Qt WidgetsにおけるQAbstractItemView::selectionCommand()の解説とサンプルコード


QAbstractItemView::selectionCommand()は、Qt Widgetsにおける選択コマンドを取得するためのメソッドです。選択コマンドは、選択されたアイテムに対して実行されるアクションを定義します。このメソッドは、QAbstractItemViewクラスとその派生クラスで使用できます。

使用方法

QAbstractItemView::selectionCommand()を使用するには、以下の手順に従います。

  1. QAbstractItemViewオブジェクトへのポインタを取得します。
  2. selectionCommand()メソッドを呼び出し、選択コマンドを取得します。
  3. 取得したコマンドを使用して、選択されたアイテムに対してアクションを実行します。

以下のコードは、QTableViewで選択されたアイテムを削除する方法を示しています。

QTableView* tableView = ...;

QAbstractItemView::SelectionCommand command = tableView->selectionCommand();

if (command == QAbstractItemView::Select) {
  QModelIndexList indexes = tableView->selectionModel()->selectedIndexes();
  for (const QModelIndex& index : indexes) {
    tableView->model()->removeRow(index.row());
  }
}

詳細

QAbstractItemView::selectionCommand()は、以下の選択コマンドを返すことができます。

  • QAbstractItemView::NoSelection: 選択されたアイテムはありません。
  • QAbstractItemView::Deselect: 選択されたアイテムの選択を解除します。
  • QAbstractItemView::Select: 選択されたアイテムに対してアクションを実行します。

選択コマンドは、QAbstractItemView::setSelectionCommand()メソッドを使用して設定することもできます。

  • 選択されたアイテムに対して実行するアクションをカスタマイズするには、QAbstractItemView::selectionChanged()シグナルを接続する必要があります。
  • QAbstractItemView::selectionCommand()は、選択されたアイテムに対してどのようなアクションを実行するかを決定するために使用されます。
  • Qt Widgetsは、C++で記述されたGUIライブラリです。
  • この説明は、Qt Widgets 6.xを対象としています。古いバージョンでは、機能やAPIが異なる場合があります。


コード

#include <QApplication>
#include <QTableView>
#include <QStandardItemModel>

int main(int argc, char* argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // モデルの作成
  QStandardItemModel* model = new QStandardItemModel(10, 5);
  for (int row = 0; row < 10; ++row) {
    for (int col = 0; col < 5; ++col) {
      model->setItem(row, col, new QStandardItem(QString("Row %1, Col %2").arg(row).arg(col)));
    }
  }

  // テーブルビューの作成
  QTableView* tableView = new QTableView;
  tableView->setModel(model);

  // 選択コマンドの設定
  tableView->setSelectionCommand(QAbstractItemView::Select);

  // シグナルとスロットの接続
  QObject::connect(tableView, &QTableView::selectionChanged, tableView, &QTableView::onSelectionChanged);

  // ウィンドウの表示
  tableView->show();

  return app.exec();
}

void QTableView::onSelectionChanged(const QModelIndexList& indexes) {
  // 選択されたアイテムに対してアクションを実行する
  for (const QModelIndex& index : indexes) {
    model()->removeRow(index.row());
  }
}

説明

このコードは以下の手順を実行します。

  1. QStandardItemModelオブジェクトを作成し、10行5列のデータで初期化します。
  2. QTableViewオブジェクトを作成し、作成したモデルを設定します。
  3. setSelectionCommand()メソッドを使用して、選択コマンドをQAbstractItemView::Selectに設定します。
  4. selectionChanged()シグナルをonSelectionChanged()スロットに接続します。
  5. show()メソッドを使用して、テーブルビューを表示します。

onSelectionChanged()スロットは、選択されたアイテムに対してアクションを実行します。この例では、選択された行をモデルから削除しています。

実行方法

このコードを実行するには、以下の手順に従います。

  1. Qt Creatorなどの統合開発環境 (IDE) で新しいプロジェクトを作成します。
  2. 上記のコードをメインソースファイルに追加します。
  3. プロジェクトをビルドして実行します。
  • このコードは、選択されたアイテムを削除する例です。他のアクションを実行するには、onSelectionChanged()スロットをカスタマイズする必要があります。
  • このコードは、Qt Widgets 6.xを対象としています。古いバージョンでは、機能やAPIが異なる場合があります。


QAbstractItemView::selectionCommand()は、Qt Widgetsにおける選択コマンドを取得するためのメソッドですが、いくつかの代替方法があります。

代替方法

  1. QModelIndexList::at()を使用する

QModelIndexList::at()を使用して、選択されたアイテムのインデックスを取得し、そのインデックスからアイテムの状態を確認することができます。

QModelIndexList indexes = tableView->selectionModel()->selectedIndexes();
for (const QModelIndex& index : indexes) {
  if (index.isValid()) {
    QVariant data = model()->data(index);
    // dataの状態を確認して、アクションを実行する
  }
}
  1. QModelIndex::data()を使用する

QModelIndex::data()を使用して、選択されたアイテムのデータを取得し、そのデータからアイテムの状態を確認することができます。

QModelIndexList indexes = tableView->selectionModel()->selectedIndexes();
for (const QModelIndex& index : indexes) {
  if (index.isValid()) {
    QVariant data = model()->data(index);
    // dataの状態を確認して、アクションを実行する
  }
}
  1. QAbstractItemView::selectionChanged()シグナルを接続する

QAbstractItemView::selectionChanged()シグナルを接続し、シグナルハンドラの中で選択されたアイテムに対してアクションを実行することができます。

QObject::connect(tableView, &QTableView::selectionChanged, this, &MyClass::onSelectionChanged);
void MyClass::onSelectionChanged(const QModelIndexList& indexes) {
  // 選択されたアイテムに対してアクションを実行する
}

それぞれの方法の比較

方法利点欠点
QModelIndexList::at()シンプルアイテムの状態を直接確認できない
QModelIndex::data()アイテムの状態を直接確認できる複雑
QAbstractItemView::selectionChanged()シグナル柔軟性が高い毎回シグナルハンドラが呼び出される

最適な方法

最適な方法は、状況によって異なります。

  • 柔軟性が高い方法が必要な場合は、QAbstractItemView::selectionChanged()シグナルを使用します。
  • アイテムの状態を直接確認する必要がある場合は、QModelIndex::data()を使用します。
  • シンプルでわかりやすい方法が必要な場合は、QModelIndexList::at()を使用します。
  • それぞれの方法の詳細は、Qtドキュメントを参照してください。
  • これらの代替方法は、QAbstractItemView::selectionCommand()よりも柔軟性が高い場合があります。