Qt Widgets:スピンボックスの入力値をサードパーティ製ライブラリで拡張:QDoubleSpinBox::fixup()を超えた可能性


QDoubleSpinBox::fixup() は、Qt Widgets ライブラリにおける QDoubleSpinBox クラスのメンバー関数です。この関数は、スピンボックスに入力されたテキストを修正するために使用されます。具体的には、以下の操作を行います。

  • プレフィックスとサフィックスを適用する
  • 小数点の桁数を設定する
  • 最小値と最大値の範囲内に収める
  • 有効な桁数に制限する

入力パラメータ

fixup() 関数は、修正対象のテキストを含む QString 型の参照パラメータ input を受け取ります。

処理内容

  1. 有効な桁数への制限

    まず、input に含まれる数字の桁数がスピンボックスの設定値を超えていないかを確認します。もし桁数が超過している場合は、超過分の桁を削除します。

  2. 最小値と最大値の範囲への収容

    次に、input に含まれる値がスピンボックスの設定された最小値と最大値の範囲内に収まっているかどうかを確認します。もし値が範囲外の場合は、範囲内に収まるように修正します。

  3. 小数点の桁数の設定

    続いて、input に含まれる小数点の桁数がスピンボックスの設定値と一致しているかどうかを確認します。もし桁数が一致していない場合は、設定値に合わせて修正します。

  4. プレフィックスとサフィックスの適用

    最後に、スピンボックスの設定されたプレフィックスとサフィックスを input に適用します。

戻り値

fixup() 関数は、何も返しません。

QDoubleSpinBox spinBox;
spinBox.setRange(0.0, 10.0);
spinBox.setDecimals(2);

QString text = "12.345";
spinBox.fixup(text);

// text は "12.34" となる
  • ただし、スピンボックスの動作をカスタマイズしたい場合は、fixup() 関数を再実装することで可能です。
  • fixup() 関数は、スピンボックスに入力されたテキストを自動的に修正するため、通常は明示的に呼び出す必要はありません。


#include <QApplication>
#include <QDoubleSpinBox>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // スピンボックスを作成
  QDoubleSpinBox spinBox;

  // スピンボックスの範囲を設定
  spinBox.setRange(0.0, 10.0);

  // 小数点の桁数を設定
  spinBox.setDecimals(2);

  // スピンボックスを表示
  spinBox.show();

  return app.exec();
}

このコードを実行すると、以下のスピンボックスが表示されます。

スピンボックスに値を入力すると、fixup() 関数によって自動的に修正されます。例えば、"12.345" と入力すると、"12.34" と表示されます。

スピンボックスの動作をカスタマイズしたい場合は、fixup() 関数を再実装することができます。例えば、以下のコードは、スピンボックスに入力された値を常に整数に丸める fixup() 関数の再実装例です。

void myFixup(QString &input) {
  // 入力された値を数値に変換
  double value = input.toDouble();

  // 値を整数に丸める
  value = std::floor(value);

  // 丸めた値を文字列に変換
  input = QString::number(value);
}

このコードを main() 関数内で以下のように使用することで、スピンボックスに入力された値は常に整数に丸められます。

// ... (上記と同じ)

// カスタム fixup 関数を設定
spinBox.setFixupFunction(myFixup);

// ... (上記と同じ)

このコードを実行すると、スピンボックスに小数を入力しても、常に整数に丸められた値が表示されます。



以下に、QDoubleSpinBox::fixup() の代替方法として考えられるいくつかの方法を紹介します。

入力バリデーションを使用する

QValidator クラスを使用して、スピンボックスに入力されるテキストを検証することができます。例えば、以下のコードは、スピンボックスに入力される値が 0 から 10 の範囲内であることを検証する例です。

QDoubleValidator *validator = new QDoubleValidator(0, 10, 2, QLocale::system());
spinBox.setValidator(validator);

このコードを実行すると、スピンボックスに 0 以下の値または 10 以上の値を入力しようとすると、エラーが表示されます。

カスタム信号スロットを使用する

QDoubleSpinBox::valueChanged() 信号とスロットを使用して、スピンボックスの値が変更されたときに処理を行うことができます。例えば、以下のコードは、スピンボックスの値が変更されたときに、値を常に整数に丸める例です。

void onValueChanged(double value) {
  spinBox->setValue(std::floor(value));
}

spinBox->connect(spinBox, SIGNAL(valueChanged(double)), this, SLOT(onValueChanged(double)));

カスタム QAbstractItemModel を使用する

QDoubleSpinBox は、QAbstractItemModel を使用してモデルに基づいて値を表示することができます。この方法を使用すると、スピンボックスに入力されるテキストを完全に制御することができます。

サードパーティ製のライブラリを使用する

QDoubleSpinBox の代替となるサードパーティ製のライブラリもいくつか存在します。例えば、QCustomSpinBox ライブラリは、QDoubleSpinBox よりも多くの機能を提供しています。

どの方法を選択するかは、具体的な要件によって異なります。

  • より多くの機能が必要な場合は、サードパーティ製のライブラリ を検討することができます。
  • スピンボックスに入力されるテキストを完全に制御したい場合は、カスタム QAbstractItemModel が適しています。
  • 値が変更されたときに処理を行いたい場合は、カスタム信号スロット が適しています。
  • 入力値を検証したい場合は、入力バリデーション が適しています。