Qt GUIプログラミングの必須テクニック：QAbstractFileIconProvider::setOptions()でファイルアイコンの表示をカスタマイズする方法

QAbstractFileIconProvider::setOptions()関数は、ファイルアイコンプロバイダの動作を制御するためのオプションを設定します。この関数は、ファイルアイコンの表示方法やサイズ、キャッシュポリシーなどを調整するために使用されます。

オプション

QAbstractFileIconProvider::setOptions()関数で使用できるオプションは以下の通りです。

• Show隠しファイル
  隠しファイルのアイコンを表示します。デフォルト値はfalseです。
• ProvideSizes
  アイコンのサイズ情報を提供します。デフォルト値はfalseです。
• UseThemeIcons
  システムのアイコンテーマからアイコンを取得します。デフォルト値はtrueです。
• NeverCache
  アイコンをキャッシュせず、常に再生成します。
• FilesizeThreshold
  指定されたファイルサイズ以下のファイルに対して、低解像度のアイコンを使用します。デフォルト値は4096バイトです。

例

QAbstractFileIconProvider provider;
provider.setOptions(QAbstractFileIconProvider::FilesizeThreshold | QAbstractFileIconProvider::ProvideSizes);

この例では、FilesizeThresholdオプションを使用して、4096バイト以下のファイルに対して低解像度のアイコンを使用するように設定しています。また、ProvideSizesオプションを使用して、アイコンのサイズ情報を提供するように設定しています。

• オプションを変更すると、既存のキャッシュされたアイコンは無効になります。
• QAbstractFileIconProvider::setOptions()関数は、ファイルアイコンプロバイダが作成された後にのみ呼び出すことができます。

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ファイルサイズによるアイコンの低解像度化

#include <QAbstractFileIconProvider>
#include <QDir>

int main() {
  // ファイルアイコンプロバイダを作成
  QAbstractFileIconProvider provider;

  // 4096バイト以下のファイルに対して低解像度のアイコンを使用するように設定
  provider.setOptions(QAbstractFileIconProvider::FilesizeThreshold);

  // カレントディレクトリのアイコンを取得
  QDir dir(".");
  QVector<QFileInfo> fileInfos = dir.entryInfoList();

  // 各ファイルのアイコンを表示
  for (const QFileInfo& fileInfo : fileInfos) {
    QIcon icon = provider.icon(fileInfo);
    qDebug() << fileInfo.fileName() << icon;
  }

  return 0;
}

アイコンサイズの取得

#include <QAbstractFileIconProvider>
#include <QDir>

int main() {
  // ファイルアイコンプロバイダを作成
  QAbstractFileIconProvider provider;

  // アイコンのサイズ情報を提供するように設定
  provider.setOptions(QAbstractFileIconProvider::ProvideSizes);

  // カレントディレクトリのアイコンを取得
  QDir dir(".");
  QVector<QFileInfo> fileInfos = dir.entryInfoList();

  // 各ファイルのアイコンとサイズを表示
  for (const QFileInfo& fileInfo : fileInfos) {
    QIcon icon = provider.icon(fileInfo);
    QSize size = icon.size();
    qDebug() << fileInfo.fileName() << icon << size;
  }

  return 0;
}

このコードは、カレントディレクトリ内のすべてのファイルのアイコンを取得し、各アイコンのサイズを表示します。

システムアイコンテーマの使用

#include <QAbstractFileIconProvider>
#include <QDir>

int main() {
  // ファイルアイコンプロバイダを作成
  QAbstractFileIconProvider provider;

  // システムのアイコンテーマからアイコンを取得するように設定
  provider.setOptions(QAbstractFileIconProvider::UseThemeIcons);

  // カレントディレクトリのアイコンを取得
  QDir dir(".");
  QVector<QFileInfo> fileInfos = dir.entryInfoList();

  // 各ファイルのアイコンを表示
  for (const QFileInfo& fileInfo : fileInfos) {
    QIcon icon = provider.icon(fileInfo);
    qDebug() << fileInfo.fileName() << icon;
  }

  return 0;
}

このコードは、カレントディレクトリ内のすべてのファイルのアイコンを取得し、システムのアイコンテーマからアイコンを取得します。

#include <QAbstractFileIconProvider>
#include <QDir>

int main() {
  // ファイルアイコンプロバイダを作成
  QAbstractFileIconProvider provider;

  // 隠しファイルのアイコンを表示するように設定
  provider.setOptions(QAbstractFileIconProvider::Show隠しファイル);

  // カレントディレクトリのアイコンを取得
  QDir dir(".");
  QVector<QFileInfo> fileInfos = dir.entryInfoList(QDir::Files | QDir::Hidden);

  // 各ファイルのアイコンを表示
  for (const QFileInfo& fileInfo : fileInfos) {
    QIcon icon = provider.icon(fileInfo);
    qDebug() << fileInfo.fileName() << icon;
  }

  return 0;
}

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サブクラス化

QAbstractFileIconProvider クラスをサブクラス化し、icon() 関数をオーバーライドして、独自のアイコン取得ロジックを実装することができます。これは、高度なカスタマイズが必要な場合に役立ちます。

例

class MyFileIconProvider : public QAbstractFileIconProvider {
public:
  QIcon icon(const QFileInfo& fileInfo) const override {
    // 独自のアイコン取得ロジックを実装
    ...
  }
};

QStandardPaths::standardIcon()` 関数の使用

特定のファイルタイプに対して標準アイコンを取得するには、QStandardPaths::standardIcon() 関数を使用することができます。

例

QIcon icon = QStandardPaths::standardIcon(QStandardPaths::HomeIcon);

QIcon::fromTheme()` 関数の使用

テーマアイコンを取得するには、QIcon::fromTheme() 関数を使用することができます。

例

QIcon icon = QIcon::fromTheme("document");

QPixmap::fromFile()` 関数の使用

ファイルからピクセルマップを取得するには、QPixmap::fromFile() 関数を使用することができます。その後、QIcon コンストラクタを使用して、ピクセルマップからアイコンを作成することができます。

例

QPixmap pixmap("myfile.png");
QIcon icon(pixmap);

QPainter::drawPixmap()` 関数の使用

ウィジェットに直接アイコンを描画するには、QPainter::drawPixmap() 関数を使用することができます。

例

QPainter painter(&widget);
painter.drawPixmap(0, 0, icon);

最適な方法の選択

使用する方法は、要件によって異なります。

• ウィジェットに直接アイコンを描画する必要がある場合は、QPainter::drawPixmap() 関数が最適な方法です。
• ファイルからピクセルマップを取得する必要がある場合は、QPixmap::fromFile() 関数が最適な方法です。
• テーマアイコンを取得する必要がある場合は、QIcon::fromTheme() 関数が最適な方法です。
• 特定のファイルタイプに対して標準アイコンを取得する必要がある場合は、QStandardPaths::standardIcon() 関数が最適な方法です。
• 高度なカスタマイズが必要な場合は、サブクラス化が最適な方法です。

• これらの代替方法は、すべて QAbstractFileIconProvider::setOptions() 関数よりもパフォーマンスが低くなる可能性があります。