【Qt Widgets】ツールバーのスタイルを動的に制御: QToolBar::toolButtonStyleChanged() を徹底解説

QToolBar::toolButtonStyleChanged() は、ツールバー内のツールボタンのスタイルが変更されたときに発生するシグナルです。このシグナルは、ツールバーの外観を動的に制御したり、特定のスタイル変更に反応するカスタムロジックを実装したりするのに役立ちます。

構文

void toolButtonStyleChanged(Qt::ToolButtonStyle toolButtonStyle);

パラメータ

• toolButtonStyle: 新しいツールボタンスタイルを表す Qt::ToolButtonStyle 型の値。

戻り値

なし。

詳細

ツールボタンスタイルは、Qt::ToolButtonStyle 列挙型で定義されています。主なスタイルは以下の通りです。

• ToolButtonFollowStyle: プラットフォームのネイティブなスタイルに従います。
• ToolButtonIconText: アイコンとテキストの両方を表示します。
• ToolButtonTextOnly: テキストのみを表示します。
• ToolButtonIconOnly: アイコンのみを表示します。

ツールバーのスタイルを変更するには、setToolButtonStyle() メソッドを使用します。このメソッドを呼び出すと、toolButtonStyleChanged() シグナルが emit されます。

例

QToolBar *toolBar = new QToolBar(this);

// ツールボタンスタイルを ToolButtonIconText に設定
toolBar->setToolButtonStyle(Qt::ToolButtonIconText);

// toolButtonStyleChanged() シグナルに接続
connect(toolBar, &QToolBar::toolButtonStyleChanged, this, &MyClass::onToolButtonStyleChanged);

// ツールボタンを追加
toolBar->addAction(QIcon(":/images/open.png"), "開く");
toolBar->addAction(QIcon(":/images/save.png"), "保存");

// ツールバーをウィジェットに追加
setCentralWidget(toolBar);

この例では、MyClass::onToolButtonStyleChanged() メソッドが toolButtonStyleChanged() シグナルに接続されています。このメソッドは、新しいツールボタンスタイルが設定されるたびに呼び出され、スタイル変更に反応するカスタムロジックを実装できます。

• toolButtonStyleChanged() シグナルは、ツールバーが非表示になった場合でも emit されます。
• QToolButton を addWidget() メソッドでツールバーに追加した場合、そのボタンはツールバーのスタイルの影響を受けません。ボタンのスタイルを個別に設定するには、QToolButton::setToolButtonStyle() メソッドを使用する必要があります。

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ツールバーのスタイルを動的に制御する

class MyClass : public QWidget {
public:
    MyClass() {
        toolBar = new QToolBar(this);
        connect(toolBar, &QToolBar::toolButtonStyleChanged, this, &MyClass::onToolButtonStyleChanged);

        toolBar->addAction(QIcon(":/images/open.png"), "開く");
        toolBar->addAction(QIcon(":/images/save.png"), "保存");

        setCentralWidget(toolBar);
    }

private:
    QToolBar *toolBar;

public slots:
    void onToolButtonStyleChanged(Qt::ToolButtonStyle style) {
        switch (style) {
            case Qt::ToolButtonIconOnly:
                qDebug() << "アイコンのみのスタイルが設定されました";
                break;
            case Qt::ToolButtonTextOnly:
                qDebug() << "テキストのみのスタイルが設定されました";
                break;
            case Qt::ToolButtonIconText:
                qDebug() << "アイコンとテキストの両方のスタイルが設定されました";
                break;
            case Qt::ToolButtonFollowStyle:
                qDebug() << "プラットフォームのネイティブなスタイルが設定されました";
                break;
            default:
                qDebug() << "不明なスタイルが設定されました";
                break;
        }
    }
};

このコードを実行すると、ツールバーのスタイルを ToolButtonIconOnly, ToolButtonTextOnly, ToolButtonIconText, ToolButtonFollowStyle に変更すると、onToolButtonStyleChanged() メソッドが呼び出され、新しいスタイルがコンソールに出力されます。

