ドラッグ機能は俺が支配する!Qt Widgets: QAbstractItemView::dragEnabledで簡単カスタマイズ
QAbstractItemView::dragEnabled
は、Qt Widgetsにおける QAbstractItemView
クラスのメソッドで、アイテムビューにおけるドラッグ機能の有効化/無効化を制御します。このメソッドは、ユーザーがアイテムをドラッグして別の場所へ移動したり、コピーしたりできるかどうかを決定します。
使用方法
bool dragEnabled() const;
void setDragEnabled(bool enabled);
setDragEnabled(bool enabled)
メソッドは、ドラッグ機能を有効 (true
) または無効 (false
) に設定します。dragEnabled()
メソッドは、現在のドラッグ機能の状態を取得します。
例
QTreeView *view = new QTreeView(this);
view->setModel(model);
// ドラッグ機能を有効にする
view->setDragEnabled(true);
この例では、QTreeView
ウィジェットに対して setDragEnabled(true)
を呼び出すことで、ユーザーがアイテムをドラッグして別の場所へ移動したり、コピーしたりできるようにしています。
ドラッグドロップモード
QAbstractItemView
には、ドラッグドロップの動作を制御する dragDropMode
プロパティもあります。このプロパティには以下の値を設定できます。
InternalMoveAndCopy
: アイテムをビュー内でのみ移動したり、コピーして別の場所に移動したりできます。SingleCopy
: アイテムをコピーして別の場所に移動できます。InternalMove
: アイテムをビュー内でのみ移動できます。NoDragDrop
: ドラッグドロップを無効にします。
view->setDragDropMode(QAbstractItemView::InternalMoveAndCopy);
この例では、setDragDropMode(QAbstractItemView::InternalMoveAndCopy)
を呼び出すことで、ユーザーがアイテムをビュー内でのみ移動したり、コピーして別の場所に移動したりできるようにしています。
- ドラッグドロップの動作は、
QMimeData
クラスを使用してデータ転送を行うことでカスタマイズできます。 - ドラッグドロップを実装するには、
QAbstractItemView
のdragMoveEvent()
やdropEvent()
などのイベントハンドラを処理する必要があります。
#include <QApplication>
#include <QTreeView>
#include <QStandardItemModel>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// モデルの作成
QStandardItemModel *model = new QStandardItemModel();
model->setColumnCount(1);
model->insertRows(0, 10);
for (int i = 0; i < 10; ++i) {
QStandardItem *item = new QStandardItem(QString("Item %1").arg(i));
model->setItem(i, 0, item);
}
// ツリービューの作成
QTreeView *view = new QTreeView();
view->setModel(model);
// ドラッグ機能を有効にする
view->setDragEnabled(true);
// ビューの表示
view->show();
return app.exec();
}
このコードを実行すると、以下のようなツリービューが表示されます。
ユーザーは、アイテムをドラッグして別の場所に移動することができます。
QStandardItemModel
オブジェクトを作成し、10 個のアイテムを追加します。QTreeView
オブジェクトを作成し、モデルを設定します。setDragEnabled(true)
を呼び出すことで、ドラッグ機能を有効にします。show()
を呼び出すことで、ビューを表示します。
- ドラッグドロップの動作は、
QMimeData
クラスを使用してデータ転送を行うことでカスタマイズできます。 - このコードは、ドラッグドロップのイベントハンドラを処理していません。アイテムをドラッグして別の場所に移動するには、
dragMoveEvent()
やdropEvent()
などのイベントハンドラを処理する必要があります。
ドラッグドロップモードの設定
QAbstractItemView::dragDropMode
プロパティを使用して、ドラッグドロップの動作を制御することができます。このプロパティには以下の値を設定できます。
InternalMoveAndCopy
: アイテムをビュー内でのみ移動したり、コピーして別の場所に移動したりできます。SingleCopy
: アイテムをコピーして別の場所に移動できます。InternalMove
: アイテムをビュー内でのみ移動できます。NoDragDrop
: ドラッグドロップを無効にします。
view->setDragDropMode(QAbstractItemView::InternalMove);
この例では、setDragDropMode(QAbstractItemView::InternalMove)
を呼び出すことで、ユーザーがアイテムをビュー内でのみ移動できるようにしています。
利点
- ドラッグ機能を完全に無効にする必要がなく、より柔軟な制御が可能になります。
欠点
dragEnabled
メソッドよりも詳細な制御ができない場合があります。
ドラッグイベントハンドラの処理
dragMoveEvent()
や dropEvent()
などのドラッグイベントハンドラを処理することで、ドラッグドロップの動作を完全に制御することができます。
void dragMoveEvent(QDragMoveEvent *event) {
if (event->mimeData()->hasFormat("application/x-qabstractitem")) {
event->acceptProposedAction();
} else {
event->ignore();
}
}
void dropEvent(QDropEvent *event) {
if (event->mimeData()->hasFormat("application/x-qabstractitem")) {
QModelIndex index = view->indexAt(event->pos());
if (index.isValid()) {
event->acceptProposedAction();
// アイテムを移動またはコピーする処理
}
} else {
event->ignore();
}
}
この例では、dragMoveEvent()
ハンドラで、ドラッグされたデータがアイテムデータかどうかを確認し、dropEvent()
ハンドラで、アイテムデータをドロップされた場所に挿入する処理を行っています。
利点
- ドラッグドロップの動作を完全に制御することができます。
欠点
dragEnabled
メソッドよりも複雑なコードが必要になります。
カスタムアイテムデリゲートの使用
カスタムアイテムデリゲートを使用することで、アイテムのドラッグ動作を個別に制御することができます。
class MyItemDelegate : public QItemDelegate {
public:
void mousePressEvent(QMouseEvent *event) override {
if (event->button() == Qt::LeftButton) {
QDrag *drag = new QDrag(view);
QMimeData *mimeData = new QMimeData;
mimeData->setData("application/x-qabstractitem", model->indexFromItem(item)->data());
drag->setMimeData(mimeData);
drag->exec(Qt::CopyAction | Qt::MoveAction);
}
}
};
この例では、MyItemDelegate
クラスを作成し、mousePressEvent()
ハンドラで、ドラッグを開始する処理を行っています。
利点
- アイテムごとにドラッグ動作を個別に制御することができます。
- カスタムアイテムデリゲートを作成する必要があります。