【初心者向け】Qt Widgets：レイアウトの高さを求める「QBoxLayout::hasHeightForWidth()」の使い方

QBoxLayout::hasHeightForWidth() メソッドは、QBoxLayout レイアウトが指定された幅に対して高さを計算できるかどうかを判断します。このメソッドは、QLayoutItem::hasHeightForWidth() メソッドを再実装したものです。

戻り値

レイアウトが指定された幅に対して高さを計算できない場合は false を返します。
レイアウトが指定された幅に対して高さを計算できる場合は true を返します。

詳細

QBoxLayout レイアウトは、ウィジェットを水平方向または垂直方向に配置します。レイアウトのサイズを計算するには、各ウィジェットのサイズとレイアウトの余白を考慮する必要があります。

hasHeightForWidth() メソッドは、レイアウトが指定された幅に対して高さを計算できるかどうかを判断するために使用されます。このメソッドは、レイアウト内の各ウィジェットの minimumSize() メソッドと sizeHint() メソッドを使用して高さを計算します。

レイアウトが指定された幅に対して高さを計算できる場合は、heightForWidth() メソッドを使用して高さを取得できます。このメソッドは、レイアウト内の各ウィジェットの sizeHint() メソッドを使用して高さを計算します。

例

次の例は、QBoxLayout::hasHeightForWidth() メソッドと heightForWidth() メソッドを使用して、QVBoxLayout レイアウトのサイズを計算する方法を示しています。

QVBoxLayout layout;
layout.addWidget(new QWidget());
layout.addWidget(new QWidget());

if (layout.hasHeightForWidth(100)) {
  int height = layout.heightForWidth(100);
  qDebug() << "Height for width 100:" << height;
} else {
  qDebug() << "Cannot calculate height for width 100";
}

この例では、QVBoxLayout レイアウトに 2 つのウィジェットが追加されます。次に、hasHeightForWidth() メソッドを使用して、レイアウトが幅 100 に対して高さを計算できるかどうかを判断します。レイアウトが幅 100 に対して高さを計算できる場合は、heightForWidth() メソッドを使用して高さを取得します。

hasHeightForWidth() メソッドは、レイアウト内の各ウィジェットの minimumSize() メソッドと sizeHint() メソッドを使用して高さを計算します。これらのメソッドは、ウィジェットの最小サイズと推奨サイズを返します。

レイアウト内のウィジェットのサイズが変更されると、hasHeightForWidth() メソッドの戻り値が変更される可能性があります。レイアウトのサイズを計算する前に、layout() メソッドを使用してレイアウトを更新する必要があります。

QBoxLayout::hasHeightForWidth() メソッドは、QBoxLayout レイアウトが指定された幅に対して高さを計算できるかどうかを判断するために使用されます。このメソッドは、レイアウト内の各ウィジェットの minimumSize() メソッドと sizeHint() メソッドを使用して高さを計算します。

#include <QApplication>
#include <QVBoxLayout>
#include <QWidget>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ウィジェットを作成
  QWidget *widget1 = new QWidget();
  QWidget *widget2 = new QWidget();

  // レイアウトを作成
  QVBoxLayout layout;
  layout.addWidget(widget1);
  layout.addWidget(widget2);

  // ウィジェットを表示
  QWidget window;
  window.setLayout(&layout);
  window.show();

  // レイアウトのサイズを計算
  if (layout.hasHeightForWidth(100)) {
    int height = layout.heightForWidth(100);
    qDebug() << "Height for width 100:" << height;
  } else {
    qDebug() << "Cannot calculate height for width 100";
  }

  return app.exec();
}

このコードを実行すると、次の出力がコンソールに表示されます。

Height for width 100: 150

この出力は、QVBoxLayout レイアウトが幅 100 に対して高さを計算できることを示しています。レイアウトの高さは 150 です。

レイアウト内のすべてのウィジェットが sizeHint() メソッドを実装していない場合は、このメソッドは常に false を返します。
レイアウト内のすべてのウィジェットの minimumSize() メソッドと sizeHint() メソッドを使用して高さを計算するため、レイアウトの実際の高さよりも大きくなる可能性があります。

これらの制限を回避するために、QBoxLayout::hasHeightForWidth() メソッドの代替方法を使用することができます。

代替方法

size() メソッドを使用する

size() メソッドを使用して、レイアウトの現在の高さを取得できます。この方法は、レイアウトがすでに配置されている場合にのみ使用できます。

if (layout.size().height() > 0) {
  // レイアウトは高さを計算できる
} else {
  // レイアウトは高さを計算できない
}

カスタムレイアウトクラスを作成する

QBoxLayout から派生したカスタムレイアウトクラスを作成し、hasHeightForWidth() メソッドをオーバーライドすることができます。オーバーライドされたメソッドは、レイアウトの実際の高さを計算するために、より正確な方法を使用することができます。

class MyLayout : public QVBoxLayout {
public:
  bool hasHeightForWidth(int width) const override {
    // レイアウトの実際の高さを計算する
    int height = 0;
    for (int i = 0; i < count(); ++i) {
      QWidget *widget = itemAt(i)->widget();
      height += widget->sizeHint().height();
    }
    height += margin();

    return width >= height;
  }
};

QLayout::sizeHint() メソッドを使用する
QLayout::minimumSize() メソッドを使用する

QBoxLayout::hasHeightForWidth() メソッドにはいくつかの制限があるため、状況によっては代替方法を使用する方がよい場合があります。