この例では、toolButtonStyleChanged() シグナルを使用して、ツールボタンがアイコンのみのスタイルに設定されたときにカスタムロジックを実装する方法を示します。

class MyClass : public QWidget {
public:
    MyClass() {
        toolBar = new QToolBar(this);
        connect(toolBar, &QToolBar::toolButtonStyleChanged, this, &MyClass::onToolButtonStyleChanged);

        toolBar->addAction(QIcon(":/images/open.png"), "開く");
        toolBar->addAction(QIcon(":/images/save.png"), "保存");

        setCentralWidget(toolBar);
    }

private:
    QToolBar *toolBar;

public slots:
    void onToolButtonStyleChanged(Qt::ToolButtonStyle style) {
        if (style == Qt::ToolButtonIconOnly) {
            // ツールボタンがアイコンのみのスタイルに設定された場合のカスタムロジック
            qDebug() << "ツールボタンがアイコンのみのスタイルに設定されました";

            // 例: ツールチップを表示する
            toolBar->setToolTipsVisible(true);
        }
    }
};

このコードを実行すると、ツールボタンのスタイルを ToolButtonIconOnly に変更すると、onToolButtonStyleChanged() メソッドが呼び出され、ツールチップが表示されます。

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代替方法

以下に、QToolBar::toolButtonStyleChanged() の代替方法をいくつか紹介します。

QToolButton::toolButtonStyleChanged() シグナルを使用する

ツールボタンごとにスタイル変更を個別に処理したい場合は、QToolButton::toolButtonStyleChanged() シグナルを使用できます。このシグナルは、ツールボタンのスタイルが変更されたときに emit され、toolButtonStyleChanged() シグナルと同様に処理できます。

QToolBar *toolBar = new QToolBar(this);

// ツールボタンを追加
toolBar->addAction(QIcon(":/images/open.png"), "開く");
toolBar->addAction(QIcon(":/images/save.png"), "保存");

// 各ツールボタンの toolButtonStyleChanged() シグナルに接続
for (QAction *action : toolBar->actions()) {
    QToolButton *button = toolBar->buttonForAction(action);
    connect(button, &QToolButton::toolButtonStyleChanged, this, &MyClass::onToolButtonButtonStyleChanged);
}

// ツールバーをウィジェットに追加
setCentralWidget(toolBar);

スタイル変更を直接検出する

ツールボタンのスタイルを直接検出することで、toolButtonStyleChanged() シグナルを使用せずにスタイル変更を処理することもできます。これを行うには、QToolButton::toolButtonStyle() メソッドを使用します。

QToolBar *toolBar = new QToolBar(this);

// ツールボタンを追加
toolBar->addAction(QIcon(":/images/open.png"), "開く");
toolBar->addAction(QIcon(":/images/save.png"), "保存");

// スタイル変更を定期的にチェック
QTimer *timer = new QTimer(this);
timer->setInterval(100); // 100 ミリ秒ごとにチェック
connect(timer, &QTimer::timeout, this, &MyClass::checkToolButtonStyle);

// ツールバーをウィジェットに追加
setCentralWidget(toolBar);

// タイマーを開始
timer->start();

カスタムスタイルシートを使用する

スタイルシートを使用してツールバーの外観を完全に制御することもできます。これにより、toolButtonStyleChanged() シグナルやスタイル変更の直接検出を使用する必要がなくなり、より柔軟なスタイル設定が可能になります。

QToolBar *toolBar = new QToolBar(this);

// ツールバーのスタイルシートを設定
toolBar->setStyleSheet("QToolBar {\n"
                       "background-color: #f0f0f0;\n"
                       "border: 1px solid #cccccc;\n"
                       "}\n"
                       "QToolButton {\n"
                       "padding: 5px;\n"
                       "margin: 2px;\n"
                       "border: 1px solid #cccccc;\n"
                       "}\n"
                       "QToolButton:hover {\n"
                       "background-color: #e0e0e0;\n"
                       "}\n"
                       "QToolButton::icon {\n"
                       "width: 16px;\n"
                       "height: 16px;\n"
                       "}\n"
                       "QToolButton::text {\n"
                       "margin-left: 5px;\n"
                       "}\n");

// ツールボタンを追加
toolBar->addAction(QIcon(":/images/open.png"), "開く");
toolBar->addAction(QIcon(":/images/save.png"), "保存");

// ツールバーをウィジェットに追加
setCentralWidget(toolBar);

最適な方法の選択

使用する方法は、状況によって異なります。

• スタイル変更を定期的にチェックする必要がある場合は、スタイル変更を直接検出するのが最善です。
• ツールバー全体のスタイルのみを処理したい場合は、QToolBar::toolButtonStyleChanged() シグナルを使用するか、スタイルシートを使用するのが最善です。
• ツールボタンごとにスタイル変更を個別に処理したい場合は、QToolButton::toolButtonStyleChanged() シグナルを使用するのが最善です。