【初心者向け】Qt Widgets: QToolBox::event() 関数でイベント処理をカスタマイズする方法

event() 関数の役割

event() 関数は、以下の役割を果たします。

• イベントのデフォルト処理を呼び出します。
• イベントを子ウィジェットに伝達します。
• イベントの種類を識別し、適切な処理を実行します。

event() 関数の引数

event() 関数は、以下の引数を取ります。

event() 関数の戻り値

event() 関数は、true を返します。イベントが処理されたことを示します。

event() 関数の例

以下の例は、event() 関数を使用してマウスクリックイベントを処理する方法を示しています。

bool QToolBox::event(QEvent *e)
{
  if (e->type() == QEvent::MouseButtonPress) {
    QMouseEvent *me = static_cast<QMouseEvent *>(e);
    int index = itemAt(me->pos());
    if (index != -1) {
      setCurrentIndex(index);
      return true;
    }
  }

  return QFrame::event(e);
}

この例では、event() 関数はまず、イベントの種類をチェックします。イベントがマウスクリックイベントである場合、イベントの位置を使用して現在のアイテムを特定します。アイテムが見つかった場合、setCurrentIndex() 関数を使用して現在のアイテムを設定し、true を返します。アイテムが見つからない場合、QFrame::event() 関数を呼び出して、フレームウィジェットのデフォルトのイベント処理を呼び出します。

event() 関数の注意点

event() 関数は、すべてのイベントを処理する必要はありません。処理が必要ないイベントがある場合は、false を返してデフォルトのイベント処理を呼び出すことができます。

また、event() 関数は、子ウィジェットにイベントを伝達する前に、イベントを処理する必要があります。子ウィジェットにイベントを伝達するには、event() 関数の最後に QFrame::event() 関数を呼び出す必要があります。

QToolBox::event() 関数は、QToolBox ウィジェットのイベント処理をカスタマイズするために使用できる強力な関数です。この関数を理解することで、より洗練されたで柔軟な QToolBox ウィジェットを作成することができます。

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#include <QApplication>
#include <QToolBox>
#include <QLabel>

class MyToolBox : public QToolBox
{
public:
  MyToolBox(QWidget *parent = nullptr) : QToolBox(parent) {}

protected:
  bool event(QEvent *e) override
  {
    if (e->type() == QEvent::MouseButtonPress) {
      QMouseEvent *me = static_cast<QMouseEvent *>(e);
      int index = itemAt(me->pos());
      if (index != -1) {
        QLabel *label = static_cast<QLabel *>(widget(index));
        if (label) {
          label->setText(QString("Item %1 clicked").arg(index + 1));
        }
        return true;
      }
    }

    return QToolBox::event(e);
  }
};

int main(int argc, char *argv[])
{
  QApplication app(argc, argv);

  MyToolBox toolBox;

  for (int i = 0; i < 5; ++i) {
    QLabel *label = new QLabel(QString("Item %1").arg(i + 1));
    toolBox.addItem(label, QString("Tab %1").arg(i + 1));
  }

  toolBox.show();

  return app.exec();
}

このコードを実行すると、5 つのタブを含む QToolBox ウィジェットが表示されます。各タブにはラベルが含まれています。タブをクリックすると、ラベルのテキストが "Item N clicked" に変更されます。

• QLabel::setText() 関数は、ラベルのテキストを設定します。
• widget() 関数は、指定されたインデックスのアイテムに関連付けられているウィジェットを取得します。
• itemAt() 関数は、イベントの位置に基づいて現在のアイテムのインデックスを取得します。

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シグナルとスロットを使用する

QToolBox ウィジェットは、currentChanged() シグナルを発行します。このシグナルは、現在のアイテムが変更されたときに発行されます。このシグナルをスロットに接続することで、アイテムが変更されたときにカスタム処理を実行できます。

void MyToolBox::currentChanged(int index)
{
  // アイテムが変更されたときに実行する処理
  QLabel *label = static_cast<QLabel *>(widget(index));
  if (label) {
    label->setText(QString("Item %1 selected").arg(index + 1));
  }
}

この方法は、現在のアイテムが変更されたときにのみ処理を実行する必要がある場合に適しています。

カスタムアイテムクラスを使用する

QToolBox ウィジェットは、QWidget 派生クラスであるカスタムアイテムを使用することができます。カスタムアイテムクラスを作成することで、アイテムのイベント処理を独自に実装することができます。

class MyItem : public QWidget
{
public:
  MyItem(const QString &text, QWidget *parent = nullptr) : QWidget(parent)
  {
    label = new QLabel(text);
    layout = new QVBoxLayout;
    layout->addWidget(label);
    setLayout(layout);
  }

protected:
  bool event(QEvent *e) override
  {
    if (e->type() == QEvent::MouseButtonPress) {
      QMouseEvent *me = static_cast<QMouseEvent *>(e);
      // アイテムがクリックされたときに実行する処理
      label->setText(QString("Item clicked"));
      return true;
    }

    return QWidget::event(e);
  }

private:
  QLabel *label;
  QVBoxLayout *layout;
};

この方法は、アイテムごとに個別のイベント処理が必要な場合に適しています。

サブクラス化を使用する

QToolBox ウィジェットをサブクラス化することで、event() 関数を独自に実装することができます。この方法は、QToolBox ウィジェットの動作を大幅に変更する必要がある場合に適しています。

class MyToolBox : public QToolBox
{
public:
  MyToolBox(QWidget *parent = nullptr) : QToolBox(parent) {}

protected:
  bool event(QEvent *e) override
  {
    // カスタムイベント処理
    if (e->type() == QEvent::MouseButtonPress) {
      QMouseEvent *me = static_cast<QMouseEvent *>(e);
      int index = itemAt(me->pos());
      if (index != -1) {
        // アイテムがクリックされたときに実行する処理
        QToolBox::setCurrentIndex(index);
        return true;
      }
    }

    return QToolBox::event(e);
  }
};

この方法は、高度なカスタマイズが必要な場合にのみ使用することをお勧めします。