ボタンクリックでアクションを実行！Qt GUIプログラミングにおけるQActionEvent::action()

QActionEvent::action() は、QActionEvent オブジェクトに関連付けられた QAction オブジェクトを取得するためのメソッドです。QAction オブジェクトは、ボタンやメニュー項目などのユーザーインターフェイス要素にアクションを関連付けるために使用されます。

詳細

QActionEvent::action() メソッドは、const メソッドとして宣言されています。つまり、このメソッドを呼び出すと、QActionEvent オブジェクトの状態を変更することはできません。このメソッドは、QAction オブジェクトへのポインタを返します。

QActionEvent::action() メソッドは、以下の状況で使用されます。

アクションのプロパティが変更されたとき
アクションがウィジェットから削除されたとき
アクションがウィジェットに追加されたとき

例

void widget_actionEvent(QActionEvent *event)
{
    if (event->type() == QEvent::ActionAdded) {
        QAction *action = event->action();
        // アクションが追加されたときに処理を行う
    } else if (event->type() == QEvent::ActionRemoved) {
        QAction *action = event->action();
        // アクションが削除されたときに処理を行う
    } else if (event->type() == QEvent::ActionChanged) {
        QAction *action = event->action();
        // アクションのプロパティが変更されたときに処理を行う
    }
}

この例では、widget_actionEvent() 関数は、QActionEvent オブジェクトを受け取ります。この関数は、イベントのタイプをチェックし、対応する処理を実行します。アクションが追加された場合は、QActionEvent::action() メソッドを使用して QAction オブジェクトを取得し、アクションが追加されたときに処理を行います。同様に、アクションが削除された場合やプロパティが変更された場合にも処理を行います。

QActionEvent::action() メソッドは、QActionEvent オブジェクトが有効である場合にのみ有効です。QActionEvent オブジェクトが無効の場合は、このメソッドは nullptr を返します。
QActionEvent::action() メソッドは、QActionEvent オブジェクトに関連付けられた唯一のアクションを取得します。複数の QAction オブジェクトが関連付けられている場合は、どのアクションを取得するかを制御できません。

#include <QApplication>
#include <QPushButton>

class MyWidget : public QWidget
{
public:
    MyWidget()
    {
        QPushButton *button = new QPushButton("ボタンをクリック");
        connect(button, SIGNAL(clicked()), this, SLOT(buttonClicked()));
    }

signals:
    void buttonClicked();

private slots:
    void buttonClicked()
    {
        QObject *sender = QObject::sender();
        QAction *action = static_cast<QAction *>(sender);
        if (action) {
            // アクションがクリックされたときに処理を行う
            qDebug() << "アクションがクリックされました：" << action->text();
        }
    }
};

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);
    MyWidget widget;
    widget.show();
    return app.exec();
}

sender() 関数

sender() 関数は、シグナルまたはイベントを発行したオブジェクトを取得します。 QActionEvent はシグナルを発行するため、sender() 関数を使用して QAction オブジェクトを取得できます。

void widget_actionEvent(QActionEvent *event)
{
    QAction *action = static_cast<QAction *>(event->sender());
    // アクションが追加されたときに処理を行う
}

利点

シンプルでわかりやすいコード

欠点

キャストが必要
QAction オブジェクトが必ずしも送信者であるとは限らない

QObject::property() 関数

QObject::property() 関数は、オブジェクトのプロパティを取得します。 QActionEvent オブジェクトには "action" というプロパティがあり、このプロパティには関連付けられた QAction オブジェクトが格納されています。

void widget_actionEvent(QActionEvent *event)
{
    QAction *action = static_cast<QAction *>(event->property("action"));
    // アクションが追加されたときに処理を行う
}

利点

キャストが不要

欠点

プロパティ名を知る必要がある
コードが冗長になる

カスタムイベントクラス

独自のカスタムイベントクラスを作成し、QActionEvent::type() メソッドを使用してイベントの種類を識別することができます。イベントの種類に応じて、関連付けられた QAction オブジェクトを取得できます。

class MyActionEvent : public QActionEvent
{
public:
    MyActionEvent(int type, QAction *action)
        : QActionEvent(type, action)
    {}

    QAction *action() const { return m_action; }

private:
    QAction *m_action;
};

void widget_actionEvent(QActionEvent *event)
{
    if (event->type() == MyActionEvent::Type) {
        MyActionEvent *myEvent = static_cast<MyActionEvent *>(event);
        QAction *action = myEvent->action();
        // アクションが追加されたときに処理を行う
    }
}

利点

コードをより柔軟に記述できる
イベントの種類を明確に定義できる

カスタムイベントクラスを作成する必要がある
コードが複雑になる