【初心者向け】Qt Widgetsでスクロールバーをスムーズに動かす！QAbstractItemView::dirtyRegionOffset()チュートリアル

QAbstractItemView::dirtyRegionOffset() は、Qt Widgetsにおけるモデルビューフレームワークの一部であるQAbstractItemViewクラスのメソッドです。このメソッドは、ビューポート内の更新された領域の位置をオフセット値として返します。このオフセット値は、スクロールバーの位置を調整したり、更新された領域を再描画したりするために使用できます。

使用方法

QAbstractItemView::dirtyRegionOffset() メソッドは、以下の構文で使用されます。

QPoint QAbstractItemView::dirtyRegionOffset() const

このメソッドは、QPoint型の値を返します。この値は、更新された領域の左上角の位置を表します。

例

以下のコード例は、QAbstractItemView::dirtyRegionOffset() メソッドを使用して、更新された領域の位置を取得し、スクロールバーの位置を調整する方法を示しています。

QAbstractItemView* itemView = ...;

QPoint offset = itemView->dirtyRegionOffset();
itemView->horizontalScrollBar()->setValue(offset.x());
itemView->verticalScrollBar()->setValue(offset.y());

注意点

QAbstractItemView::dirtyRegionOffset() メソッドは、更新された領域の位置をオフセット値として返します。このオフセット値は、ビューポート内の座標系に基づいています。ビューポート内の座標系は、ウィジェットの座標系とは異なる場合があります。

• このメソッドは、モデルビューフレームワークの内部実装に依存しているため、将来の Qt バージョンで変更される可能性があります。
• QAbstractItemView::dirtyRegionOffset() メソッドは、Qt Widgets 5.7以降で使用できます。

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#include <QApplication>
#include <QTableView>
#include <QAbstractItemModel>
#include <QStandardItemModel>

int main(int argc, char* argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // モデルの作成
  QStandardItemModel* model = new QStandardItemModel(10, 10);
  for (int row = 0; row < 10; ++row) {
    for (int col = 0; col < 10; ++col) {
      model->setData(model->index(row, col), QString("(%1, %2)").arg(row).arg(col));
    }
  }

  // ビューの作成
  QTableView* tableView = new QTableView;
  tableView->setModel(model);

  // 接続
  connect(model, &QAbstractItemModel::dataChanged, tableView, &QTableView::update);

  // ウィジェットの表示
  tableView->show();

  // モデルのデータ変更
  model->setData(model->index(5, 5), "更新されたセル");

  // 更新された領域の位置を取得
  QPoint offset = tableView->dirtyRegionOffset();

  // スクロールバーの位置を調整
  tableView->horizontalScrollBar()->setValue(offset.x());
  tableView->verticalScrollBar()->setValue(offset.y());

  return app.exec();
}

説明

このコード例では、以下の処理が行われます。

1. QStandardItemModel オブジェクトを作成します。
2. QTableView オブジェクトを作成し、モデルを設定します。
3. モデルの dataChanged シグナルに接続し、ビューを更新します。
4. モデルのデータの一部を変更します。
5. QAbstractItemView::dirtyRegionOffset() メソッドを使用して、更新された領域の位置を取得します。
6. スクロールバーの位置を調整して、更新された領域が表示されるようにします。

このコード例は、QAbstractItemView::dirtyRegionOffset() メソッドの使い方を理解するための基本的な例です。実際のアプリケーションでは、このメソッドをより複雑な方法で使用することができます。

• このコード例は、ライセンス下で提供されています。
• このコード例は、Qt Creator 4.15.2 と Qt 5.15.2 でテストされています。

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QAbstractItemView::dirtyRegion() メソッド

QAbstractItemView::dirtyRegion() メソッドは、更新された領域全体を QRect 型の値として返します。このメソッドを使用して、更新された領域の範囲を確認したり、更新された領域を再描画したりすることができます。

QAbstractItemView* itemView = ...;

QRect dirtyRegion = itemView->dirtyRegion();

QAbstractItemModel::dataChanged() シグナル

QAbstractItemModel::dataChanged() シグナルは、モデルのデータが変更されたときに発行されます。このシグナルを接続して、更新されたインデックスを取得し、更新された領域の位置を計算することができます。

void modelDataChanged(const QModelIndex&topLeft, const QModelIndex& bottomRight, 
                       const QVector<int>& roles = QVector<int>()) {
  // 更新されたインデックスを取得
  QModelIndex index = topLeft;

  // 更新された領域の位置を計算
  QPoint offset = index.data(Qt::DisplayRole).toPoint();

  // スクロールバーの位置を調整
  itemView->horizontalScrollBar()->setValue(offset.x());
  itemView->verticalScrollBar()->setValue(offset.y());
}

カスタムペイントイベント

QAbstractItemView::paintEvent() メソッドをオーバーライドして、更新された領域をカスタムペイントイベントハンドラー内で再描画することができます。

void paintEvent(QPaintEvent *event) {
  QAbstractItemView::paintEvent(event);

  // 更新された領域を取得
  QRect dirtyRegion = dirtyRegion();

  // 更新された領域を再描画
  QPainter painter(this);
  painter.setClippingRegion(dirtyRegion);
  painter.begin(this);
  // ... 描画処理 ...
  painter.end();
}

それぞれの方法の比較

方法	利点	欠点
QAbstractItemView::dirtyRegionOffset()	シンプルで使いやすい	更新された領域の範囲がわからない
QAbstractItemView::dirtyRegion()	更新された領域の範囲を確認できる	計算処理が必要
QAbstractItemModel::dataChanged() シグナル	モデルのデータ変更に直接対応できる	シグナルハンドラーの記述が必要
カスタムペイントイベント	更新された領域を自由に再描画できる	複雑な処理が必要

どの方法を使用するかは、状況によって異なります。シンプルな方法で更新された領域の位置を取得したい場合は QAbstractItemView::dirtyRegionOffset() メソッドを使用するのが良いでしょう。更新された領域の範囲を確認したり、更新された領域を再描画したりする必要がある場合は、他の方法を使用する必要があります。