Qt GUIプログラミング：アクションのデータを駆使して、もっと便利に！QAction::data()の使い方と応用例

Qt GUIにおけるQAction::data()は、アクションに関連付けられたユーザーデータを格納および取得するための関数です。アクションは、メニュー項目、ツールバーボタン、ショートカットキーなどのUI要素と関連付けられるオブジェクトです。

QAction::data()を使用すると、アクションに任意の情報（文字列、数値、オブジェクトなど）を保存し、後でアクセスすることができます。これは、アクションの動作をカスタマイズしたり、アクションと関連付けられたデータを共有したりする際に役立ちます。

使い方

QAction::data()の使い方は次のとおりです。

ユーザーデータを格納する

QAction myAction("My Action");
myAction.setData(QVariant("Hello, World!"));

ユーザーデータを取得する

QVariant data = myAction.data();
QString text = data.toString();
qDebug() << text; // Output: "Hello, World!"

例

次の例では、QAction::data()を使用して、アクションに関連付けられた画像パスを格納および取得する方法を示します。

QAction myAction("My Action");
QIcon icon(":/images/my_image.png");
myAction.setData(QVariant(icon));

QVariant data = myAction.data();
QIcon icon2 = data.value<QIcon>();
qDebug() << icon2.name(); // Output: ":/images/my_image.png"

• QAction::userData()という類似の関数もありますが、こちらは非推奨であり、QAction::data()を使用することを推奨します。
• QAction::setData()とQAction::data()は、スロットとシグナルを使用してアクションのデータ変更を通知することができます。
• QVariant型は、様々なデータ型を格納できる汎用的な型です。

---

#include <QApplication>
#include <QMainWindow>
#include <QAction>
#include <QMenu>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QMainWindow window;
  QMenu *fileMenu = window.menuBar()->addMenu("&File");

  QAction *action1 = new QAction("&Open", &window);
  action1->setData(QVariant("open"));
  fileMenu->addAction(action1);

  QAction *action2 = new QAction("&Save", &window);
  action2->setData(QVariant("save"));
  fileMenu->addAction(action2);

  window.show();

  QObject::connect(action1, &QAction::triggered, []() {
    QString data = action1->data().toString();
    qDebug() << "Action triggered: " << data;
  });

  QObject::connect(action2, &QAction::triggered, []() {
    QString data = action2->data().toString();
    qDebug() << "Action triggered: " << data;
  });

  return app.exec();
}

例2：アクションに画像データを格納および取得する

#include <QApplication>
#include <QMainWindow>
#include <QAction>
#include <QMenu>
#include <QIcon>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QMainWindow window;
  QMenu *fileMenu = window.menuBar()->addMenu("&File");

  QAction *action1 = new QAction("&Open", &window);
  QIcon icon1(":/images/open.png");
  action1->setData(QVariant(icon1));
  fileMenu->addAction(action1);

  QAction *action2 = new QAction("&Save", &window);
  QIcon icon2(":/images/save.png");
  action2->setData(QVariant(icon2));
  fileMenu->addAction(action2);

  window.show();

  QObject::connect(action1, &QAction::triggered, []() {
    QIcon icon = action1->data().value<QIcon>();
    qDebug() << "Action triggered: " << icon.name();
  });

  QObject::connect(action2, &QAction::triggered, []() {
    QIcon icon = action2->data().value<QIcon>();
    qDebug() << "Action triggered: " << icon.name();
  });

  return app.exec();
}

• アクションがトリガーされると、data()メソッドを使用して格納されたデータを取得し、コンソールに出力します。
• 各アクションには、QAction::data()を使用して、テキストデータまたは画像データが格納されています。
• メインウィンドウには、Fileメニューがあり、OpenとSaveという2つのアクションがあります。
• 上記のコードは、Qt Creatorを使用してGUIアプリケーションを作成します。

• 実際のアプリケーションでは、アクションに格納するデータの種類や、データを使用する方法に応じて、コードをカスタマイズする必要があります。
• これらの例は、QAction::data()の基本的な使用方法を示しています。

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プロパティを使用する

アクションには、データの格納に使用できるプロパティがいくつか用意されています。例えば、次のようなプロパティがあります。

• statusTip：アクションのステータスヒントを設定または取得します。
• toolTip：アクションのツールチップを設定または取得します。
• icon：アクションのアイコンを設定または取得します。
• text：アクションのテキストを設定または取得します。

利点

• コードが読みやすくなる
• シンプルで使いやすい

欠点

• 複雑なデータ構造を格納するには適していない
• 格納できるデータの種類が限られている

例

QAction myAction("My Action");
myAction.setText("Hello, World!");

QString text = myAction.text();
qDebug() << text; // Output: "Hello, World!"

ユーザーロールデータを使用する

アクションには、setUserRoleData()とuserRoleData()というメソッドを使用して、ユーザーロールデータを格納および取得することができます。ユーザーロールデータは、アクションに関連付けられた任意のデータを格納するために使用できます。

利点

• 複雑なデータ構造を格納するのに適している
• QVariant型の任意のデータを格納できる

欠点

• QAction::data()よりも冗長

例

QAction myAction("My Action");
QVariant data("Hello, World!");
myAction.setUserRoleData(data);

QVariant retrievedData = myAction.userRoleData();
QString text = retrievedData.toString();
qDebug() << text; // Output: "Hello, World!"

カスタムデータ型を使用する

アクションに関連付けられたデータを格納するために、独自のカスタムデータ型を作成することもできます。これにより、アクションに格納するデータに対してよりきめ細かい制御を行うことができます。

利点

• 型安全性を確保できる
• アクションに格納するデータに対して完全な制御が可能

欠点

• 保守が難しくなる
• コードが複雑になる

struct MyData {
  QString text;
  QIcon icon;
};

QAction myAction("My Action");
MyData data;
data.text = "Hello, World!";
data.icon = QIcon(":/images/my_image.png");
myAction.setData(QVariant(data));

MyData retrievedData = myAction.data().value<MyData>();
qDebug() << retrievedData.text; // Output: "Hello, World!"
qDebug() << retrievedData.icon.name(); // Output: ":/images/my_image.png"