Qt GUIにおけるテキスト編集の取り消し/やり直し：QUndoGroup::redoTextChanged()と代替方法の比較

QUndoGroup::redoTextChanged()関数は、Qt GUIアプリケーションにおいて、取り消し/やり直し機能を実装する際に使用されるものです。この関数は、現在のアクティブなスタックにおいてやり直せるテキストの状態を文字列として返します。

詳細

やり直せるテキスト: テキスト編集コントロールなどのウィジェットにおいて、ユーザーが操作を取り消した後、やり直せる状態のテキストのことを指します。redoTextChanged()関数は、このやり直せるテキストの状態を文字列として返します。
アクティブなスタック: QUndoGroupクラスは、複数のQUndoStackオブジェクトを管理することができます。これらのスタックは、それぞれ独立した取り消し/やり直し履歴を保持します。redoTextChanged()関数は、現在設定されているアクティブなスタックのみに適用されます。

使い方

QUndoGroup::redoTextChanged()関数は、以下のコードのように使用できます。

QUndoGroup group;
QUndoStack* stack = new QUndoStack(&group);
group.setActiveStack(stack);

// テキスト編集コントロールにテキストを入力する
QLineEdit* edit = new QLineEdit;
edit->setText("Hello, world!");

// テキストを編集する
edit->setText("Goodbye, world!");

// テキスト編集を元に戻す
stack->undo();

// redoTextChanged()を使用して、やり直せるテキストを取得する
QString redoText = group.redoTextChanged();

// redoTextの内容を確認する
qDebug() << redoText; // 出力: "Hello, world!"

redoTextChanged()関数は、Qt GUI 6.0以降で使用できます。
redoTextChanged()関数は、読み取り専用の関数です。この関数を用いて、やり直せるテキストの状態を変更することはできません。
redoTextChanged()関数は、アクティブなスタックにやり直せるテキストが存在する場合のみ、有効な値を返します。アクティブなスタックにやり直せるテキストが存在しない場合は、空文字列を返します。

#include <QApplication>
#include <QLineEdit>
#include <QUndoGroup>
#include <QUndoStack>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    // QUndoGroupオブジェクトを作成する
    QUndoGroup group;

    // QUndoStackオブジェクトを作成し、QUndoGroupに追加する
    QUndoStack* stack = new QUndoStack(&group);
    group.setActiveStack(stack);

    // テキスト編集コントロールを作成する
    QLineEdit* edit = new QLineEdit;
    edit->setText("Hello, world!");

    // テキストを編集する
    edit->setText("Goodbye, world!");

    // テキスト編集を元に戻す
    stack->undo();

    // redoTextChanged()を使用して、やり直せるテキストを取得する
    QString redoText = group.redoTextChanged();

    // redoTextの内容を確認する
    qDebug() << redoText; // 出力: "Hello, world!"

    // テキスト編集をやり直す
    stack->redo();

    // テキスト編集をもう一度元に戻す
    stack->undo();

    // redoTextChanged()を使用して、やり直せるテキストを取得する
    redoText = group.redoTextChanged();

    // redoTextの内容を確認する
    qDebug() << redoText; // 出力: "Goodbye, world!"

    return app.exec();
}

このコードの説明

QApplicationオブジェクトを作成し、Qtアプリケーションを初期化します。
QUndoGroupオブジェクトを作成し、取り消し/やり直しグループを作成します。
QUndoStackオブジェクトを作成し、QUndoGroupに追加します。このスタックは、取り消し/やり直し履歴を保持します。
QUndoGroupのsetActiveStack()関数を使用して、現在のアクティブなスタックを設定します。
QLineEditオブジェクトを作成し、テキスト編集コントロールを作成します。
テキスト編集コントロールにテキストを設定します。
テキスト編集コントロールのテキストを編集します。
QUndoStackのundo()関数を使用して、テキスト編集を元に戻します。
QUndoGroupのredoTextChanged()関数を使用して、やり直せるテキストを取得します。
取得したテキストの内容をコンソールに出力します。
QUndoStackのredo()関数を使用して、テキスト編集をやり直します。
QUndoStackのundo()関数を使用して、テキスト編集をもう一度元に戻します。
QUndoGroupのredoTextChanged()関数を使用して、やり直せるテキストを取得します。
取得したテキストの内容をコンソールに出力します。

QUndoStackのundo()とredo()関数を使用して、テキスト編集を元に戻したりやり直したりしています。
QUndoGroupのredoTextChanged()関数を使用して、やり直せるテキストを取得しています。
QUndoGroup、QUndoStack、QLineEditなどのQtクラスを使用して、取り消し/やり直し機能を実装しています。

代替方法

QUndoGroup::redoTextChanged() 関数の代替方法として、以下の方法が考えられます。

QUndoStack::redoText() 関数を使用する

QUndoStack クラスには、redoText() 関数という類似の関数があります。この関数は、現在のQUndoStack オブジェクトにおけるやり直せるテキストの状態を文字列として返します。

// テキスト編集コントロールにテキストを入力する
QLineEdit* edit = new QLineEdit;
edit->setText("Hello, world!");

// テキストを編集する
edit->setText("Goodbye, world!");

// テキスト編集を元に戻す
stack->undo();

// redoText()を使用して、やり直せるテキストを取得する
QString redoText = stack->redoText();

// redoTextの内容を確認する
qDebug() << redoText; // 出力: "Hello, world!"

QUndoCommand クラスを使用する

QUndoCommand クラスは、取り消し/やり直し操作を表すオブジェクトです。QUndoCommand オブジェクトには、redo() メソッドというメソッドがあり、このメソッドを呼び出すことで、やり直しの操作を実行することができます。

// テキスト編集コントロールを作成する
QLineEdit* edit = new QLineEdit;
edit->setText("Hello, world!");

// テキストを編集する
QVariant newValue = "Goodbye, world!";
QUndoCommand* command = new QTextCommand(edit, "Set text", edit->text(), newValue);
stack->push(command);

// テキスト編集を元に戻す
stack->undo();

// redo() メソッドを使用して、やり直しの操作を実行する
command->redo();

// テキスト編集をもう一度元に戻す
stack->undo();

// redo() メソッドを使用して、やり直しの操作を実行する
command->redo();

独自のロジックを実装する

上記の方法以外にも、独自のロジックを実装することで、QUndoGroup::redoTextChanged() 関数の代替方法を作成することができます。

方法	利点	欠点
QUndoStack::redoText() 関数	シンプル	アクティブなスタックにしか適用できない
QUndoCommand クラス	柔軟性が高い	コードが複雑になる
独自のロジック	完全な制御が可能	開発コストが高い

QUndoCommand クラスは、Qt GUI 4.0以降で使用できます。
QUndoStack::redoText() 関数は、Qt GUI 5.0以降で使用できます。
QUndoGroup::redoTextChanged() 関数は、Qt GUI 6.0以降で使用できます。