【初心者向け】Qt GUIで画面を更新するには？QBackingStore::flush()の基礎知識

QBackingStore::flush()は、Qt GUIにおける重要な機能の一つであり、ウィンドウの内容を画面に描画する役割を担っています。この関数は、ウィンドウ内の特定の領域を更新したり、ウィンドウ全体を再描画したりするために使用されます。

詳細

QBackingStore::flush()は以下の引数を受け取ります。

• offset: 更新対象の領域をオフセットするQPointオブジェクト（省略可、デフォルトはQPoint(0, 0)）
• window: 更新対象のウィンドウを表すQWindowオブジェクト（省略可、デフォルトはQBackingStoreに関連付けられたウィンドウ）
• region: 更新対象の領域を表すQRegionオブジェクト

この関数は、以下の処理を行います。

1. 指定されたregion内の内容を、QBackingStore内部のバッファに描画します。
2. 描画された内容を、ウィンドウサーフェスに転送します。
3. ウィンドウサーフェスの内容を、画面に描画します。

例

以下のコードは、QBackingStore::flush()を使用して、ウィンドウ全体を再描画します。

QBackingStore backingStore(window);
backingStore.beginPaint(window->size());
painter.draw(...); // 描画処理
backingStore.endPaint();
backingStore.flush(window->size());

• QBackingStore::flush()を頻繁に呼び出すと、パフォーマンスが低下する可能性があります。
• QBackingStore::flush()は、OpenGLを使用するウィンドウではサポートされない場合があります。
• QBackingStore::flush()は、非同期的に実行されます。つまり、この関数を呼び出した直後に画面に描画されるとは限りません。

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QBackingStore backingStore(window);
backingStore.beginPaint(window->size());
painter.draw(...); // 描画処理
backingStore.endPaint();
backingStore.flush(window->size());

例2：特定の領域を更新する

QBackingStore backingStore(window);
backingStore.beginPaint(region);
painter.draw(...); // 描画処理
backingStore.endPaint();
backingStore.flush(region);

例3：OpenGLを使用するウィンドウでQBackingStore::flush()を使用する

QBackingStore backingStore(window);
backingStore.beginPaint(window->size());
painter.setRenderHint(QPainter::Antialiasing);
painter.setCompositionMode(QPainter::CompositionMode_SourceOver);
painter.fillRect(QRect(0, 0, window->width(), window->height()), QColor(Qt::white));
painter.draw(...); // OpenGL描画処理
backingStore.endPaint();
backingStore.flush(window->size());

説明

• 例3では、OpenGLを使用するウィンドウでQBackingStore::flush()を使用する方法を示しています。
• 例2では、特定の領域を更新する方法を示しています。
• 例1では、ウィンドウ全体を再描画する方法を示しています。
• 上記のコード例は、Qt GUIにおけるQBackingStore::flush()の使用方法を示しています。

• QBackingStore::flush()を頻繁に呼び出すと、パフォーマンスが低下する可能性があります。
• QBackingStore::flush()は、OpenGLを使用するウィンドウではサポートされない場合があります。
• QBackingStore::flush()は、非同期的に実行されます。つまり、この関数を呼び出した直後に画面に描画されるとは限りません。

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QBackingStore::flush()は、Qt GUIにおける重要な機能の一つですが、状況によっては代替方法の方が適切な場合があります。ここでは、QBackingStore::flush()の代替方法として、以下の3つの方法を紹介します。

QPainter::update()`を使用する

QPainter::update()は、ウィンドウ内の特定の領域を更新するために使用されます。この関数は、QBackingStore::flush()よりも効率的に動作する場合があります。

painter.begin(window);
painter.draw(...); // 描画処理
painter.end();

QPaintDevice::update()`を使用する

QPaintDevice::update()は、ペイントデバイス内の特定の領域を更新するために使用されます。この関数は、QBackingStore以外にも、QWidgetやQImageなどのペイントデバイスで使用できます。

widget->update(region);

QEventLoop::processEvents()`を使用する

QEventLoop::processEvents()は、イベントループを処理し、ウィンドウを再描画します。この関数は、イベントループがアイドル状態の場合にのみ動作します。

QEventLoop().processEvents();

方法	利点	欠点
QPainter::update()	効率的	特定の領域しか更新できない
QPaintDevice::update()	汎用性が高い	複雑な場合がある
QEventLoop::processEvents()	シンプル	非効率的