【Qt Widgets】ツールチップのフォント設定をレベルアップ！QToolTip::setFont()を超えた高度なテクニック

Qt Widgetsライブラリには、ウィジェットに短い説明テキストを表示するツールチップ機能があります。この機能はQToolTipクラスで提供され、setFont()メソッドを使用してツールチップのフォントを設定することができます。

詳細

QToolTip::setFont()メソッドは、QFontオブジェクトを引数として受け取り、ツールチップに適用するフォントを設定します。このメソッドは、ツールチップ全体のフォントを均一に設定するために使用されます。

コード例

QFont font("Arial", 12);
QToolTip::setFont(font);

上記のコード例では、"Arial"フォントをサイズ12でツールチップに設定しています。

ツールチップのスタイルシートを使用することもできます。詳細については、Qtドキュメントを参照してください。
ツールチップの外観をさらにカスタマイズするには、QToolTip::setPalette()メソッドを使用してパレットを設定することもできます。
個々のウィジェットに固有のツールチップフォントを設定したい場合は、QWidget::setToolTip()メソッドと組み合わせて使用することができます。

例1：ツールチップ全体のフォントを設定

#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QToolTip>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QLabel label("Hover over me to see the tooltip");
  label.setToolTip("This is the tooltip text");

  // ツールチップ全体のフォントを設定
  QFont font("Arial", 14);
  QToolTip::setFont(font);

  label.show();
  return app.exec();
}

このコードを実行すると、"Hover over me to see the tooltip"というラベルが表示されます。マウスカーソルをラベルの上に移動すると、"This is the tooltip text"というツールチップが表示されます。ツールチップのフォントはArial 14ポイントに設定されています。

例2：個々のウィジェットに固有のツールチップフォントを設定

#include <QApplication>
#include <QPushButton>
#include <QToolTip>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QPushButton button("Click me");
  button.setToolTip("This is the tooltip text for the button");

  // 個々のウィジェットに固有のツールチップフォントを設定
  QFont buttonFont("Tahoma", 12);
  button.setFont(buttonFont);

  button.show();
  return app.exec();
}

このコードを実行すると、"Click me"というボタンが表示されます。ボタンをクリックすると、"This is the tooltip text for the button"というツールチップが表示されます。ボタンのフォントはTahoma 12ポイントに設定されていますが、ツールチップのフォントはArial 14ポイントのままです。

#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QToolTip>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QLabel label("Hover over me to see the tooltip");
  label.setToolTip("This is the tooltip text");

  // ツールチップのスタイルシートを設定
  qApp->setStyleSheet("QToolTip { background-color: lightblue; color: black; font-family: Arial, sans-serif; font-size: 16px; }");

  label.show();
  return app.exec();
}

そこで、QToolTip::setFont()の代替方法として以下の3つのアプローチを紹介します。

スタイルシートを使用する

スタイルシートは、Qt Widgetsアプリケーションの外観をカスタマイズするための強力なツールです。ツールチップのフォントも、スタイルシートを使用して設定することができます。

QToolTip {
  font-family: Arial, sans-serif;
  font-size: 14px;
}

利点

動的にフォントを変更できる
ツールチップ全体にわたってフォントを統一的に設定できる
コードが簡潔で分かりやすい

欠点

個々のツールチップに固有のフォントを設定するには、より複雑なセレクターが必要になる

個々のウィジェットにツールチップを設定する

QWidget::setToolTip()メソッドを使用して、個々のウィジェットにツールチップを設定することができます。このメソッドでは、ツールチップのテキストだけでなく、フォントも設定することができます。

QLabel label("Hover over me");
QFont font("Tahoma", 12);
label.setToolTip("This is the tooltip text");
label.setFont(font);

上記のコードは、"Hover over me"というラベルにツールチップを設定します。ツールチップのテキストは "This is the tooltip text" で、フォントは Tahoma 12ポイントです。

利点

ツールチップのテキストとフォントを同時に設定できる
個々のツールチップに固有のフォントを設定できる

欠点

すべてのツールチップに対して個別に設定する必要があるため、コードが煩雑になる可能性がある

サブクラスを作成する

QToolTipクラスをサブクラス化することで、ツールチップの外観を完全に制御することができます。この方法は、高度なカスタマイズが必要な場合に役立ちます。

class MyToolTip : public QToolTip {
public:
  void setFont(const QFont &font) override {
    // フォントを加工してから設定
    QFont modifiedFont = font;
    modifiedFont.setPointSize(modifiedFont.pointSize() + 2);
    super::setFont(modifiedFont);
  }
};

上記のコードは、MyToolTipというサブクラスを作成する例です。このサブクラスは、setFont()メソッドをオーバーライドして、ツールチップのフォントサイズを2ポイント増やすようにしています。

利点

ツールチップのあらゆる側面を完全に制御できる

欠点

サブクラスをメンテナンスする必要がある
コードが複雑になる

QToolTip::setFont()メソッドは、多くの場合、ツールチップのフォントを設定する簡単な方法ですが、より詳細な制御が必要な場合は、スタイルシート、個々のウィジェット設定、サブクラス化などの代替方法を検討することができます。