつか示します。

ウィジェットの動作
ウィジェットの内容
ウィジェットのタイトル
ウィジェットの位置とサイズ

QWidget を使用する

QDockWidget の代わりに QWidget を使用して、浮動可能なウィジェットを作成することができます。QWidget は、QDockWidget よりも汎用性の高いウィジェットクラスであり、ドッキング機能以外にもさまざまな機能を提供しています。

例

QWidget *widget = new QWidget;
widget->setWindowTitle("浮動ウィジェット");

// ウィジェット内にラベルを追加
QLabel *label = new QLabel("このウィジェットは浮動しています");
widget->layout()->addWidget(label);

// ウィジェットを浮動させる
widget->setWindowFlags(Qt::Window | Qt::WindowCloseButton | Qt::WindowMinimizeButton);
widget->show();

このコードは、QDockWidget::floating を使用する例とほぼ同じですが、QDockWidget の代わりに QWidget を使用しています。setWindowFlags メソッドを使用して、ウィジェットにウィンドウフラグを設定することで、ウィジェットを浮動させることができます。

QMainWindow を使用する

QMainWindow は、メインウィンドウとツールバー、ステータスバー、ドッキングウィジェットなどのウィジェットを組み合わせたウィジェットクラスです。QMainWindow を使用して、浮動可能なウィジェットを作成することもできます。

例

QMainWindow *mainWindow = new QMainWindow;
mainWindow->setWindowTitle("メインウィンドウ");

// ツールバーを作成
QToolBar *toolBar = new QToolBar;
toolBar->setWindowTitle("ツールバー");

// ツールバーにボタンを追加
QAction *action = new QAction("アクション", toolBar);
toolBar->addAction(action);

// ツールバーをメインウィンドウに追加
mainWindow->addToolBar(Qt::TopToolBarArea, toolBar);

// 浮動可能なウィジェットを作成
QWidget *widget = new QWidget;
widget->setWindowTitle("浮動ウィジェット");

// ウィジェット内にラベルを追加
QLabel *label = new QLabel("このウィジェットは浮動しています");
widget->layout()->addWidget(label);

// 浮動可能なウィジェットをメインウィンドウに追加
mainWindow->addDockWidget(Qt::TopDockWidgetArea, widget);

// ウィジェットを浮動させる
widget->setFloating(true);

// メインウィンドウを表示
mainWindow->show();

このコードは、QMainWindow を使用して浮動可能なウィジェットを作成する方法を示しています。addDockWidget メソッドを使用して、浮動可能なウィジェットをメインウィンドウに追加することができます。

カスタムウィジェットを作成する

独自の浮動可能なウィジェットを作成することもできます。これを行うには、QWidget クラスから継承する新しいクラスを作成し、必要な機能を実装する必要があります。

例

class FloatingWidget : public QWidget {
public:
  FloatingWidget(QWidget *parent = nullptr);

protected:
  void paintEvent(QPaintEvent *event) override;
};

FloatingWidget::FloatingWidget(QWidget *parent) : QWidget(parent) {
  setWindowFlags(Qt::Window | Qt::WindowCloseButton | Qt::WindowMinimizeButton);
}

void FloatingWidget::paintEvent(QPaintEvent *event) {
  QPainter painter(this);
  painter.setPen(Qt::black);
  painter.drawRect(0, 0, width(), height());
}

このコードは、FloatingWidget という名前の新しいウィジェットクラスを作成する方法を示しています。このクラスは QWidget クラスから継承しており、paintEvent メソッドをオーバーライドしてウィジェットを描画します。

QDockWidget::floating は、Qt Widgets アプリケーションで浮動可能なウィジェットを作成するための便利な方法ですが、いくつかの代替方法もあります。上記の例は、それぞれ長所と短所があり、ニーズに合った方法を選択することが重要です。