Qt: ボタンにポップアップメニューを関連付ける2つの方法: QToolButton::setMenu() メソッドとaddAction() メソッド

QToolButton::setMenu() メソッドは、QToolButton ウィジェットにポップアップメニューを関連付けます。このメニューには、ボタンをクリックしたときにユーザーが選択できるオプションが表示されます。

構文

void QToolButton::setMenu(QMenu *menu)

パラメータ

menu: 関連付けるポップアップメニュー。

戻り値

なし

詳細

setMenu() メソッドは、QToolButton ウィジェットに menu パラメータで指定されたポップアップメニューを関連付けます。このメニューには、ボタンをクリックしたときにユーザーが選択できるオプションが表示されます。

メニューが設定されると、ボタンをクリックするとメニューが表示されます。ユーザーがメニュー項目を選択すると、triggered() シグナルが送信されます。このシグナルには、選択されたメニュー項目を表す QAction オブジェクトが渡されます。

setMenu() メソッドは、ボタンにすでに関連付けられているメニューを置き換えます。

例

次の例では、QToolButton ウィジェットにポップアップメニューを作成して関連付け、ボタンをクリックしたときにメニュー項目を選択したことを示すメッセージを表示する方法を示します。

QToolButton *button = new QToolButton;
QMenu *menu = new QMenu;

QAction *action1 = new QAction("オプション1", menu);
QAction *action2 = new QAction("オプション2", menu);

menu->addAction(action1);
menu->addAction(action2);

button->setMenu(menu);

connect(button, SIGNAL(triggered(QAction*)), this, SLOT(menuItemSelected(QAction*)));

void menuItemSelected(QAction *action)
{
    QMessageBox::information(this, "メニュー項目選択",
                             "選択された項目: " + action->text());
}

このコードでは、まず QToolButton と QMenu オブジェクトを作成します。次に、QAction オブジェクトを 2 つ作成し、メニューに追加します。最後に、setMenu() メソッドを使用して、ボタンにメニューを関連付け、triggered() シグナルを menuItemSelected() スロットに接続します。

menuItemSelected() スロットは、選択されたメニュー項目のテキストを表示するメッセージボックスを表示します。

メニュー項目を選択したことを示すために、ボタンのアイコンを変更することもできます。これを行うには、setIcon() メソッドを使用します。
QToolButton ウィジェットにメニューを関連付けると、ボタンの外観が変更されます。ボタンには通常、矢印アイコンが表示されます。
QToolButton ウィジェットにメニューを関連付けるもう 1 つの方法は、addAction() メソッドを使用することです。このメソッドは、ボタンに QAction オブジェクトを追加し、ボタンをクリックするとそのアクションがトリガーされます。

#include <QApplication>
#include <QToolButton>
#include <QMenu>
#include <QMessageBox>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    // QToolButton ウィジェットを作成
    QToolButton button;
    button.setText("ボタン");

    // QMenu オブジェクトを作成
    QMenu menu;

    // QAction オブジェクトを作成し、メニューに追加
    QAction *action1 = new QAction("オプション1", &menu);
    QAction *action2 = new QAction("オプション2", &menu);

    menu.addAction(action1);
    menu.addAction(action2);

    // ボタンにメニューを関連付け
    button.setMenu(&menu);

    // triggered() シグナルを menuItemSelected() スロットに接続
    connect(&button, SIGNAL(triggered(QAction*)), &button, SLOT(menuItemSelected(QAction*)));

    // ウィジェットを表示
    button.show();

    return app.exec();
}

void menuItemSelected(QAction *action)
{
    QMessageBox::information(&button, "メニュー項目選択",
                             "選択された項目: " + action->text());
}

コードの説明

QApplication オブジェクトを作成します。
QToolButton ウィジェットを作成し、テキストを設定します。
QMenu オブジェクトを作成します。
QAction オブジェクトを 2 つ作成し、メニューに追加します。
ボタンにメニューを関連付けます。
triggered() シグナルを menuItemSelected() スロットに接続します。
menuItemSelected() スロットは、選択されたメニュー項目のテキストを表示するメッセージボックスを表示します。
ウィジェットを表示します。

