【保存版】Qt Widgetsアイコンサイズ変更テクニック:QAbstractItemView::iconSizeを超えた高度な方法
デフォルト値
QAbstractItemView::iconSize
のデフォルト値は、プラットフォームとスタイルによって異なります。一般的には、フォントのサイズに基づいて自動的に計算されます。
アイコンサイズの変更
QAbstractItemView::iconSize
プロパティを設定することで、アイテムビューに表示されるアイコンのサイズを自由に調整できます。アイコンを大きくすると、視覚的に分かりやすくなりますが、表示スペースも大きくなります。逆に、アイコンを小さくすると、表示スペースを節約できますが、視覚的に分かりにくくなります。
アイコンサイズの例
以下の例は、QAbstractItemView::iconSize
プロパティを使用して、アイコンサイズを 32x32 ピクセルに設定する方法を示しています。
QAbstractItemView* itemView = new QTreeView(this);
itemView->iconSize() = QSize(32, 32);
注意事項
- アイコンのサイズは、プラットフォームとスタイルによって異なる場合があります。
- アイコンのサイズが大きすぎると、アイテムビューのレイアウトが崩れる可能性があります。
QAbstractItemView::iconSize
プロパティは、すべてのアイテムに適用されます。個々のアイテムのアイコンサイズを変更するには、QStandardItem::setIconSize()
メソッドを使用する必要があります。
QAbstractItemView::iconSize
プロパティは、Qt Widgets モジュールの QAbstractItemView
クラスにのみ適用されます。Qt Charts モジュールの QChartView
クラスなどの他のアイテムビュークラスには、独自のアイコンサイズプロパティがある場合があります。
#include <QCoreApplication>
#include <QFileSystemModel>
#include <QTreeView>
int main(int argc, char *argv[]) {
QCoreApplication app(argc, argv);
// ファイルシステムモデルを作成
QFileSystemModel model;
model.setRootPath("/");
// ツリービューを作成
QTreeView treeView;
treeView.setModel(&model);
// アイコンサイズを 32x32 ピクセルに設定
treeView.iconSize() = QSize(32, 32);
// ツリービューを表示
treeView.show();
return app.exec();
}
このコードを実行すると、次のようになります。
ファイルとフォルダは、それぞれアイコン付きで表示されます。アイコンサイズは 32x32 ピクセルに設定されているため、アイコンは比較的大きく表示されます。
説明
このコードは以下のステップで動作します。
QCoreApplication
オブジェクトを作成します。QFileSystemModel
オブジェクトを作成し、ルートディレクトリをルートパスとして設定します。QTreeView
オブジェクトを作成し、QFileSystemModel
オブジェクトをモデルとして設定します。QAbstractItemView::iconSize
プロパティをQSize(32, 32)
に設定して、アイコンサイズを 32x32 ピクセルに設定します。QTreeView
オブジェクトを表示します。
カスタマイズ
このコードを自由にカスタマイズして、ニーズに合わせることができます。たとえば、次のことができます。
- アイテムをドラッグしてドロップできるようにする
- ツリービューのヘッダーを表示する
- 特定のファイルタイプのアイコンを変更する
- 異なるアイコンサイズを設定する
- アイコンのサイズが大きすぎると、アイテムビューのレイアウトが崩れる可能性があります。
- プラットフォームとスタイルによってアイコンのサイズが異なる場合があります。
- すべてのアイテムに同じサイズのアイコンを適用する必要があります。
これらの制限を克服するために、QAbstractItemView::iconSize
プロパティの代替方法をいくつか検討することができます。
QStandardItem::setIconSize() メソッド
個々のアイテムのアイコンサイズを変更するには、QStandardItem::setIconSize()
メソッドを使用することができます。このメソッドは、QStandardItem
オブジェクトと、アイコンの幅と高さをピクセル単位で指定する QSize
オブジェクトを引数として受け取ります。
QStandardItem* item = new QStandardItem("Item");
item->setIconSize(QSize(32, 32));
このコードは、"Item" というテキストと 32x32 ピクセルのアイコンを持つ新しい QStandardItem
オブジェクトを作成します。
カスタムデリゲートの使用
より柔軟なアプローチとして、カスタムデリゲートを使用することができます。カスタムデリゲートは、アイテムビュー内のアイテムの表示を制御するために使用されるクラスです。カスタムデリゲートを作成することで、個々のアイテムのアイコンサイズを自由に設定することができます。
カスタムデリゲートを作成するには、まず QItemDelegate
クラスを継承する新しいクラスを作成する必要があります。次に、paint()
メソッドをオーバーライドして、アイテムのアイコンを描画する方法を定義する必要があります。
class MyDelegate : public QItemDelegate {
public:
void paint(QPainter *painter, const QStyleOptionViewItem &option, const QModelIndex &index) const override {
QIcon icon = index.data(Qt::DecorationRole).value<QIcon>();
painter->drawPixmap(option.rect, icon.pixmap(option.iconSize));
}
};
このコードは、MyDelegate
という名前のカスタムデリゲートクラスを作成します。このデリゲートは、paint()
メソッドをオーバーライドして、アイテムのアイコンを QPainter
オブジェクトを使用して描画します。
カスタムデリゲートを作成したら、QAbstractItemView::setItemDelegate()
メソッドを使用して、アイテムビューに設定する必要があります。
QTreeView treeView;
MyDelegate* delegate = new MyDelegate;
treeView.setItemDelegate(delegate);
このコードは、MyDelegate
デリゲートを QTreeView
オブジェクトに設定します。これにより、ツリービュー内のすべてのアイテムのアイコンがカスタムデリゲートを使用して描画されます。
QStyledItemDelegate のサブクラスの使用
QStyledItemDelegate
は、QItemDelegate
のサブクラスであり、スタイルシートを使用してアイテムの表示を制御することができます。スタイルシートを使用して、個々のアイテムのアイコンサイズを定義することができます。
QTreeView {
item {
icon-size: 32px 32px;
}
}
このスタイルシートは、QTreeView
内のすべてのアイテムのアイコンサイズを 32x32 ピクセルに設定します。
QAbstractItemView::iconSize
プロパティは、アイテムビューに表示されるアイコンのサイズを簡単に設定できる便利な方法ですが、いくつかの制限があります。これらの制限を克服するために、QStandardItem::setIconSize()
メソッド、カスタムデリゲート、QStyledItemDelegate
のサブクラスなどの代替方法を検討することができます。