実行方法

このコードを実行するには、次の手順に従います。

コードをコンパイルします。
実行可能ファイルを起動します。

結果

ボタンをクリックすると、ポップアップメニューが表示されます。ユーザーがメニュー項目を選択すると、メッセージボックスが表示され、選択された項目のテキストが表示されます。

このコードは、QToolButton ウィジェットにポップアップメニューを関連付ける方法を示す基本的な例です。このコードを拡張して、ニーズに合わせてカスタマイズすることができます。

サブメニューを作成できます。
メニュー項目を無効化できます。
メニュー項目にアイコンを追加できます。

addAction() メソッドを使用する

QToolButton::addAction() メソッドを使用すると、QAction オブジェクトをボタンに直接追加できます。ボタンをクリックすると、そのアクションがトリガーされます。この方法は、メニュー項目が 1 つしかない場合や、アクションをより細かく制御したい場合に適しています。

QToolButton button;
button.setText("ボタン");

QAction *action = new QAction("オプション", &button);
button.addAction(action);

connect(action, SIGNAL(triggered()), this, SLOT(actionTriggered()));

void actionTriggered()
{
    // アクションがトリガーされたときの処理
}

QMenu をツールバーに追加する

QToolButton ウィジェットではなく、QToolBar ウィジェットに QMenu を追加することもできます。この方法は、複数のボタンを同じメニューに関連付けたい場合に適しています。

QToolBar toolbar;

QMenu menu;
QAction *action1 = new QAction("オプション1", &menu);
QAction *action2 = new QAction("オプション2", &menu);
menu.addAction(action1);
menu.addAction(action2);

QToolButton *button1 = new QToolButton;
button1.setIcon(QIcon(":/icon1.png"));
button1.setMenu(&menu);

QToolButton *button2 = new QToolButton;
button2.setIcon(QIcon(":/icon2.png"));
button2.setMenu(&menu);

toolbar.addWidget(button1);
toolbar.addWidget(button2);

// ツールバーを表示
toolbar.show();

カスタムウィジェットを使用する

独自のポップアップメニューの動作を完全に制御したい場合は、カスタムウィジェットを作成することができます。この方法は、高度なカスタマイズが必要な場合に適しています。

class MyToolButton : public QToolButton
{
public:
    MyToolButton(QWidget *parent = nullptr);

protected:
    void mousePressEvent(QMouseEvent *event) override;
};

MyToolButton::MyToolButton(QWidget *parent) : QToolButton(parent)
{
    // カスタムメニューの作成
    menu = new QMenu(this);
    action1 = new QAction("オプション1", menu);
    action2 = new QAction("オプション2", menu);
    menu->addAction(action1);
    menu->addAction(action2);

    // メニューの表示
    connect(this, SIGNAL(clicked()), this, SLOT(showMenu()));
}

void MyToolButton::mousePressEvent(QMouseEvent *event)
{
    if (event->button() == Qt::LeftButton) {
        showMenu();
    }
}

void MyToolButton::showMenu()
{
    menu->exec(mapToGlobal(pos()));
}

どの代替方法を選択するべきか

どの代替方法を選択するかは、要件によって異なります。

高度なカスタマイズが必要な場合は、カスタムウィジェットを使用する必要があります。
複数のボタンを同じメニューに関連付けたい場合は、QMenu をツールバーに追加するのが最良の方法です。
メニュー項目が 1 つしかない場合は、addAction() メソッドが最も簡単です。

QToolButton には、toolButtonStyle() プロパティもあります。このプロパティを使用して、ボタンのスタイルを設定できます。利用可能なスタイルには、Qt::ToolButtonIconOnly、Qt::ToolButtonTextBesideIcon、Qt::ToolButtonTextUnderIcon などがあります。
QToolButton には、autoRaise() プロパティもあります。このプロパティを true に設定すると、ボタンをクリックしたときにボタンがウィジェットスタックの先頭に自動的に昇格します。これにより、ボタンが常に他のウィジェットの上に表示されます。

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